REPORT
睡眠が腸内環境に影響?良質な睡眠のために大切なこと
アクション近年の研究により、睡眠と腸内環境の関連性が明らかになってきました。腸内細菌叢のバランスと睡眠の質は相互に作用しあう可能性があります。睡眠と腸内環境の関係について探求し、良質な睡眠を実現するためのポイントを紹介します。腸内環境と睡眠の相互関係を知り、健康的な腸内環境と良質な睡眠をめざしましょう。
腸内環境が睡眠に関係?
睡眠は、私たちの身体と脳を休息させて回復するために欠かせないプロセスです。睡眠は脳や神経系だけではなく、腸内環境も重要な役割を果たしていることが示唆されています。
腸内細菌叢を取り除いたマウスの研究により、睡眠期の睡眠時間が減って活動期の活動時間が増え、睡眠・覚醒パターンの昼夜のメリハリの低下や、レム睡眠時に特徴的にみられる脳波の減少傾向が認められました。この研究結果から、腸内細菌叢がなくなると、睡眠の質が低下する可能性が示されています。*1
睡眠障害が腸内環境にも影響する
健康な成人を対象にした研究では、睡眠時間が短い人ほど、免疫機能において重要な役割を果たすαディフェンシンの分泌量が少ないことが報告されています。睡眠不足は、腸内細菌叢の破綻をもたらして、身体的や精神的な不調を引き起こし、さまざまな疾患リスクを高める可能性があります。*2
これにより、睡眠不足が腸内細菌叢の異常に関与し、睡眠と腸内細菌叢とが相互に作用することが示唆されました。
睡眠の質を高めて、健康的な腸内細菌叢に
健康的な腸内細菌叢の状態を保つためには、睡眠の質を高めることが大切です。
「健康づくりのための睡眠指針2014」によると、適度な運動、朝食をしっかりとる、起床時刻が遅くならないようにする、睡眠と覚醒のメリハリを保つといった生活習慣が挙げられています。さらに、寝室や布団の中の温度や湿度、騒音、照明、寝衣、寝具などの睡眠環境を整えることも大事だとされています。*3
この中でも寝具に関しては、良質な睡眠を得られる寝具を選択することにより、腸内細菌叢のBacteroides属細菌と短鎖脂肪酸に関連した細菌が増加することが報告されています。短鎖脂肪酸が増えると、基礎代謝やエネルギー代謝が向上すると言われており、長期間にわたっての良好な睡眠を維持できると、肥満の予防と改善に結び付くかもしれません。*4
良質な睡眠で腸活を
良質な睡眠は腸内環境を整えると言われています。良質な睡眠とは、「寝床についてからすぐに眠れる」「就寝中に覚醒することが少なく、ぐっすり眠れる」「気持ちよく目覚められる」「昼夜のメリハリがはっきりしていて、日中の過度の眠気がない」などが挙げられます。
次のような生活習慣と睡眠環境を整え、質の良い睡眠をめざしましょう。
- 日中は活動的に過ごしたり、適度な運動を行ったりして体を動かす
- 朝食をしっかりと食べる
- 寝る前にリラックスする
- 寝る部屋は静かで暗い環境
- 室温は13~29℃、寝床の中の身体付近の温度が33℃前後
- 無音でなく、45dB未満(市内の深夜や図書館内レベルの騒音)の環境
- 寝る前は普段の部屋よりも明るい光や青白い光の中で過ごさないようにする
- 朝は起床時に少しずつ明るくして、起床後はなるべく早く太陽の光を浴びる
- 季節に合った快適だと感じる寝衣や寝具カバーを選ぶ
睡眠と腸内環境を振り返り、より効率的に
人それぞれ、適した睡眠時間は異なります。日中に眠たくなってしまうのは睡眠不足のサインです。毎日、スムーズに入眠でき、日中の仕事や作業のパフォーマンスを保てているかを振り返ってみましょう。
日中の眠気を感じる場合には、体内時計のリズムを崩すような生活をしていたり、室内や寝床がスムーズな入眠に適した環境になっていない可能性があります。次の項目に当てはまる場合は、生活習慣や睡眠環境を改めて見直し、質の良い睡眠に向けて対策をとることが大切です。
- 夜遅くまで起きている
- 休日に昼まで寝ている
- 朝食を食べないことが多い
- 朝起きて陽の光を浴びることがない
- 寝る部屋が寒い、暑い、じめじめする、乾いている
- 寝具や寝衣が快適でない
毎日の睡眠状況と、便通や便の色・形状・においなどの記録をもとに、腸内環境と照らし合わせて、睡眠と腸の状態を整えていきましょう。
便通や便の状態の記録に加えて、スマートフォンで腸の音を収集して、腸内環境をモニタリングできるアプリケーションの「腸note」を活用することで、腸の状態をより知ることができます。睡眠の状態と腸内環境を照らし合わせて、今よりも健康な腸内環境と快適な睡眠をめざしてみませんか。
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- *1国立大学法人筑波大学 慶応義塾大学先端生命科学研究所 腸内細菌がいなくなると睡眠パターンが乱れる
- *2Yu Shimizu et al. Shorter sleep time relates to lower human defensin 5 secretion and compositional disturbance of the intestinal microbiota accompanied by decreased short-chain fatty acid production. Gut Microbes .Volume 15, 2023 - Issue 1
- *3厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014
- *4Kyle Haasbroek et al. Effects of mats with “A Distinctive 4-Layer 3-Dimensional Structure” on sleep quality and gut microbiota: A non-controlled open-label study