活動詳細
佐賀県 鳥栖市 2023年受賞
キッズミュージカルTOSU
子どもの表現力を育み、地域を元気にする質の高い演劇活動
代表:有馬 治子 氏
2023年11月更新
佐賀県鳥栖市を拠点に活動するキッズミュージカルTOSUは、「ミュージカルという表現活動を通しての子どもの健全育成と地域からの質の高い文化の発信」を目的として、子どもたちによるミュージカルの公演を長年続けてきた。
同団体を立ち上げ、長年支えてきたのが鳥栖市出身の有馬治子氏だ。きっかけは2003年、「鳥栖市市制50周年記念事業」の一環として子どもミュージカルを企画し参加者を募ったところ、大勢の市民が参加した。迎えた2004年の公演は立ち見客が出るほどの大成功をおさめ、もともと一回限りの公演の予定だったが、観客の拍手と「またミュージカルをやりたい」という演者の声に後押しされ、継続を決めた。翌年「キッズミュージカルTOSU」を立ち上げて活動を開始し、以降は毎年1回の公演を欠かさず続けている。
現在は小学2年生から中学3年生までの31人の子どもたちが所属し、週2回の練習に励む。子どもたちは、演技や歌、ダンスなど各分野のプロによる厳しい指導を受けながら「大勢の人に夢と希望と感動を届けたい」という目標に向かって切磋琢磨しており、ほぼ全員が卒業までに一度は主役クラスの役を任されるという。主役を演じることで責任感が育まれ、その結果、自然と後輩の面倒を見るようになり、お互いに助け合う心が育っていくのだと有馬氏は話す。
また、ミュージカルの運営には保護者や卒業生の協力も欠かせない。子どもたちの舞台衣装は全て保護者の手づくりで、小道具の製作、本番のメイクや舞台進行、会場スタッフまで保護者が担当している。加えて、本公演当日には毎年30人ほどの卒業生も裏方として駆けつけるという。さらに、周年記念などの特別な公演には、子どもたちと共に卒業生も出演することもある。
そして、地域住民との繋がりの強さも、キッズミュージカルTOSUの特徴だ。2023年2月に開催された設立20周年記念公演では、地元企業を中心とした160社あまりの協賛企業と、50以上の賛助会員が寄付をよせ、公演を支えた。また、地域のお祭りや福祉施設、佐賀県や鳥栖市、商工会議所等のイベントからも頻繁に声がかかり、いまでは年20回ほど子どもたちが出演している。
こうして子どもたちと関係者、地域住民らが一体となってつくり上げる舞台は、時に「まるで宝塚のような舞台だ」と称賛されるほど。有馬氏は「うちの子どもたちは舞台に立つのが大好き。ミュージカルをやりたいと言う子がいる限り、活動を続けていきたい」と笑う。キッズミュージカルTOSUはこれからも、地域に笑顔を届ける存在として活動していくだろう。