REPORT
腸内環境がニキビに関係?ニキビと腸のために避けたい食品
課題ニキビは、多くの人が経験する肌トラブルのひとつです。その原因として、皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まりが挙げられます。しかし、最近の研究によって、腸の状態も関与している可能性があります。そこで、腸とニキビの関係について探求し、ニキビ予防と健康的な腸のために避けたい食品についてもご紹介します。
腸内環境がニキビにも関係?
ニキビは、毛穴から出る油分や毛穴の詰まり、ニキビを起こすアクネ菌などによってできます。アクネ菌は常在菌でもともと肌に棲んでいる菌ですが、毛穴に皮脂が溜まってアクネ菌が増えると、毛穴の周りの皮膚にも炎症が広がり、膿が溜まります。
ニキビは肌トラブルのひとつですが、肌トラブルと腸内細菌叢が関係していることが多くの研究により示唆されています。
例えば、過度なストレスが腸内細菌叢を変化させ、腸の透過性を高めると、本来は腸内にとどまるべき物質や細菌が腸壁を通過して血液循環に入り込みます。これにより、体内の炎症性物質の量が増え、皮膚の炎症が引き起こされて、ニキビの悪化にも関与している可能性が考えられています。
また、腸内細菌が食物を代謝する過程で生成されるさまざまな物質は、全身に影響を与えるだけでなく、皮膚の健康にも関与している可能性があります。特定の代謝産物が皮膚の炎症やニキビの発生に関連していることが示唆されています。
さらに、腸内細菌の活動は神経伝達物質やホルモンのバランスにも影響を与えます。この影響により、皮膚の状態に変化が生じることがあります。反対に、皮膚の状態や皮膚から分泌される物質も腸内細菌叢に影響を与える可能性があります。*1
腸に便が滞る便秘がニキビの原因?
便秘がニキビの原因になるかは明確にはわかっていません。
ただし、13,215人の青少年を対象とした研究により、ニキビがある人では便秘や腹部膨満感などの胃腸症状を抱えている可能性が高いことが報告されています。*2
便秘や下痢などの腸の不調があると、腸内に有益な作用をもたらす善玉菌が減少し、腸内に悪影響を及ぼす腸内腐敗菌のクロストリジウムや大腸菌が増えて、有害物質が作り出されやすくなると言われています。有害物質が腸壁から血管に吸収されて全身にいきわたることで、肌の状態にも影響し、ニキビなどの肌トラブルが生じやすくなると考えられています。
ストレスがかかって交感神経優位になり、腸の蠕動運動の動きが悪くなって便秘になることがあります。交感神経優位で血管が収縮すると血流が悪くなり、肌トラブルが起こりやすくなるとも考えられています。
腸内環境とニキビに悪影響を与える食品とは
一般的には皮脂の分泌を増加させる高脂肪や糖分の多い食品、インスタント食品やスナック菓子などがニキビを発生・悪化させるというイメージがもたれていますが、実際には、特定の食品がニキビの発生に関係しているかどうかははっきりとはわかっていません。
しかし、西洋型の食事がタンパク質の集合体であるmTORC1の活性化を引き起こし、ニキビの発生や悪化に関与していることが示唆されています。西洋型の食事として、高カロリー、高GI(急激に血糖値を上昇させる)、高脂肪、肉、乳製品が挙げられています。*3
西洋型の食事は腸内細菌叢の変化を生じ、有害な影響を及ぼす微生物を増やして、有益な作用をもたらす細菌を減らすことや、炎症性疾患の発症との関係が考えられています。*4
西洋型の食事とは、次の食品が挙げられます。
- 高カロリー食品:揚げ物、ケーキやドーナツ、クリームやチーズを多く使った食品、スナック菓子など
- 高GI食品:白米、精製されたパンやシリアルなど
- 高脂肪食品:フライドチキン、フライドポテト、ハンバーガー、ピザなど
- 肉:とんかつ、ステーキ、焼き肉など
- 乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、バターなど
腸内環境を意識して、ニキビを予防
腸内環境とニキビの双方への関係は、明確にはなっていませんが、西洋型の食事はニキビと腸内環境のそれぞれに悪影響を及ぼす可能性があります。
ファーストフードやパスタやピラフなどの炭水化物中心の料理、肉料理、乳製品、菓子類などの西洋型の食事の過剰摂取は避けて、ニキビなどの肌トラブルや腸内細菌叢のバランスの崩れを予防しましょう。
自分の腸内環境を知るためには、便の状態の観察が役立ちます。さらに、自分の腸の音をiPhoneのマイクで読み取って解析し、客観的に腸の状態を評価してくれるアプリケーション「腸note」を使用すれば、より詳しく腸の状態を把握できます。腸内環境とニキビなどの肌トラブルの予防に、活用してみてはいかがでしょうか。
腸の音から腸がわかる!
スマートフォンアプリ「腸note」
資料請求
企業担当者様向けの「腸note」についての詳しい資料も
ご用意しております。ぜひ、ご利用ください。
企業・団体・行政様などが抱える課題を解決するための、
腸noteが保有するアセットを活用したコラボレーションメニューを詳しくご紹介
- *1Young Bok Lee et al. Potential Role of the Microbiome in Acne: A Comprehensive Review.J Clin Med. 2019 Jul; 8(7): 987
- *2Hui-Min Yan et al. Gut microbiota alterations in moderate to severe acne vulgaris patients. The Journal of DermatologyVolume 45(10) 1166-1171
- *3Bodo Melnik. Dietary intervention in acne: Attenuation of increased mTORC1 signaling promoted by Western diet. Dermatoendocrinol. 2012 Jan 1;4(1):20-32
- *4Kirsty Brown et al. Diet-Induced Dysbiosis of the Intestinal Microbiota and the Effects on Immunity and Disease. Nutrients. 2012 Aug; 4(8): 1095–1119