「現場の力を次世代へつなぐ」。ペットボトル製造現場のこだわりとは?
「現場の力を次世代へつなぐ」。ペットボトル製造現場のこだわりとは?

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「現場の力を次世代へつなぐ」。ペットボトル製造現場のこだわりとは?

24.10.30

サントリーのものづくりの現場へ訪れて、つくり手たちのこだわりを紹介するシリーズ企画「ものづくりの現場から」。第二回目は、西日本の清涼飲料生産拠点であるサントリープロダクツ(以下、SPD)高砂工場。飲料の他、RTDも生産するSPD No.1の多品目工場です。非炭酸ペットボトル製品専用のCラインで全体管理を担う重永孝輔さんに話を聞きました。

※この記事は、サントリーグループの社内報『まど』2024年1月号から転載しています。

Q 重永さんの業務への「こだわり」について教えてください。

入社後約10年間にわたって、非炭酸ペットボトル製品専用のCラインで、現場オペレーターとして容器成形・中味充填工程を担当していました。現在はCライン全体を統括する立場で、新製品導入時の立ち上げやトラブル対応を担っています。

全体を見るようになった今も常に意識しているのは、現場の視点。トラブル対応では、実際の状況と原因を正しく理解していなければ対策もとれませんし、その対策も前後工程への影響やオペレーターの負荷を考慮できていなければ、現場作業の品質を下げてしまう可能性があります。自分の目で見る、オペレーターと直接話をする。これらを日頃から実践し、現場を理解することを第一にしています。この積み重ねによって現場のわずかな変化に気付くことができ、トラブルの未然防止につながると思っています。

Q 今後の目標は?

高砂工場の強みは、ベテランの現場オペレーター、スタッフの高い技術力。これを次世代に伝承していくことが目下の課題です。今年、自ら働きかけて、若手の点検作業に技術力の高いスタッフが立ち会い、共同で作業をしながらノウハウを学ぶ取り組みを始めました。生きた技術を実地で学ぶ機会になっています。高い技術力を今、そして将来の「現場」に伝承し、より高品質なものづくりを目指していきたいです。

【Cラインの生産工程】

1:容器成形

連載2_ものづくり_プリフォーム.JPG

プリフォームというペットボトルの原型を加熱し、ボトル用金型にセットします。次に、飲み口の部分から高圧の空気を吹き込み、金型に密着させることでペットボトルの形に成形します。軽量化された薄い容器や、デザイン性のある容器は、成形の難易度が高まりますが、空気の量や温度を適切に管理することで形状不良を防ぎます。

連載2_ものづくり_金型.JPGプリフォームをセットするボトル用金型

2:空瓶検査

連載2_ものづくり_空瓶検査機.JPG

成形された容器について、外面に傷やへこみがないか、飲み口に欠けがないかといった検査を、空瓶検査機を用いて行います。傷などの異常が検知された容器は、自動でラインからはじかれます。これをさらに2時間ごとに目視でも確認し、形状不良の頻度や特徴から、設備不具合などの可能性がないかの確認もしています。

連載2_ものづくり_空瓶からはじかれたペットボトル.JPG検査機によってはじかれたボトルは目視で確認する

3:殺菌

レタッチ.jpg

高温の管に中身を通して殺菌する

お客様に安全・安心で美味しい商品をお届けするため、無菌充填工程に送る前の中味についても、状態を厳重に管理しています。中味は高温の管に通すことで加熱殺菌し、容器は過酸化水素で洗浄することで殺菌します。牛乳の入った製品は菌の繁殖リスクが高くなるためより高温にするなど、製品によっても殺菌の条件を調整しています。

連載2_ものづくり_容器殺菌設備.JPG容器を殺菌する設備。無菌状態を保つため、厚い扉で外部と遮断されており、トラブルの際は手前に見える専用のゴム手袋を使用する

4:中身充填

無菌状態が保たれた環境で、フィラーと呼ばれる機械を使い、中味を充填します。Cラインでは、1分間に640本の充填が可能。充填の際に吹きこぼれが発生すると口部汚れや充填量の過不足につながるため、泡立ちやすい製品などの吹きこぼれには特に注意しています。

連載2_ものづくり_充填.JPGフィラーからコーヒーを容器に充填する様子

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