このチーズに合うワイン

マリアージュの会メンバーは皆、牛が下山する風景を想像しながらテイスティングをしました。

「ドルチェは優しい塩味だね。ブルーチーズに定番の蜂蜜に代わる甘いワインがいいね」
「フルーティーなマスカットのほんのり甘い香りと相性の良いチーズだね」
「モスカートとあわせると、まるで洋ナシやもものコンポートを食べているみたい」

と、満場一致でチェレット社の「モスカート ダスティ」をいち押しのワインとして選びました。

チェレット社はワインの王、王者のワインと讃えられる「バローロ」「バルバレスコ」の銘醸地のつくり手として世界に名声を博しています。「最上の畑で、最上の酒をつくる」というきわめてシンプルなポリシーを貫いている名醸造元として知られています。また、大きな醸造センターをもたずに、銘醸地ごとに醸造所をおく事もこだわりです。チェレット社ではイタリアの高貴種ネッビオーロ種からの名品をはじめ、アルバ地区のドルチェット種やバルベラ種のワイン、アスティ地区のモスカート種のワインなど、それぞれの地区の代表とされる品質の高いワインを生産しています。

そんな中でも今回おすすめにあげた「モスカート ダスティ」は、モスカートと呼ばれるマスカット種から造られており、ややグリーンがかった淡い麦わら色をしています。グラスに注ぐと少し泡立ちながら、マスカットぶどう本来のフルーティーな香りや、ももや洋ナシのような果実の香りが広がります。味わいはマスカットをそのまま食したような自然でほのかな甘さと心地よい酸味のバランスが良く、フルーティーな風味が特長です。アルコール度数も5%と低めで軽やかな、やや甘口の白ワインです。

今回の「ゴルゴンゾーラ ドルチェ」と合わせるとワインの持つ自然な甘さが強すぎず、弱すぎず、チーズのマイルドな塩味にぴったり合うマリアージュとなりました。「ゴルゴンゾーラ」のクリーミーさが、「モスカート ダスティ」の優しい泡立ちと合わさり、口どけの良さがさらに増します。きりりと冷やした「モスカート ダスティ」で、「ゴルゴンゾーラ ドルチェ」をデザートに変身させてお召し上がり下さい。

次にメンバーが選んだのは登美の丘ワイナリー 「登美 ノーブルドール」。
サントリー登美の丘ワイナリーで、貴腐ぶどうの一粒一粒を摘み集め、手間と時間を惜しまず、じっくりと醸造し、熟成させた貴腐ワインです。2002年、登美の丘ワイナリーでは天候に恵まれ、良質な貴腐ぶどうが収穫できました。それを小型の発酵槽でじっくりと時間をかけて丁寧に低温発酵させました。貴腐ワイン特有の複雑で深みのある香りが豊かに立ち上がります。その味わいは蜜のように甘美で芳醇。洗練された贅沢な逸品です。
ぶどう品種はリースリング種100%で、輝きつやのある非常に濃い黄金色をしています。香りはまるで様々な花の蜜がブレンドされているように華やかで濃厚な印象です。味わいはとてもふくよかで芳醇。蜜のような甘さの中にも心地よい酸味が感じられ、バランスの良さが特長です。

「ゴルゴンゾーラ ドルチェ」に合わせるとまるで極上の蜂蜜を合わせて食べているかのような組み合わせになりました。メンバーからは、この濃厚な甘味はしっかりとした塩味や青かびの風味がある「ピカンテ」タイプにも合わせてみたいという声が上がりました。いずれのタイプも、デザートワイン「登美 ノーブルドール」にぴったりなテーブルチーズです。

だんだんと暑さも和らぎ、夏の疲れがでてくる時期です。午後のティータイムにのんびりと「ゴルゴンゾーラ」と「モスカート ダスティ」で、癒しの時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
ここぞという時のご褒美には、「登美 ノーブルドール」とのマリアージュもぜひご賞味ください。

1st

チェレット モスカート ダスティ

チェレット
モスカート ダスティ

イタリア
ぶどう品種 モスカート

1939年創業ピエモンテの名門チェレット家がつくるワイン。マスカット葡萄からつくられた微発泡性の白ワインです。自然な甘味が心地よいフルーティーな風味で、アルコール度も5%と軽やかです。食後のデザート、あるいは午後のひとときに最適です。

2nd

 

サントリー登美の丘ワイナリー
登美 ノーブルドール

日本
ぶどう品種 リースリング・イタリコ

貴腐ぶどうの一粒一粒を摘み集め、手間と時間を惜しまずじっくりと醸造し、熟成させた貴腐ワインです。小型の発酵槽でじっくりと時間をかけて低温発酵させたその味わいは貴腐ワイン特有の複雑で深みのある香りとともに、蜜のように甘美で芳醇です。少し冷やして11℃~13℃ほどでお愉しみください。