美しい島コルシカの香りを楽しむマリアージュ
ヴァカンスシーズンの前に、一足早くヴァカンス気分を味わえるコルシカ島のチーズはいかがでしょう。
青い海、青い空、そして真っ白い岸壁がまぶしいコルシカ島は、地中海に浮かぶイル・ド・ボーテ(美しい島)と呼ばれます。自然豊かな美しいコルシカ島で造られる、今回ご紹介するチーズはその名も「サヴール・デュ・マキ」。これは「マキの風味」という意味で、表面にコルシカ産のローズマリー、サリエットなどのハーブがびっしりとまぶされ、とても香り高いチーズです。「マキ」とは特定の植物名ではなく、コルシカ島に自生する灌木群のことで、地面を覆う腰丈ぐらいの低い木々のことをいいます。コルシカ島南部の国立公園ではこの灌木群が一面に広がっていて、島を代表する風景といえます、そんな風景をイメージし、地元の羊の乳から造られたチーズのまわりにハーブをまぶして造られたチーズが「サヴール・デュ・マキ」です。
コルシカ島で生産されるチーズの多くは、「トム」と呼ばれるセミハード系の素朴なチーズですが、この「サヴール・デュ・マキ」は本土向けのおしゃれなチーズとして開発されました。フランス人をはじめヨーロッパの人にとってコルシカ島はヴァカンスで訪れたい島です。そんな憧れのコルシカ島をイメージしたこのチーズは、メーカーごとにロマンチックな名前が付けられています。今回紹介する「サヴール・デュ・マキ」以外に、「フルール・ド・マキ」(マキの花)や「ブラン・ダムール」(恋の芽生え)など、素敵なネーミングばかりです。
このチーズの製造シーズンは羊乳の泌乳期間である12月~6月頃までです。春から初夏にかけての乳質が良い時期の羊の乳から造られる「サヴール・デュ・マキ」は、さらに品質も良くなり、まぶされたハーブでさらに香り高くなります。若いうちはしっとりとしたテクスチャーで心地よい酸味もありますが、熟成すると引き締まり、香り高くコクのあるチーズに変化していきます。