「サントリー天然水」のこだわり
「サントリー天然水」の
水はどこから来ている?
多くの人々に愛され続けている「サントリー天然水」。この製品が生み出される工場で使われている水は、南アルプス、北アルプス、奥大山、阿蘇の「天然水の森」がある山の地下深くで育まれています。
南アルプスの
天然水の秘密
南アルプスの地下水(=天然水)は、工場のすぐ裏手に位置する花崗岩の山々で育まれています。約1400万年前に地下深くで生まれた花崗岩が、上に乗っていた堆積岩を崩しながら隆起し、ようやく地上に顔を出したところです。日本の花崗岩の中ではもっとも新しい部類で、同じ時期に形成された紀伊半島の巨大花崗岩などは、まだまだ地下深くに眠っています。
花崗岩は地下深くでゆっくりと冷やされて固まった岩なので、結晶が大きく、風化しやすいという特徴を持っています。風化した部分は水を通すため、地下水を育む力はとても大きいのですが、その反面、もろく崩れやすいという欠点もあります。
さらにこの山は、白州断層という巨大な断層と、それに付随する小さな断層が至るところに走っているため、地下の水の流れはとても複雑です。硬度約30と、花崗岩としては比較的硬度が高いのも、そのためかもしれません。スッキリとした切れのいい味わいの軟水です。
南アルプスの天然水は、
どんな森で育まれる?
「天然水の森 南アルプス」には、ミズナラやモミ、ツガなどが主役の天然の針広混交林と、カラマツの植林地が広がっています。さまざまな小鳥たちが暮らしており、早朝に鳴きかわされる小鳥たちの声はうるさいほどです。また絶滅危惧種のクマタカも営巣している、生物多様性の高い森です。
「天然水の森 南アルプス」の取り組み
「天然水の森 南アルプス」の地質は花崗岩です。花崗岩は、水を育む力が大きい反面、風化しやすく、斜面崩壊が起きやすいという欠点もあります。下の写真は、表層崩壊により植物だけでなく、森林土壌も全て流されてしまい、砂浜のようになってしまった斜面です。
こうした場所では、間伐材を使って土留めをし、これ以上土が流されないようにヤシネットで地表を覆い、地域性苗木(※)を植樹しています。それから10年。どうやら健康な森に戻りつつあり、健全な森林土壌も育まれ始めています。
その地域に自生している樹木から採種され、採種の場所・月日などのトレーサビリティが確かな苗木のこと
斜面崩壊地の緑化例山腹の大規模崩壊地をまずはシカ柵で囲む
周辺のカラマツの間伐材で土留めを施工
ヤシネットで土砂を止め、地域性苗木を植樹
10年後の様子。徐々に緑が再生し始めている
この活動に携わる専門家
石川 芳治
東京農工大学 名誉教授
活動を見る
ウォーター・ポジティブ!
ずっとずっと、水と生きてゆけますように
今日降った雨や雪が天然水になって汲み上げられるまでに、約20年かかります。
サントリーは、100年先の未来も清らかでおいしい天然水を守るため、限られた資源である水を、大自然からいただいた分以上おかえししていくことを「ウォーター・ポジティブ」として、約束しています。
サントリーは、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を「天然水の森」で育み、「ウォーター・ポジティブ」を実現しています
「サントリー天然水〈南アルプス〉」の工場見学
「天然水の森 南アルプス」と地下の水脈でつながる「サントリー天然水 南アルプス白州工場」では、ガイドツアーや「サントリー天然水」ブランド製品の試飲などをお楽しみいただけます。
一度遊びに来てみませんか?
ツアーは予約が必要です。詳細は「サントリー天然水 南アルプス白州工場」の公式ホームページをご覧ください。
南アルプス白州工場の見学はこちらから
北アルプスの
天然水の秘密
北アルプスも、南アルプス同様、花崗岩の山です。もっとも南アルプスが、約1400万年前と、日本列島の原型が出来て以降の新しい山なのに対して、北アルプスは約6000万年前、日本列島が、まだ中国大陸のヘリにくっついていた頃に生まれた花崗岩です。
南アルプスの花崗岩に比べて、岩石中のカルシウムやマグネシウムがわずかに少なく、また断層も南アルプスの天然水を育む山と比べるとあまり入っていないため、溶け出すミネラルが少ないのかもしれません。硬度約10。心地よいのどごしで、さっぱりとしたクリアな飲み口です。
北アルプスの天然水は、
どんな森で育まれる?
「天然水の森 北アルプス」は、工場に隣接する「国営アルプスあづみの公園」エリアと、より標高の高い大町市有林エリアのふたつに分かれます。
公園エリアは、アカマツ、カラマツ、スギ、ヒノキなどの植林地が大部分を占めており、市有林エリアは一部のカラマツ植林地を除いて、ほとんどが天然の広葉樹林です。この森には、クマタカ、オオタカ、ハチクマ、ノスリなど、多くの猛禽類が生息しており、ツキノワグマ、カモシカ、ニホンザル、イノシシなどの哺乳類もたくさん棲んでいます。
「天然水の森 北アルプス」の活動を見る「天然水の森 北アルプス」の取り組み
この森に棲む、たくさんの猛禽類の子育てを成功させるために、アカマツ林の整備を始めました。あづみの公園に残されていた過去の記録によると、工場に隣接する立ち入り禁止区域のアカマツ林が、かつては多くのタカたちの営巣場所だったようです。
ところが、マツの下から育ってきた広葉樹が営巣候補の枝を覆ってしまい、巣づくりをしにくい環境に変化してしまったのです。そこで、営巣しやすそうなマツを選び、その周辺の広葉樹を伐り、翌年には、人工巣台も設置しました。
オオタカの子育て支援の様子は、動画にてご紹介しています。
2022年、この巣台でオオタカが営巣を始め、夏には3羽のヒナが無事に巣立ってくれました。
残念なことに、この森の近くでもマツ枯れが広がり始めています。数十年後には、公園のマツも枯れてしまうかもしれません。その時に備えて、老齢化したアカマツ林を小面積で皆伐し、マツ枯れが起こりにくい抵抗性マツに植え替えるような整備を、公園に隣接している工場森林から開始しています。50年後に、立派なマツ林に育ってくれることを願って。
マツは痩せ地を好むため、皆伐後に地表の腐葉土層を全てかき取りました。今後は、この場所に抵抗性の苗木を植樹する予定です
この活動に携わる専門家
遠藤 孝一
(公財)日本野鳥の会 理事長
藤井 幹
(公財)日本鳥類保護連盟 調査研究室 室長
株式会社愛植物設計事務所
日置 佳之
鳥取大学 特任教授
合同会社MORISHO
ウォーター・ポジティブ!
ずっとずっと、水と生きてゆけますように
今日降った雨や雪が天然水になって汲み上げられるまでに、約20年かかります。
サントリーは、100年先の未来も清らかでおいしい天然水を守るため、限られた資源である水を、大自然からいただいた分以上おかえししていくことを「ウォーター・ポジティブ」として、約束しています。
サントリーは、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を「天然水の森」で育み、「ウォーター・ポジティブ」を実現しています
「サントリー天然水〈北アルプス〉」の工場見学
「天然水の森 北アルプス」と地下の水脈でつながる「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」では、見学ツアーや「サントリー天然水」ブランド製品の試飲などをお楽しみいただけます。
一度遊びに来てみませんか?
ツアーは予約が必要です。詳細は「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」の公式ホームページをご覧ください。
北アルプス信濃の森工場の見学はこちらから
奥大山の
天然水の秘密
大山(だいせん)の南に位置する奥大山は、冬に2~3メートルもの雪が積もる豪雪地帯です。烏ヶ山(からすがせん)は、その奥大山を代表する山で、大山山系の主峰のひとつ。約2万5千年前から何度も繰り返された火山活動で形成され、遠くから見ると、烏が羽根を広げているように見えます。
「サントリー天然水 奥大山ブナの森工場」は、この烏ヶ山の火砕流で出来た台地の上に建っており、烏ヶ山に降った雨や雪が大地に浸み込み、約20年の歳月をかけて、工場の地下深くまでたどり着きます。火砕流はデイサイト(流紋岩と安山岩の中間)質で、その中を流れてきた水は、甘みを感じるほどに、やわらかで飲みやすい軟水に磨かれます。硬度は約20です。
サントリー天然水の故郷としてこの地を選んだのは、なによりも、この水の美味しさと、豪雪に由来する地下水の豊富さでした。そのうえ、水源涵養エリアである烏ヶ山の一帯は国立公園の特別保護地区および第1種特別地域/第2種特別地域に指定されており、開発や汚染のリスクが極めて少ないことも魅力でした。
奥大山の天然水は、
どんな森で育まれる?
「天然水の森 奥大山」には、ブナやミズナラを主役にした落葉広葉樹林と、スギやヒノキ、カラマツの人工林、草原や湿原など、多様性に富んだ森が広がっています。
手入れ遅れの人工林を間伐し、地面に光が届くようにすると、長年にわたって土の中に埋もれていた種が一斉に発芽して、一面の緑に覆われます。
これらの種は、鳥が木の実を丸呑みしてフンと一緒に蒔いてくれた(鳥散布)ものや、風に運ばれてきた(風散布)もので、「埋土種子」といって、光が当たるようになるまで、辛抱強く土の中に眠っていたものです。これほどたくさんの苗を人の手で植えることは不可能です。鳥や風が、森づくりの心強いパートナーであることがわかります。
また、この森の一画にあるブナやミズナラなどの巨木林では、地面がササに覆われ、次世代の苗が育たなくなっているエリアがあります。その場所では、ササを刈り払うことで、後継樹が育つ環境を整えています。また、エリア内にある湿原の復活活動も、ここならではの活動です。
また、この森の近くには、絶滅一歩前の危機的状況にあるイヌワシが営巣しており、しばしば、狩りをするために上空を訪れます。そこで、彼らが狩りをしやすいように、草原の復活も試みています。イヌワシは、森ではなく、草原で狩りをする鳥だからです。
この活動に携わる専門家
日置 佳之
鳥取大学 特任教授
山﨑 亨
アジア猛禽類ネットワーク 会長
「天然水の森 奥大山」の取り組み
地域の人たちと一緒になって
「天然水の森 奥大山」の周辺でも、地域の人々と一緒にさまざまな取り組みを進めています。「ブナの実プロジェクト」は、地元の小学生と一緒にブナの実を拾い、子どもたちに苗木まで育ててもらい、森に戻す活動です。
また、鳥取県が推進する農村支援プログラム「とっとり共生の里」に参加し、耕作放棄された農地を土壌保全型の畑に整備し、地元の農家の皆さんに蕎麦を栽培していただき、「奥大山御机そば」として商品化するような活動のお手伝いもしています。
予防伐採と木材の有効活用
この森の一画に1ヘクタールほどの、樹齢100年を超えるミズナラの純林(※)がありました。とても美しい森でしたが、不幸なことに、近くまで「ナラ枯れ」という病気が近づいてきてしまいました。もしこの純林でナラ枯れが広がると、さらに周辺に病気を蔓延させてしまう恐れがありました。
一種類の樹木だけが群生している森林のこと
そこで私たちは、地権者様と環境省の許可をいただき、この場所のミズナラを皆伐することにしました。樹齢100年を超える貴重なミズナラです。最適な利用先を考え、木目がまっすぐで曲がりやねじれのない材はウイスキーの樽にし、それ以外は、ちょうど建設中だったサントリーの研究施設(サントリー ワールド リサーチセンター)の床材として有効活用しました。皆伐した跡地は、モニタリングを繰り返し、より多様な樹種が育つ森に育成中です。
この活動に携わる専門家
日置 佳之
鳥取大学 特任教授
(育林材)について見る
ウォーター・ポジティブ!
ずっとずっと、水と生きてゆけますように
今日降った雨や雪が天然水になって汲み上げられるまでに、約20年かかります。
サントリーは、100年先の未来も清らかでおいしい天然水を守るため、限られた資源である水を、大自然からいただいた分以上おかえししていくことを「ウォーター・ポジティブ」として、約束しています。
サントリーは、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を「天然水の森」で育み、「ウォーター・ポジティブ」を実現しています
「サントリー天然水〈奥大山〉」の工場見学
「天然水の森 奥大山」と地下の水脈でつながる「サントリー天然水 奥大山ブナの森工場」では、見学ツアーや「サントリー天然水」ブランド製品の試飲などをお楽しみいただけます。
一度遊びに来てみませんか?
ツアーは予約が必要です。詳細は「サントリー天然水 奥大山ブナの森工場」の公式ホームページをご覧ください。
奥大山ブナの森工場の見学はこちらから
阿蘇の
天然水の秘密
阿蘇山は、27万年前から9万年前までに4回の巨大噴火を繰り返しました。そして1回目と2回目の大噴火の間に、現在の益城町にあった赤井火山から、砥川溶岩というドロリとした溶岩が流れだし、熊本の低地全体を覆い尽くしました。
この火山と溶岩は、その後の大噴火で火砕流の地下深くに埋もれましたが、穴だらけで割れ目の多いこの溶岩層の中に、熊本が誇る大量の地下水が湛えられているのです。
「サントリー九州熊本工場」がある嘉島町には、下六嘉湧水群という清冽な地下水が湧き出す泉が10数カ所も点在しています。このあたりには断層があり、砥川溶岩層の中を流れてきた地下水が、断層面に当たってせり上がり、地上に湧き出しているのです。
九州熊本工場で汲み上げている天然水もこの水です。安山岩質の火砕流や溶岩の中を流れるうちに溶けだしたミネラルを適度に含んだ、硬度約80、まろやかで口当たりのよい軟水です。
砥川溶岩を生んだ赤井火山は、嘉島町の隣村である益城町に位置しています。その益城町周辺で、サントリーは「天然水の森」活動を行い、地下水の涵養力を高める森林整備を進めています。
さらに森から流れ出す金山川の扇状地では、「冬水田んぼ」と呼ばれる、冬に水を張って、地下深くに沈める涵養活動も行っています。このあたりの田んぼの下には、川から流れてきた、水が浸み込みやすい砂礫が埋まっており、さらにその下には砥川溶岩層が眠っています。「天然水の森」や「冬水田んぼ」は、工場の地下と砥川溶岩層で直接つながっているのです。
阿蘇の天然水は、
どんな森で育まれる?
「天然水の森 阿蘇」は、平地に近く温暖な常緑樹の森から、標高が高く冷涼な落葉広葉樹の森まで、多様な植生に恵まれた森です。ここで私たちは、手入れ遅れのスギやヒノキの人工林を強めに間伐して、林床(※)に広葉樹を誘導し、針葉樹と広葉樹が入り混じる、地下水の涵養力の高い針広混交林にゆっくりと誘導しています。
また、この森には、絶滅危惧種であるクマタカやサシバが営巣しているため、彼らの子育てを応援するために、水辺の狩場をつくるような整備も行っています。
森林の地表面のこと
「天然水の森 阿蘇」の活動を見る「天然水の森 阿蘇」の取り組み
地域と一体になった「冬水田んぼ」
「天然水の森」の整備が進み、地下水の涵養力が高まってくると、雨の少ない冬場の川の流量が増えてきます。その増えた分を、下流の扇状地にある田んぼに流しこみ、工場の地下に直結する砥川溶岩層に浸透させるという、山・川・田んぼが一体となった水源涵養も行っています。
また、この田んぼでは、地元の農家の皆さんの協力を得て、有機栽培や減農薬栽培も推進しています。その他、地元の小学校の子どもたちと一緒に、田んぼの生き物調査を実施するなど、地域に根ざした活動も行っています。
この活動に携わる専門家
島谷 幸宏
熊本県立大学 特別教授
久保 幹
立命館大学 教授
鹿野 雄一
九州大学 特任准教授
伐採した木の有効活用(育林材)
豊かな森を育んでいくためには、木を伐ることも必要です。サントリーでは、「天然水の森」の活動を通じて伐採した木を「育林材(いくりんざい)」と名付け、有効活用しています。
この森で伐り出された「育林材」(スラッシュ松)は、カリモク家具とのコラボレーションによって家具となり、熊本県益城町役場の展望ロビーに置かれています。
伐採した木の有効活用(育林材)について見る
ウォーター・ポジティブ!
ずっとずっと、水と生きてゆけますように
今日降った雨や雪が天然水になって汲み上げられるまでに、約20年かかります。
サントリーは、100年先の未来も清らかでおいしい天然水を守るため、限られた資源である水を、大自然からいただいた分以上おかえししていくことを「ウォーター・ポジティブ」として、約束しています。
サントリーは、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を「天然水の森」で育み、「ウォーター・ポジティブ」を実現しています
「サントリー天然水〈阿蘇〉」の工場見学
「天然水の森 阿蘇」と地下の水脈でつながっている「サントリー九州熊本工場」では、ガイドツアーを行っています。「天然水」だけでなく、ビールの試飲もお楽しみいただけます。
一度遊びに来てみませんか?
ツアーは予約が必要です。詳細は「サントリー九州熊本工場」の公式ホームページをご覧ください。
サントリー九州熊本工場の見学はこちらから