太陽輝くラングドックより~南仏シャルドネと濃厚シェーヴル~
じめっとしたお天気のせいで、気分まで沈みがちなこの季節。青空広がる南フランスから届いた、溌剌としたワインと旬なチーズをご紹介します。
今回オススメするチーズは、フランス南部ラングドック生まれ。国立公園にも指定される広大な丘陵地、セヴェンヌ一帯の農家で昔から作られてきた、手のひらサイズの小型シェーヴル「ペラルドン」です。もともと「ペラルドン」とはセヴェンヌの方言でシェーヴル全般を指し、それがそのままチーズの名前になったと言われています。伝統あるAOPチーズの1つである「ペラルドン」を作るには、山羊たちを年間210日以上指定地域内で放牧させる事が規定により義務づけられています。その指定地域の地質はゴツゴツとしたむき出しの岩肌、ガリッグと呼ばれる乾燥した石灰岩質台地。そこに群生するタイム、ローズマリーの様な香り豊かな植物群や、秋にはどんぐりや栗を食べるという山羊のお乳から作られるチーズは、濃厚な風味とコクが持ち味です。最低11日間の熟成を終えたばかりの「ペラルドン」はとろりとした口当たり。時とともに組織は固く引き締まって表皮にカビが生じ、シェーヴル独特の風味が強くなります。