2010年3月27日(土)~5月23日(日)
※作品保護のため会期中、展示替をおこなう場合があります。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。
南蛮船がもたらしたヨーロッパの舶載品に憧れ、和ガラスの製造は「写す」ことからスタートしたと考えられます。まずプロローグでは、西洋のガラス製品にならったことを示す和ガラスや、製造に関わる資料などを紹介します。
文献などをひも解くと、まず暮らしに取り込まれた和ガラスは、レンズ類や食にまつわる器が主流だったことが分かります。透明で熱に弱いガラスは、特に涼を呼ぶ宴の舞台に登場したことでしょう。
第1章では、食と宴の席に取り入れられていった、美しく涼やかなガラス器の数々をご紹介します。
皿や盃ばかりでなく、次第に身を飾る装身具にも、ガラス製のものが登場します。「びいどろのかんざしむらのはで娘」(誹風柳多留・安永5年[1776])と詠まれたように、櫛・簪・笄といった和ガラスは、小粋な娘たちに人気があったようです。また、男性の装いに、ガラスの印籠や根付などがあらわれました。第2章では、洒落者にもてはやされた和ガラスを紹介します。
他にはない透明な素材のガラスは、文具や喫煙具といった、たしなみの場面でも活用されました。こうした嗜好性の強い和ガラスは、特に茶席に登場する機会が多かったに違いありません。ガラス製の茶壺や振出のほか、煙草盆や煙管なども見られます。第3章では、数寄者に愛された和ガラスをご紹介します。
涼をよぶガラスの素材感は、夏の花器や風鈴、金魚玉などに取り入れられます。また、芸を凝らした雛道具や、ガラス棒入り虫籠やビーズの吊灯籠など、さまざまな細工物が作られました。こうした日本の手わざを再認識させる和ガラスの中には、今では見ることのできないものも少なくありません。第4章では、目に愛らしい、遊び心一杯の和ガラスを紹介します。
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