リニューアル・オープン記念展 Ⅲ
2020年12月16日(水)~2021年2月28日(日)
※本展は10月14日~12月20日の会期を変更しました。
緊急事態宣言発令に伴い、閉館時間を20時から18時に変更します
※作品保護のため、会期中展示替を行います。
※各作品の出品期間は、出品作品リスト(PDF) をご参照ください。
※本展は撮影可能です。
古伊万里が本格的に輸出されるようになったのは17世紀後半以降、長崎からと考えられています。
そのきっかけは17世紀の初めに遡ります。ポルトガルやオランダの船が運んだ中国磁器は、ヨーロッパ諸国の王や貴族を魅了しました。ところが17世紀半ば、中国の政情不安定から、一時的に中国磁器の輸出が激減します。そこで代わりに古伊万里が本格的に海外へ輸出されるようになりました。
ヨーロッパから東洋へ向けられた熱い視線が原動力となって、次々にひらいた輸出古伊万里の美。華やかな「柿右衛門様式」や「金襴手様式」を中心に、新収蔵品も交えてご紹介します。
鍋島とは、江戸時代に佐賀藩(鍋島藩)の運営する鍋島藩窯で作られた高級磁器です。その用途は、徳川将軍家への年ごとの献上品、また藩のさまざまな贈進の品、藩主の身の回りの品などでした。
献上・贈進のため継続的にまとまった個数を作りつつ、常に高い品質を維持しなければならないという使命が、鍋島を研ぎ澄まされた美しさを持つやきものへ成長させたとも言えるでしょう。その最大の魅力の一つが、種類豊富な「意匠」です。ここでは構図・色彩に優れた作品を選りすぐって展示すると同時に、うつわの品格をぐっと高める「白抜き文様」の繊細な美にも注目します。
15世紀から19世紀にかけて繁栄した琉球王国では、海上交易を通じて、中国や日本、東南アジア諸国との文化を結び、独自の美が花開きました。中でも、型紙を用いて模様を染め出す紅型は、周辺各国の染色技術の影響を受けながら、首里王府の庇護のもと様々な技法が発展し、王国の人々を華やかに彩りました。ビビッドな色彩と多様なモチーフが響きあう表現は、沖縄を象徴する染物として今なお多くの人を魅了しています。
ここでは琉球王国の染織を代表する紅型について、当館の裂地コレクションを特集するとともに、そのデザインの源である型紙に焦点をあて、型紙を作り出した高度なテクニックと隠れた魅力をご紹介します。本来、型紙は布を染める際の「道具」ですが、そこには細やかな職人技が駆使された型紙ならではの「美」があります。多彩な国と地域の文化が融合して生まれた紅型裂と型紙の世界をご覧ください。
日本において本格的にガラスのうつわが作られるようになったのは17世紀中頃のことです。当時の貿易窓口であった長崎において、吹き技法による実用的なガラス器の生産が始まったと考えられています。
そのきっかけは16世紀中頃に遡ります。ポルトガルやスペインの船が日本を訪れるようになったこの時期、キリスト教布教を目指す宣教師らは様々な珍しい品を時の権力者に献上しました。その中に、ガラスでできた器物も含まれていたのです。実用性と豊かな装飾性を兼ね備えたヨーロッパのガラス器への憧れが、続く江戸時代にガラス器生産が本格化する原動力になったと推測されます。
ヨーロッパのガラス器への憧れが日本の美意識と結びついて生み出された「びいどろ」や「ぎやまん」という新たなガラスの美をお楽しみください。
「錦絵 江戸の名産にして他邦に比類なし」(『江戸名所図会』)と書かれたように、大衆文化を背景に生まれた浮世絵版画は、流行を敏感にとらえ、江戸を代表する美となりました。プロデューサーとしての版元を中心に、絵師・彫師・摺師が一体となって作り上げた木版多色摺の錦絵は、幅広い階層の人々を惹きつけ、江戸の「今」を描いています。常に最新のモードを反映した浮世絵は、海外の情報も積極的に吸収し、西洋絵画の遠近法・明暗法も取り入れた新たな表現を生み出しました。
幕末には開港した横浜の西洋風俗を描いた「横浜浮世絵」が、明治時代初期には文明開化で発展した東京を描いた「開化絵」が制作され、力強い色彩で時代変化の様相を表しています。明治時代に西洋美術が本格的に伝わると、小林清親(1847~1915)らによって伝統と結びついた新しい表現の近代版画が誕生しました。
ここでは、江戸の浮世絵、幕末維新期の横浜浮世絵・開化絵、明治前期の小林清親らの光線画を中心に、日本と西洋の文化が結びついた版画の美を展観します。
アール・ヌーヴォー期を代表するフランスの芸術家エミール・ガレ(1846~1904)が創作に邁進した1864年頃から1904年の40年余りは、万国博覧会の時代にあたります。ガレは父の手伝いとして1867年のパリ万博と1871年のロンドン万博に参加しており、そこで目にした異国の美術品に大いに刺激を受けたとみられます。父から会社を引き継いだ後も、1878年、1889年、1900年のパリ万博という国際舞台を生かし、自社の造形を発表していきました。ガレのガラス作品からは、自国の伝統にエジプト・イスラム・中国・日本など多くの異国の美術のエッセンスを貪欲に取り入れながら、より洗練された美へと昇華していったことがうかがえます。
ここでは、ガレのガラス作品の中でも日本美術とかかわりの深い作品を中心にご紹介するとともに、昨年サントリー美術館のコレクションに加わった新収蔵品も初公開します。
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