きらめく夜に、ときめきのマリアージュを
パリのシャンゼリゼ大通りにイルミネーションがきらめき始める頃、美食の国フランスのチーズ屋たちは、ある高級食材が入ったチーズをこぞって並べ始めます。それは何だと思いますか?ヒントは日本でも冬になるとレストランで珍重されるキノコ。お分かりですか?そう、「黒トリュフ」です。
2013年の締めくくりは、そんなトリュフが香るクリーミーな白カビチーズ「ブリヤ サヴァラン アフィネ ア ラ トリュフ」とシャンパンの贅を尽くしたマリアージュです。
トリュフ入りチーズと一口に言っても様々。フランスではクリスマス頃になると色々なチーズ屋がオリジナルでこだわりのトリュフチーズを作ります。一番良く見かけるのがブリ ド モーやクロミエのような白カビチーズの間にトリュフを挟んだもの。イタリアでも羊乳のセミハードチーズ ペッコリーノにトリュフが練り込まれたものをしばしば見かけますし、オランダのゴーダにもトリュフ入りがあり、それぞれに違った魅力があります。年々バリエーションが豊かになっていることから、ヨーロッパにおけるチーズ&トリュフの人気の高さが伺えます。通年作られているトリュフ入りチーズもありますが、やはりトリュフが市場に出回り一年で一番華やぐこの季節、いつもよりもちょっとスペシャルなワインと共に味わうと格別でしょう。
「ブリヤ サヴァラン アフィネ ア ラ トリュフ」は「熟成ブリヤ サヴァラン トリュフ風味」という意味。そもそも「ブリヤ サヴァラン」とは、「美味礼賛」の著者として知られる18世紀後半のフランスの政治家であり美食家として名高いブリヤ サヴァラン氏の名前を頂いて1930年に名付けられました。生乳に生クリームを加えて作られるため、通常のチーズよりもクリーミーで食べ易くリッチな味わいが特徴です。ミルクにクリームを足すという製造方法は、つくられ始めた当時としては斬新で、人々の話題をさらった画期的なチーズでした。その人気は今や世界中に広がり、偉大なブリヤ サヴァラン氏の名を名乗るにふさわしい逸品と言えるでしょう。
出来たばかりのフレッシュなうちは爽やかな酸味を持ち、ハチミツやフルーツを添えるとそのままで上品なレアチーズケーキのようにも味わえます。それを熟成させた「アフィネ」と呼ばれるタイプになると、バターのような口溶けと濃厚な後味が楽しめます。
生産地はノルマンディー及びブルゴーニュ。同じ「ブリヤ サヴァラン」という名前でも、作り手によって少しずつ見た目や味わいが異なります。今回ご紹介するのは、ブルゴーニュ地方ボーヌとディジョンの間に位置するデュラン社のもの。淡雪のようなホワホワの美しい白カビをまとい、優しくも深いコクをもつ「ブリヤ サヴァラン アフィネ」を作り出すことで評判です。良質なクリームをたっぷりと含んだ「ブリヤ サヴァラン アフィネ」の滑らかな生地の真ん中に、更に黒トリュフを挟んで贅沢に仕上げられたのがこの「ブリヤ サヴァラン アフィネ ア ラ トリュフ」です。