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サントリー地域文化賞

活動詳細

東北

宮城県 仙台市 2002年受賞

定禅寺ストリートジャズフェスティバル
街角をステージに、市民とミュージシャンがつくる音楽の祭り

代表:尾崎 行彦 氏

2002年7月更新

活動紹介動画(01:57)
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写真
定禅寺ストリートジャズフェスティバル

 古くから「杜の都」と呼ばれる仙台の大通りは美しい街路樹で彩られている。そうした通りのひとつ、定禅寺通のけやき並木に秋の気配が立つ9月の週末、街は音楽と人々の熱気に包まれる。

 街角で気軽に音楽を楽しみたいという思いを抱いた市民有志により、初めて「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」が開催されたのは1991年のことである。定禅寺通沿いの屋外で行われた演奏は好評を博した。以後、毎年回を重ねるごとに規模は大きくなり、2001年は590組が延べ74ヶ所で演奏、45万人の観客を動員するまでの賑わいとなっている。

 フェスティバルで演奏されるのは、ジャズに限らない。ロック、ポップス、ソウルから沖縄民謡や民族音楽まで、ジャンルは多岐にわたる。「ジャズはもともとニューオーリンズの街角で生まれた新しい音楽。『ストリートジャズ』とは、その自由の精神と表現を受け継いで、街と調和した、街角が楽しくなるような音楽をめざした造語なのです」と、このフェスティバルに最初から関わっている鎌田栄一氏は語る。

 フェスティバルは定禅寺通を中心とした界隈で繰り広げられ、ビル入り口の公開空地、商店の軒先、グリーンベルト、公園などが即席のステージとなる。参加バンドが増えるにつれて演奏エリアも拡がってきている。昨年は定禅寺通から1kmのJR仙台駅前でも演奏が行われ、訪れる人々を陽気な音楽が出迎えた。

 フェスティバル当日は午前中から演奏がはじまる。あちこちから聞こえてくる歌声や楽器の音をたよりにステージを巡ったり、あるいは1ヶ所でじっくり耳を傾けたりしながら、日が暮れるまで若者も熟年世代も思い思いに街角での音楽を楽しむ。夜に入り、市民広場で行われる「フィナーレ」は大いに盛り上がり、2日間の参加者から選りすぐられた数百名規模の大セッションは、フェスティバルを締めくくるにふさわしく圧巻だ。

 演奏者は地元仙台や東北地方は勿論、全国各地、さらに遠く海外からの参加もあり、自分の楽器さえ持たない若者からプロのミュージシャンまで実に様々である。交通費は自費で、参加料も自己負担の全く自発的な活動だが、一度ステージに立つと、その魅力にとりつかれる人も多いという。

 フェスティバル実行委員会は高校生・大学生・主婦・社会人など約50名の市民ボランティアで組織され、フェスティバル当日ともなると数百名の市民ボランティアが設営や運営に携わる。演奏する側にも自分達が共に作るフェスティバルという意識は強く、実行委員会、演奏者、観客の三者が一体となって開催される市民手づくりの街角音楽祭は、市民に愛され支えられ、いまや仙台に秋の訪れを告げるお祭りとしてすっかり定着している。

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