新酒ボジョレー ヌーヴォーと白カビチーズの華やかな時を演出するマリアージュ
実りの秋を迎え、各地で今年の作柄情報がリリースされる時期になりました。
フランスのボジョレー ヌーヴォーは日本ではすっかり定着しましたね。ボジョレー ヌーヴォー解禁の時期が近づいてくると私は心が弾みます。
今回のテイスティング会では11月15日(木)解禁のボジョレー ヌーヴォーの中でも、ボジョレーの帝王と呼ばれるジョルジュ デュブッフのヌーヴォーに合うチーズを選んでみました。試したワインはボジョレーの2011年。今年のヌーヴォーは解禁日までお預けですので、出来を想像しながらのマリアージュとなりました。
「ボジョレーの果実味に合わせた白カビチーズはいかがでしょう?」
「優しい風味だけでなく少しコクもあった方がいいのでは。」
「それなら果実味の風味を活かしてくれる良質なミルクで製造されているチーズがいいのではないでしょうか。」
などと意見が出る中、白羽の矢が立ったのが「ピエール ロベール」。
フランスのパリの東側に広がるブリーチーズの産地 イル・ド・フランス圏 セーヌ・エ・マルヌ県で造られる白カビチーズです。
原料乳の牛のミルクに生クリームを添加して製造します。タイプでいうとトリプルクリームといわれる固形分中乳脂肪分75%のチーズです。生クリームが添加されているため、発酵バターやクロテッドクリームのような風味が感じられます。また、生クリーム添加型のチーズが低温殺菌したミルクで造られることが多い中、この「ピエール ロベール」は無殺菌乳で造られるため、生ミルクの良さであるコクがしっかりと感じられます。
500gほどの円盤型で、まるでビロードのような真っ白な白カビに覆われています。白カビの皮の部分からは白いマッシュルームのような、きのこの香りが心地よく感じられます。カットすると断面はまるでレアチーズケーキのようになめらかです。