ごはんとおつまみレシピ
太公望ならずとも待ち遠しい鮎の季節。「香魚」とも書く鮎の魅力は、何と言っても食べたとき一瞬通り過ぎる青い香り。そしてほろ苦い肝のおいしさです。でも、鮎は塩焼き一辺倒という人も多いのでは。そこでご紹介するのが、春巻き。粗く叩いた肝を味噌と炒め合わせた、マイルドな肝ソースを鮎の身にたっぷりつけ、バジルと共に鮎のおいしさを存分に楽しむひと品です。香ばしさの中に感じるほろ苦さは、金麦とも相性がよく、おもてなしにもぴったり。ほんのり香るバジルの清涼感が食欲を刺激します。
鮎は水洗いしながら手でぬめりを落とし、ウロコを取り除きます。身が柔らかいので、小型の包丁や手で作業したほうが、崩れることなくきれいに捌けます。春巻きに使う野菜はヤングコーン以外にもインゲンなど歯応えのあるものなら何でも。さっと茹でて加えればふんわりとした鮎の食感とのコントラストが楽しめます。
鮎が手に入らない場合は、鯵やサンマなど脂ののった魚を選びます。鯵なら肝ソースの代わりに柚子こしょうを混ぜたマヨネーズを塗り、ズッキーニと合わせて春巻きにしてみてください。柚子こしょうの爽やかな刺激でおいしくいただけます。
材料(2人分)
手順1 鮎をおろす(1)
鮎は流水で洗いながら指で鱗を取り、ヒレをキッチンばさみで切り落とし、お腹に包丁を入れてワタを出す。
手順2 鮎をおろす(2)
手と包丁で三枚におろし、腹骨のある部分を削ぎ落としてフィレにする。軽く塩、コショウをしてしばらく置く。
身が柔らかい鮎。包丁は最小限に!
三枚におろす際は、尾の方から庖丁を入れたら腹の手前で外し、後は手で開きましょう。ヒレなどはキッチンばさみを使えば身の痛みも少なくてすみます。
手順3 ワタを叩く
ワタの中の黒い部分を取り除いてから、包丁で軽く粗みじんにする。
ワタの黒い部分は取り除いて
ワタの中にある、黒くてやや硬い部分は、ほろ苦い肝の中でも特に苦味が強いので、肝ソースには使いません。切り捨ててから、残りを包丁で叩いて。
手順4 肝を炒める
フライパンにサラダ油を入れ、ニンニク、叩いたワタを入れて、中火で軽く炒める。八丁味噌、上白糖、醤油を加えてさらに炒め、鮎の香りが立ったら取り出し、しばらく冷ます。
手順5 野菜を茹でる
ヤングコーンをさっと茹でて縦半分にカットする。
手順6 皮で巻く(1)
春巻きの皮を広げ、フィレ1枚を斜めに、皮目を下にして置き、肝ソースを塗る。その上にヤングコーン、フィレ、バジルの順に重ねる。
手順7 皮で巻く(2)
両端を折りたたみながらきっちりと巻いてゆき、終わりを水で溶いた小麦粉で留める。
手順8 揚げる
揚げ油を弱~中火にかけ、10分前後揚げる。低温(60℃前後)からじっくりと、徐々に温度を上げ、表面がキツネ色になればOK。
低温からじっくり揚げて
春巻きは中の鮎にまで十分火を通すために、油がまだぬるいうちから入れます。揚げ終わりが、気泡が盛んに立つ中~高温(170℃)であれば、油切れもよくカラリと仕上がります。
完成
春巻きは揚げたて熱々のうちにカット。閉じ込められた鮎の香りがふわっと立ち上ります。豆苗など季節の野菜を付け合わせに盛って、レモンのつけダレを添えるのもおすすめ。レモン汁大さじ1/2、薄口醤油大さじ1/3、サラダ油大さじ2を混ぜ合わせ、唐辛子を振り入れるだけ。さっぱりと頂けます。