サントリー芸術財団50周年
2019年9月4日(水)~11月10日(日)
※作品保護のため、会期中展示替を行います。
※各作品の出品期間は、出品作品リスト(PDF) をご参照ください。
「姿を借りる」「描く」「歪む」「型から生まれる」などのキーワードを手がかりに、黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部の造形の魅力をご紹介します。
●姿を借りる
美濃焼には、桃山時代までに日本で珍重された中国陶磁・古銅器・漆工品などさまざまな茶道具の姿を象ったと思われる作品があります。しかしながら、決してその忠実な模倣ではない、新しい茶陶として創造されました。
●描く
桃山時代の和物茶陶の中でも、美濃焼はとても多様な方法で加飾を試みました。とりわけ、鉄を絵具とし釉下に筆で描く「鉄絵」の技法は、陶器を蒔絵や染織にならぶ華やかな装いへと導きました。
●歪む
美濃焼の茶碗や水指などに見られる「歪み」は、轆轤成形した後、箆で複雑な面を取り、あるいは撓めて歪みを加えたものです。歪みの造形は、伊賀焼や唐津焼、信楽焼、備前焼などの桃山時代の和物茶陶に共通して現れた美意識であり、また茶陶一点一点に力強さと個性を与えています。
●型から生まれる
轆轤成形後の素地、あるいはタタラ(粘土板)を型に押し当て器を形作る「型打」の技術は、大量生産を実現したのみならず、器を円形や円筒形から解放し、自由な造形を実現する画期的な技術であるとも言えます。「型打」によったと考えられる多彩な鉢や蓋物、向付をご紹介します。また、「型打」に用いられた土型も展示します。
美濃焼は近代以降高い評価と人気を得るようになりました。その様子を、近代数寄者達の旧蔵作品、および桃山時代の美濃茶陶の美意識を自らの作品へと昇華させた陶芸家である荒川豊蔵と加藤唐九郎の代表的作品によってご紹介します。
美濃古陶の研究に熱心に取り組み、試行錯誤を重ねながら桃山時代の美濃焼の美意識を自らの表現へと昇華させた2人の陶芸家、荒川豊蔵と加藤唐九郎の代表的な作品をご紹介します。
近代数寄者は、趣味として茶をたしなみ、潤沢な資金を以て名品の茶道具を蒐集し、独自の茶風を築いた人々で、近代日本の政・官・財界に大きな力を持つ人々や知識人、文化人などがいました。美濃の茶陶は、近代数寄者達のコレクションに次々と加わっていきます。中でも中京を代表する数寄者・森川如春庵(もりかわにょしゅんあん・1887-1980)は美濃焼の研究に熱中し、当時の美濃焼の名品を取材撮影し、自身の所蔵品も加え、昭和11年(1936)に名著『志野 黄瀬戸 織部』を出版しました。美濃焼の魅力をいち早く世に紹介した同書は、今日における美濃焼の評価基準の一つにもなっています。ここでは『志野 黄瀬戸 織部』で紹介された作品も含め、かつて近代数寄者の所蔵した美濃焼の名品をご紹介します。
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