特別な日にもおすすめです
鮮やかなブルーチーズと、優しい味わいのマドンナ
年末年始は人が集う機会が多くなりますね。今日ご紹介する「シュロプシャー・ブルー」は、色も鮮やかで、手みやげにすると喜ばれるチーズです。
もともとは、英国チーズを代表する「スティルトン」にヒントを得て生まれました。「シュロプシャー」とはロンドンから北西に位置する州名ですが、ここで製造されているわけではありません。シュロプシャー州から遠く離れたスコットランドで開発されたと言われますが、真実はわからないのです。生産が本格化したのは1981年。スティルトンのトップメーカーのひとつ、“クローソン・バセット社”が興味を持ち、生産を開始したことが始まりです。オレンジに色づけされたブルーチーズはたちまち評判になり、スティルトンを製造している近隣の工場でも、次々と製造されるようになったのです。
オレンジに色づけしたチーズは、今ではフランスチーズのミモレットなどがよく知られていますが、昔はサフランや人参などで色づけしていました。天然の色素“アナトー”と呼ばれるベニノキの種子から抽出した色素が使われるようになったのは20世紀になってからで、原産は中南米の熱帯や亜熱帯地帯。科学のめざましい発展で、アナトー色素溶液が開発されたおかげで、手軽に使用できるようになりました。
鮮やかなオレンジ色に大理石模様にぎっしりと広がったブルー。食感はウニのようにねっとりとして、スティルトンに比べると、穏やかなブルーの刺激、後味にはハチミツのような甘みも感じられます。