2007年9月1日(土)~10月21日(日)
※作品保護のため会期中、展示替をおこなう場合があります。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。
正倉院の遺品をのぞけば、中世以前に制作された屏風は、「山水屏風」の数例が現存するのみです。展示の冒頭では「山水屏風」の貴重な作例から、六曲一双の大画面へと展開する屏風の画面形式の変遷をたどります。また、金屏風は室町時代の朝貢品の中でもとくに重要視されました。「四季花鳥図(しきかちょうず)屏風」(白鶴美術館所蔵)は、戦国時代の武将が明の皇帝に献上するために狩野元信に描かせた金屏風を髣髴とさせます。金地を背景とした屏風は近世に至るまで描き継がれ、多くの名品が生まれました。
<主な出品作品>
重要文化財「日月山水図(じつげつさんすいず)屏風」金剛寺
「日月四季花鳥図(じつげつしきかちょうず)屏風」出光美術館
重要文化財「四季花鳥図屏風」狩野元信筆 白鶴美術館
重要美術品「四季花鳥図屏風」狩野宗秀筆 大阪市立美術館
重要文化財「石山寺(いしやまでら)縁起絵巻」石山寺
屏風は、間仕切りや風除けという機能の他に、「源氏物語図屏風」などを婚礼調度として誂える例がありました。また出産に際しては「白絵屏風」が飾られるなど、人生の通過儀礼において、屏風が特別な役割を果たした場面も少なくありません。今回は「白絵屏風」の貴重な遺品をはじめ、絵巻物の画中画に描かれた屏風の姿によって、儀礼の場で使われた屏風の実態に迫ります。
<主な出品作品>
「白絵(しろえ)屏風」伝原在中筆 京都府立総合資料館
「源氏物語・子(ね)の日図屏風」狩野晴川院養信筆 遠山記念館
「人の一生図」ライデン国立民族学博物館
スペインやポルトガルとの南蛮交易でも、漆器とともに屏風は重要な輸出品目となり、西欧の地でBIOMBOという言葉が定着しました。また、セミナリオなどで学ばれた西洋画法は「泰西王侯騎馬図(たいせいおうこうきばず)屏風」などの洋風画の大画面に生かされ、日本美術史上にあって特別な輝きを放っています。
<主な出品作品>
「白絵(しろえ)屏風」伝原在中筆 京都府立総合資料館
「源氏物語・子(ね)の日図屏風」狩野晴川院養信筆 遠山記念館
「人の一生図」ライデン国立民族学博物館
「桃山百双」という言葉が象徴するように、近世初期にはバラエティ豊かな屏風が多数制作されました。人気を博し繰り返し描かれた『柳橋水車図(りゅうきょうすいしゃず)』『誰(た)が袖図(そでず)』『武蔵野図』といったテーマも生まれ、屏風絵は幅広い階層に愛好されました
鎖国下の日本において唯一正式の国交があった朝鮮へは、将軍の代替りごとに朝鮮通信使が来日しましたが、その返礼に屏風が贈られるのが慣例でした。今回は、現存する数少ない貴重な屏風を里帰りさせ展示します。さらに1856年、オランダ国王ウィレム3世から贈られた蒸気船の返礼として、江戸幕府が当時の奥絵師たちに描かせて贈った屏風のほぼ全作を、今回150年ぶりに里帰りさせます。
<主な出品作品>
「苅田雁秋草図(かりたかりあきくさず)屏風」狩野友甫筆 韓国古宮博物館
「太平記図(たいへいきず)屏風」住吉弘貫筆 ライデン国立民族学博物館
「賀茂競馬図(かものくらべうまず)屏風」狩野中信筆 ライデン国立民族学博物館
「鷹狩図(たかがりず)屏風」狩野雅信筆 ライデン国立民族学博物館
屏風の中には元は襖絵であった作品も少なくありません。例えばサントリー美術館所蔵の「祇園祭礼図(ぎおんさいれいず)屏風」もそのひとつです。また一双であった屏風が、諸般の事情によって離れ離れになった例は数多くあります。今回は海を越えて分蔵される諸作品の里帰りを実現させ、一室を飾っていたとされる壮大で華麗な大画面の復元を試みます。
<主な出品作品>
「祇園祭礼図屏風」ケルン東洋美術館、「祇園祭礼図屏風」サントリー美術館
「社頭図(しゃとうず)屏風」メトロポリタン美術館
「賀茂競馬図(かものくらべうまず)屏風」クリーブランド美術館
「松下麝香猫図(しょうかじゃこうねこず)屏風」ボストン美術館
「樹下麝香猫図((じゅかじゃこうねこず)屏風」サントリー美術館
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