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サントリー地域文化賞

活動詳細

中部

富山県 高岡市 2012年受賞

伏木相撲愛好會
地域ぐるみで「大相撲さながら」の相撲大会を開催

代表:南 吉晴 氏

2012年10月更新

活動紹介動画(1分46)
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 高岡市伏木地区では、毎年9月の第一日曜日に、地区の小学校の土俵で伏木場所大相撲が開催される。事の始まりは1990年8月。地元の青年が県の青年相撲大会で最優秀新人賞を受賞したお祝いの宴席上で、伏木地区に住む「オヤジたち」(当時40歳前後)の間で誰が相撲が強いかで言い合いとなり、翌日小学校の土俵に集まり相撲をとったのがきっかけ。
翌月、16人のトーナメント形式で大会を開催したのが、第1回の伏木場所大相撲である。その後、オヤジたちは伏木相撲愛好會を結成。単なる意地の張り合いから始まった相撲大会は、次第に町の人たちを巻き込み、参加人数も増え、今年で23回目を迎える。
 現在では、中学生以上男子の「幕内」以外に、赤ちゃんが参加する「泣き相撲」、幼稚園児の「序の口」、小学生男子の「十両」、小学生女子の「女子相撲児童の部」など様々な部門があり、毎年100人近い人が参加する町の一大イベントとなっている。
 最大の特徴は大相撲さながらのこだわりにある。力士から裏方の女性まで関わる人は全て「四股名」を持つ。この四股名は自己申告もあるが、オヤジたちが歓迎の意を込めて酒席で命名することもある。また、力士は町内会別に「部屋」に分かれ、「親方」の家の玄関には部屋の看板が掲げられており、更には伏木消防団は「火消し部屋」、富山大学は「富大部屋」などと名付けられている。その他、本格的な相撲文字で書かれる番付表や花嫁衣裳の古着などを活用した手作りの化粧回し、ガレージを改造した伏木国技館の存在、新大関誕生の際の伏木神社で行われる奉納の土俵入りなど、オヤジたちを中心とした素人の細部にわたるこだわりが継続の秘訣かもしれない。
 参加資格は「伏木と縁を結ぶ者」。伏木出身者はもちろんのこと、地元の警察署や税関、海上保安庁の職員など、転勤で一時的に伏木に住む人たちをも取り込みながら、オヤジたちは、「誰にも干渉されず、ただ好きでやっていく」ことをモットーに、日々、本場所への参加者を勧誘し続けている。

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