全国の「天然水の森」

天然水の森 奥大山

「天然水の森 奥大山」の取り組み

若い後継樹が育つ森へ

この森の一画に、ブナやミズナラの巨木が林立するエリアがあります。ただ、残念なことに、このエリアの林床(※)にはササが生い茂り、後継樹となる若い木が育ちにくい環境になっていました。

森林の地表面のこと

ササ原に点在するブナやミズナラ

そこで、若木の成長を邪魔しているササ原の一部を刈り払いました。さらに、地面に落ちた種子が発芽しやすくなるように、可能な限り土を露出させる「地掻き」を行いました。こうして、ようやく若い後継樹が育つ環境が整います。

また、ササは地下に地下茎が残っているとすぐに回復するため、その後も年に1度は刈り払いを行っています。

ササ刈りを行った森
巨木から落ちた種や鳥が運んできた種などから、
多様な木々が育ち始めている

この活動に携わる専門家

日置 佳之

鳥取大学 特任教授

ナラ枯れ対策

近年、ナラやカシなどの木が枯れる「ナラ枯れ」と呼ばれる病気が全国的に広がっています。この森も例外ではありません。下の写真は「天然水の森 奥大山」に隣接する森ですが、夏にも関わらずミズナラが枯れて赤茶色に染まっています。

ナラ枯れの被害で赤茶色に染まった森

この森の一画には樹齢100年を超える美しいミズナラ林が広がっていました。しかし、すぐ近くまでナラ枯れが迫りつつありました。

樹齢100年を超えるミズナラ林

もしここにナラ枯れが侵入したら、ミズナラが全滅するだけでなく、周辺の森全体に病気が蔓延する恐れがありました。そこで、地権者様と環境省の許可をいただき、この場所のミズナラを全て伐る「予防伐採」を実施しました。

ミズナラの皆伐を実施

伐採したミズナラのうち、木目がまっすぐで曲がりやねじれのない材はウイスキーの樽に、それ以外はサントリーの研究施設(サントリー ワールド リサーチセンター)の床材として有効に活用しました。

伐採したミズナラからつくった樽
サントリー研究所の床にも活用されている

皆伐跡地は、モニタリングを繰り返しながら多様な樹種が育つ森に育成しています。

この活動に携わる専門家

日置 佳之

鳥取大学 特任教授

病虫害対策について見る

子どもたちの自然体験教育の場として

調査や研究・整備活動を行うだけでなく、子どもたちに森や水の大切さを伝える水育(みずいく)「森と水の学校」の教室としてもこの森を活用しています。子どもたちは、実際に森に入り、木や葉に触れたり、生き物を探したり、自然の中でさまざまな体験をします。

自然の体験をしている様子

地域の皆さんとの取り組み

鳥取県が推進する「とっとり共生の里」プログラムに参画しました。「サントリー天然水 奥大山ブナの森工場」近隣の遊休農地(※)の土壌保全・管理とともに、農作物の生産や加工品づくりを応援し、地域社会の発展に貢献する取り組みです。

取り組みの一環として地元の農家の方と共に育てたソバは、「奥大山御机そば」として商品化されています。

かつて農地だったが現在農地として利用されていない土地のこと

農家の方とサントリー社員が種まきする様子
花を咲かせたソバ
奥大山御机そば

「天然水の森 奥大山」に関わりのある製品

「サントリー天然水〈奥大山〉」には、「天然水の森 奥大山」のある山々で育まれた良質な地下水(=天然水)が使われています。自然の恵みをそのままに、おいしさと安全性にこだわった製品をお届けしています。

「サントリー天然水」の
こだわりを見る

森の概要

協定地の詳細情報

法人の森林(もり)
所在地
鳥取県倉吉市関金町野添
面積
約59ha
契約年月
2007年2月
契約期間
30年

林野庁の「法人の森林(もり)」制度に基づき、国と協働して森林の保全・育成を推進。

とっとり共生の森
所在地
鳥取県日野郡江府町御机
面積
約176ha
協定年月
2007年6月
協定期間
30年

鳥取県の「とっとり共生の森」制度を利用して森林整備活動を推進。

ふれあいの森
所在地
鳥取県日野郡江府町御机
面積
約174ha
協定年月
2010年12月
協定期間
5年(数十年にわたって更新予定)

林野庁の「ふれあいの森」制度に基づき、地元江府町と連名で鳥取森林管理署と協定を締結し、森林整備活動を推進。

鏡ヶ成(かがみがなる)
所在地
鳥取県日野郡江府町御机
面積
約86ha
協定年月
2019年3月
協定期間
5年(数十年にわたって更新予定)

環境省中国四国地方環境事務所、江府町、サントリーの3者で、水源涵養と自然再生および国立公園の利活用促進に関する協定を締結し、活動を推進。

【動画】サントリー「天然水の森 奥大山」

撮影地:鳥取県日野郡江府町
公開年月:2014年12月
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