チーズとワイン

世界のチーズ事典

世界のチーズから、それに合うワインをお探し頂けます。

ゴルゴンゾーラ ドルチェ

Gorgonzola Dolce

2011年09月

世界3大ブルーチーズのひとつ。9世紀後半、ミラノから北東に18kmのゴルゴンゾーラという小さい村で生まれました。ドルチェタイプ(甘口)は、青カビが少なく、お口の中でふんわりと溶けるクリーミーさ、なめらかな口あたりが特徴。リゾットやパスタソースにも最適です。蜂蜜や完熟の果物を添えてもぴったりです。

ゴルゴンゾーラ ドルチェ

夏の疲れを癒してくれるデザート感覚のマリアージュ

今回は世界3大ブルーチーズとしても有名なイタリアの「ゴルゴンゾーラ」をご紹介いたしましょう。

「ゴルゴンゾーラ」の名前は、北イタリア ロンバルディア州ゴルゴンゾーラ村に由来します。この村周辺でのチーズ造りの歴史は古く、875年にはチーズ作りが盛んに行なわれていたようです。当時、牛飼いたちは6月から9月の短い夏の間、アルプスの高原に牛を連れて行き、移動放牧を行いながら、大きなハード系の長期熟成型のチーズを造っていました。そして、9月の終わりになると造ったチーズと共に下山をしました。牛と共に下山する長い道のりは、牛飼いにとって重労働でした。朝夕に差し掛かればミルクを搾りました。搾ったミルクは木桶に入れ、天秤棒で担いで下山したのです。下山の途中、疲れきった体を休める為にいくつかの休憩所を経由しながら、休憩所でもチーズ造りを行いました。「疲れた」牛飼いたちが、「疲れた」牛から搾った乳で造ったチーズは柔らかく美味しいと話題になり、このあたりで造られるチーズは皆地元の方言で「疲れた」という意味の「ストラッコ」から派生した「ストラッキーノ」と呼ばれるようになりました。要するに疲れた時に飲むお疲れビールならぬ、疲れた時に造った「お疲れチーズ」というわけです。山から麓までの休憩地点の1つにゴルゴンゾーラ村があり、今回ご紹介する「ゴルゴンゾーラ」はこの村の「ストラッキーノ」として知られています。

「ゴルゴンゾーラ村の疲れたチーズ」を意味する「ストラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラ」という言葉は、イタリアの作曲家であり美食家のジョアキーノ・ロッシーニが書いた手紙の中にも登場するほど有名です。「ゴルゴンゾーラ」はイタリアの伝統的なチーズで、グラーナパダーノ、パルミジャーノレッジャーノに次ぐ高い生産量を誇っており、現在ではピエモンテ州ノヴァーラ県を中心として生産されています。

「ゴルゴンゾーラ」の大きさは直径約30cm、高さ約20cm、重さ約12㎏と青かびにしてはとても大きいチーズです。古典的なタイプは青かびがしっかりと入った「ピカンテ」というタイプですが、今回ご紹介するのは戦後生まれた「ドルチェ」。「ピカンテ」と比べて、青かびの量を少なくし、食べやすさを追求しました。クリーミーな口当たりで、塩味も穏やかな優しい風味が特徴です。もともとは「ピカンテ」が本来の「ゴルゴンゾーラ」の姿ですが、今では「ドルチェ」の方が「ゴルゴンゾーラ」生産量全体の9割を占めるほど人気を博しています。

ちょうどこのコラムが掲載される9月末は、アルプスから牛が下山する時期。まさしく「ゴルゴンゾーラ」が造られていた時期ということから、今回のチーズとして「ゴルゴンゾーラ ドルチェ」が選ばれました。

このチーズに合うワイン

マリアージュの会メンバーは皆、牛が下山する風景を想像しながらテイスティングをしました。 「ドルチェは優しい塩味だね。ブルーチーズに定番の蜂蜜に代わる甘いワインがいいね」 「フルーティーなマスカットのほんのり甘い香りと相性の良いチーズだね」 「モスカートとあわせると、まるで洋ナシやもものコンポートを食べているみたい」 と、満場一致でチェレット社の「モスカート ダスティ」をいち押しのワインとして選びました。 続きを見る

この記事はフェルミエ監修の元に作成しております。
株式会社フェルミエ 取締役社長:本間るみ子 執筆:村瀬美幸
東京都港区愛宕1‐5‐3 愛宕ASビル
Tel:03‐5776‐7722 Web:www.fermier.co.jp

フェルミエ

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