

本格焼酎は五百年の歴史を誇る日本の伝統的な蒸溜酒です。しかしその間、何も変化しなかったわけではありません。薩摩でいえば、米や麦、ヒエ、アワなどの雑穀類から根菜類のサツマイモに原料が替わる大きな変化がありました。また蒸溜酒でありながら、食中酒として飲まれたり、お湯割りという飲み方も生まれています。これらを考えると、伝統と革新という概念は相反すると見られがちですが、実は一体のものだと思うのです。 つまり、伝統というものを築くためには、最も先端的な革新が備わっていない限り、伝統として生き残ることはできないということです。
濵田酒造では「本格焼酎を真の国酒へ、さらには世界に冠たる酒を育成する」という目標を掲げています。ではそれを達成するために、どうするか。私は本格焼酎の文化を語ることで、本格焼酎の世界を広めていきたいと考えています。しかも、古い文化的なものだけではなく、革新性も持ってやろうと。そう考えた時、今までの本格焼酎の世界に入り込み過ぎていない、新しい視点も必要だと思いました。つまり、外からの新しい風を吹きむことを考えたのです。
われわれの考えを理解し、なおかつ、われわれの期待に応えてくれるパートナーとして協力いただいたのが、サントリーです。西洋の象徴のウイスキーやブランデーを、独自の切り口で日本の文化にしてしまった、面白いところがあります。また、様々な文化活動も行っています。文化を育てるには時間がかかるので、目先の業績に左右されて方向性が揺らぐようでは難しいといえます。しかし、質とか文化的な物差しでモノゴトを評価できるサントリーとなら、今までにない本格焼酎がつくれると思いました。本格芋焼酎の革新のために、そして、伝統として継承していくために、サントリーとのコラボレーションは必然だったといえます。
われわれはどうしても、長い間本格焼酎を飲んでいるお客様をイメージして、その人に合わせようとします。しかし様々な商品を通じて、お客様を見ているサントリーは違います。われわれからすれば、全く異質なわけです。だから、常圧蒸溜と減圧蒸溜の原酒をブレンドするという、新しい発想が出てくる。この結果として「黒丸」が生まれたわけですが、濵田酒造の本格焼酎とは全く違う新たな世界を生み出してくれたと思います。 果たして「黒丸」は、真の革新といえるか。その答えは今の時点ではわかりませんが、私自身、その可能性の高さは感じています。
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