チーズとワイン

世界のチーズ事典

世界のチーズから、それに合うワインをお探し頂けます。

シュロプシャー・ブルー

Shropshire Blue

2006年12月

アナトー(ベニの木の実から採った橙色の食品用染料)で色づけしたオレンジ色の地にブルーが散っていて、視覚的にとても珍しく鮮やかなチーズ。ほんのりとした蜂蜜のような甘味とかすかな苦味が、それぞれバランスよく溶け合っていてあとをひく美味しさです。

シュロプシャー・ブルー

特別な日にもおすすめです
鮮やかなブルーチーズと、優しい味わいのマドンナ

年末年始は人が集う機会が多くなりますね。今日ご紹介する「シュロプシャー・ブルー」は、色も鮮やかで、手みやげにすると喜ばれるチーズです。

 もともとは、英国チーズを代表する「スティルトン」にヒントを得て生まれました。「シュロプシャー」とはロンドンから北西に位置する州名ですが、ここで製造されているわけではありません。シュロプシャー州から遠く離れたスコットランドで開発されたと言われますが、真実はわからないのです。生産が本格化したのは1981年。スティルトンのトップメーカーのひとつ、“クローソン・バセット社”が興味を持ち、生産を開始したことが始まりです。オレンジに色づけされたブルーチーズはたちまち評判になり、スティルトンを製造している近隣の工場でも、次々と製造されるようになったのです。

 オレンジに色づけしたチーズは、今ではフランスチーズのミモレットなどがよく知られていますが、昔はサフランや人参などで色づけしていました。天然の色素“アナトー”と呼ばれるベニノキの種子から抽出した色素が使われるようになったのは20世紀になってからで、原産は中南米の熱帯や亜熱帯地帯。科学のめざましい発展で、アナトー色素溶液が開発されたおかげで、手軽に使用できるようになりました。

 鮮やかなオレンジ色に大理石模様にぎっしりと広がったブルー。食感はウニのようにねっとりとして、スティルトンに比べると、穏やかなブルーの刺激、後味にはハチミツのような甘みも感じられます。

このチーズに合うワイン

 ところで青カビチーズと甘口ワインは定番アイテム。スティルトンの場合はポルトに合わせるのが一般的、ならば「シュロプシャー・ブルー」は、もう少し控えめな甘口が合うのではと実験したのは、「ファルケンベルク リープフラウミルヒ<マドンナ>」。 続きを見る

この記事はフェルミエ監修の元に作成しております。
株式会社フェルミエ 取締役社長:本間るみ子 執筆:本間るみ子
東京都港区愛宕1‐5‐3 愛宕ASビル
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