彩り鮮やかなブリア サヴァラン ア ラ パパイヤとワインのスイートマリアージュ
今月は新緑の爽やかな季節にスイーツ感覚で楽しめるチーズをご紹介しましょう。
その名も「ブリア サヴァラン」。爽やかな酸味のあるクリームチーズで、甘くないレアーチーズケーキのようだと称されています。造りたてのフレッシュさを存分に楽しめるようプレーンで販売される他、ハーブ&ガーリックをまぶしたタイプ、アフィネ(熟成させたという意味)という周りに白カビを吹き付けて白カビタイプに仕上げたものなど様々にアレンジされています。その中でも今回は、クリームチーズのまわりにドライパパイヤをまぶした「ブリア サヴァラン ア ラ パパイヤ」をご紹介します。
「ブリア サヴァラン ア ラ パパイヤ」の特徴は何と言っても見た目の華やかさ。色鮮やかなドライパパイヤはまるでオレンジ色や黄色の宝石をびっしりと散りばめたようです。口にするとまわりのドライパパイヤがチーズにほんのりと甘みをプラスしてくれます。また、このチーズは生クリームを添加して造られるため、口どけはまさしくレアーチーズケーキのように非常になめらかに溶けていくのが特徴です。大きさも1個500g、直径約15㎝弱程、高さ約5㎝と小さなホールケーキくらいあるため、このチーズを1個まるごと初めてご覧になった方の中には、チーズというよりケーキに見間違える方もいらっしゃるかもしれません。
「ブリア サヴァラン」というチーズ名は、19世紀後半に活躍した政治家・法律家で、美食家としても知られていたジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン氏の名前に由来しています。彼は著書「美味礼賛」の中で「デザートにチーズが無いなんて、片目を失った美女のようだ」と書いています。この時代は食後には田舎くさい硬いチーズではなく、フレッシュなチーズをデザートとして食べることがおしゃれと考えられており、彼は「食後にチーズは欠かせないものだ」と説いたのでした。当時「ブリア サヴァラン」というチーズは存在していませんでしたが、戦後ブルゴーニュ地方からシャンパーニュ地方にかけて、生クリームを添加してなめらかさを特徴とし開発されたチーズに、美食家「ブリア サヴァラン」の名前が付けられたそうです。