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サントリー地域文化賞 サントリー地域文化賞

活動詳細

福井県

福井県 小浜市 2023年受賞

若狭小浜ちりとて落語の会
全国女性落語大会の運営等を通じ、地域の落語文化発展に貢献

代表:西村 光弘 氏

2023年11月更新

活動紹介動画(02:00)
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若狭小浜ちりとて落語の会

 福井県の南西部、若狭地域のほぼ中央に位置する小浜市は、古くから日本海側の要港として栄えてきた。北陸に位置しながらも、風俗、習慣、言語などは近畿地方とのつながりが深く、地域の住民にとっては昔から上方落語も身近な存在だった。「この地域に落語をもっと根付かせて、地域を盛り上げていきたい」という熱い思いを抱いた市民有志が「若狭小浜ちりとて落語の会」を立ち上げたのは2007年(当初の名前は「ちりとて落語の会」)。会の名前は、小浜市で育ったヒロインが落語家を目指す内容で大人気となったNHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」にあやかった。

 同会は現在、小浜市内にある芝居小屋「旭座」を拠点に活動を展開している。ここは、明治期に建てられた芝居小屋を小浜市が市指定文化財として移築復原したもので、今では地域の落語文化発信基地として広く市民から親しまれている。ここで催される寄席には、プロだけでなくアマチュアの落語家も高座に上がり、場内はいつも大きな笑いで包まれる。また「旭座」で行う寄席以外にも、若狭地域一円に出向いて小・中学校、公民館やお寺など様々な施設で地域住民が気軽に参加できる落語会を開催しており、これまでに開いた寄席や落語会は300回を超える。さらに、子ども向けの落語体験教室を催したり、地元高校生のボランティアを募ったりするなど、次世代の落語ファンを増やすための活動にも力を入れている。そんな精力的な取り組みは大阪にも伝わり、今では、大阪の上方落語協会に所属する落語家も「旭座」の高座に定期的に上がるようになった。

 年間を通じて様々なイベントを開催している同会にとって、なかでも最も大きなイベントは「ちりとてちん杯全国女性落語大会」だ。会員らが大会実行委員会の中核として2008年から16年続くこの大会を支えている。この大会はプロ・アマ問わずに参加できる女性落語大会で、日本で最大の規模を誇るといわれる。毎年全国各地から磨き上げた自慢のネタを持った参加者が集まり、地域住民の中にも、開催を心待ちにしているファンがたくさんいるという。

 代表を務める西村氏は「将来的に『小浜と言えば落語』といわれるようになるのが目標。その日が来るまで『旭座』を拠点に広く笑いを発信し続けたい」と話す。同会の笑顔の絶えない活動は、これからも広く親しまれ続けるだろう。

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