2011年10月26日(水)~12月4日(日)
※作品保護のため会期中、展示替をおこなう場合があります。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。
16世紀半ばから17世紀初頭にかけて、ポルトガルやスペインからいわゆる南蛮船が来航し、西欧の地や中継の港で荷積みされた貴重な文物を日本にもたらします。また南蛮船に乗船した宣教師がキリスト教を日本に伝え、いわゆる南蛮美術や文化が花開きました。
南蛮美術の中でも重要文化財「泰西王侯騎馬図屏風」は、桃山時代から江戸時代初期の初期洋風画の傑作として世に知られています。神戸市立博物館とサントリー美術館が分蔵するこの屏風は、もとは福島・会津城の障壁画であったと伝えられてきました。描いたのはイエズス会の神学校であるセミナリオで、キリスト教とともに西洋画法を学んだ日本人の絵師と推定されており、それを描かせたのもイエズス会の宣教師とみなされています。その画面描写には、当時の西欧の画家たちが身につけていた遠近法や陰影法を、積極的に学んだ跡が見受けられます。しかし、セミナリオで西洋画法を学んだ日本人の絵師が、いかにしてこの記念碑的な「泰西王侯騎馬図屏風」の大画面を描き上げるに至ったかという具体的な制作の経緯については、今もなお、大いなる謎が残されているといってよいでしょう。
今回は展覧会に先立って、東京文化財研究所の特別協力により、この「泰西王侯騎馬図屏風」の画面各部を高精細のデジタル画像で撮影、また近赤外線撮影、透過エックス線撮影、蛍光エックス線分析などによる光学調査を行いました。本展覧会ではこれらの研究成果もご覧いただきます。
また、「泰西王侯騎馬図屏風」と同時代の初期洋風画を中心とする南蛮美術を一堂に集め、主題や構図、顔料や技法、注文主や制作環境などから「泰西王侯騎馬図屏風」をはじめとする初期洋風画の制作の実態に迫ります。さらには、我が国におけるキリスト教の布教に関連する史料や作品から、南蛮屏風などに見られる南蛮趣味の広がりまでを展示します。
16世紀後半から17世紀初頭までという短期間に生み出された初期洋風画や南蛮屏風に代表される南蛮美術は、西洋と東洋の出会いが生み出した稀有な作品群と言えるでしょう。本展覧会を通して、キリシタンや南蛮人をとりまく日本近世初期の歴史の光と影を実感していただければ幸いです。
《展示構成》
第1章 はるかなる西洋との出会い
第2章 聖画の到来
第3章 キリシタンと輸出漆器
第4章 泰西王侯騎馬図屏風の誕生と初期洋風画
第5章 キリシタン弾圧
第6章 キリシタン時代の終焉と洋風画の変容
第7章 南蛮趣味の絵画と工芸
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