正体は「小売店の経営者」。自動販売機のルートセールスという仕事
正体は「小売店の経営者」。自動販売機のルートセールスという仕事

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正体は「小売店の経営者」。自動販売機のルートセールスという仕事

24.02.27

サントリーにおいて自動販売機(以下、自販機)事業は国内中核事業の一つです。その自販機事業をお客様の一番近くで支えるのが3,000人を超えるサントリービバレッジソリューション(以下、SBS)のルートセールスです。2023年に放送されたサントリーのCMでは、草なぎ剛さんがルートセールス役を演じたのも記憶に新しいところです。そんなルートセールスの仕事内容ややりがいについて、現場で活躍する2人の若手社員に語ってもらいました。

自身の裁量で決める
1日のスケジュール

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街なかやオフィス、商業施設など、あらゆる場所にある自販機。飲料を補充しながらラインナップをしつつ、自販機の売上を最大化すること、ひいては「自販機という小売店の経営者」とも言えるのが、ルートセールスの仕事です。

ルートセールスの上野颯也(そうや)さんと、清水祐良(たくみ)さんは、ともにサントリーが大好きでSBSに入社したというお二人です。

上野さんは東京・大手町エリア、清水さんは同・半蔵門エリアを担当。フレックス勤務制度を活用し、1日のスケジュールは個々人が業務内容に合わせて計画を立てます。

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入社8年目、大手町など東京都心部を担当する上野颯也さん

上野:私の場合、朝は電車通勤のピークオフを意識して早めに出社しています。その日に自販機に補充する製品の積荷確認などをして、ほかのメンバーより早く支店を出発します。大手町は高層ビルばかりですが、計7つの高層ビル内(約100台強)を担当しています。そのうち5?6社を1日で訪問するイメージです。

朝早く出社する理由は配達効率もありますが、満員電車がなによりも嫌いというのも大きいですね(笑)。その代わり、退社も早いですよ!

15時頃には帰社し、上司への業務報告、翌日の積み込みの準備などをして、16時半頃に退社するのが上野さんのルーティン。一方、清水さんは基本的に定時の9時に出社。どんなに忙しくても16時半までに外回りを終えると決めているそうです。

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清水祐良さんは入社6年目。学生時代から「サントリー推し」

清水:プライベートの予定に合わせて、早く帰りたいときはスケジュールを早めに組んで調整しています。自分の采配で予定が組めるので、メリハリのある働き方ができていますね。

「売れる自販機」を生み出す
AIの提案とルートセールスの工夫

ルートセールスの仕事で重要なのは「短時間で効率的に回ること」、そのうえで「商品の売れ行きを予想して『売切れ』を出さないこと」。そして、もっと大事なのは「売れる自販機」にすることです。

SBSの自販機はリモートで販売実績を把握できるようになっており、どの自販機に何の商品をどれくらい補充するかはAIがベースを作成してくれます。それを見ながら、それぞれのルートセールスの経験値で補充する商品やルートをアレンジします。ただし、商品ラインナップの9割はAIの提案でも、個人に任された残りの1割にどの飲料をどれくらい入れるかが、経験と勘を試されるポイントです。

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上野:同じ会社でもフロアや設置場所で売れる商品は異なります。私が担当させていただいているあるお得意先様で例えると、営業部のフロアではエナジードリンク、総務部のフロアでは健康茶が売れ筋になります。ラインナップを決める際は、自販機を利用していただいているお客様の年齢層や雰囲気などをチェックさせていただくこともあります。あるいは、自販機では扱っていない商品のペットボトルがリサイクルボックスに入っていたりすると、今度はそれを入れてみようと考えたりもしますね。

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ラインナップに加えて重要となるのが、自販機の「フェイシング」。どの商品をどの位置に何点レイアウトするかのフェイシングには、基本ルールはあるもののアレンジは可能であり、ルートセールスの腕の見せどころ。売りたい商品を2つ並べて目立たせたり、人気商品や単価の高い商品を目線の動きを意識した場所に配置するなど、それぞれが自分なりの工夫をこらしています。

清水:私は、それぞれの自販機で販売する商品数をできる限り増やすようにしています。1台の自販機にラインナップできる商品数には限りがありますから、新しく投入した商品が、その自販機のお客様に刺されば、その分売上を伸ばすことができます。

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もちろん、品数が多くなると1種類あたりの投入できる本数が少なくなり、売切れを出さないために自販機を訪れる回数は増えてしまいます。「効率的に補充すること」を念頭に置きながらも、新たな需要を見つけることも同時に考えなければなりません。

上野:AIの精度がかなり上がってきているとはいえ、言われるがままやればいい、ということではありません。AIに助けてもらいながらも、どこまでプラスアルファを生み出せるかがルートセールスの腕の見せどころであり、やりがいだと思っています。

ルートセールスだからできる
αの営業」

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自販機はさまざまな建物に設置されています。そのため、ルートセールスの仕事では、普通の人が入れない場所にも出入りすることもできます。

清水:セキュリティを通らないと入れない場所や誰もが知る有名企業など、なかなか入れない場所に行くこともよくあります。私はテレビ局やラジオ局も担当しているので、芸能人の方に遭遇することも多いですね。

上野:高層ビルをまわるときは、エレベーターの混雑具合や配達業者の方々の稼働、自販機の使用ピークタイムなど、さまざまな要素を考慮しながら効率的に回ることが求められます。東京の中心地を舞台にオフィスからオフィスへと駆けまわり、それが効率的かつ正確に回れたときの達成感もこの仕事の楽しみのひとつかもしれません。

ほかにも、商品を補充するだけではなく、配送ルートのなかで企業の担当者とかけ合って、営業・提案することもあります。

上野:お客様の声を聞くのはとても大切ですから、できるだけその企業の担当者の方と話す機会をつくるようにしています。いわゆる“オフィスワーカー”のようにスーツではなく、ユニフォームを着ていることもあって、いかにも「営業」という感じがせず気軽に応対してもらえるんです。

私は企業の担当者様のもとに定期的に訪問をするようにしていて、困ったときは直接お声がけいただける関係づくりを心掛けています。なにかあったら『上野さんに頼ればいい』という信頼を築けていると思っています。

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また、担当者と直接会話することで、自販機以外の商品をアピールする絶好の機会にもなっています。

上野:自分の担当エリアで少しでもサントリーのシェアを拡大して売り上げを上げることが今の目標です。それには、自販機の売上だけでは限界があるのも事実。軽食販売の「ボスマート」や、職場のコミュニケーションを促進する「社長のおごり自販機」といった法人サービスを積極的に紹介して、少しでもビジネスチャンスを広げるようにしています。

自販機に限らず、商品を売るチャンスがあれば逃さない──。その熱意が次々と挑戦する姿勢を生んでいます。

サントリーグループの
一員であることの誇り

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サントリーに憧れて入社し、サントリアンとなった今もサントリーが大好きだと公言するお二人。サントリーグループで働く魅力は、どこにあるのでしょうか。

清水:まずSBS社員、特に同期とのつながりを強く感じることができる環境があります。研修などを通じ、業務のみならず人と人のつながりを感じさせていただいています。

また、サントリーグループ内のイベントも多く、SBS以外の社員とも交流ができる機会がたくさんあるところも魅力です。これはやっぱりサントリーという人を大切にする企業文化があるのだと思います。

上野:そうですね。サントリーグループのイベントを通じて多くのコミュニケーションを取って、お互いの視野を広げあっています。また、飲料や酒類といった垣根を超えて「サントリー商品を世に広めよう」という意識が強く、グループ全体で活動することが多いように思います。

そういうグループ全体がひとつになる、ワンチーム感はサントリーグループならではですよね。

ルートセールスという仕事に誇りを持ち、日々忙しく働くお二人ですが、将来への目標も見据えています。

清水:ルートセールスの仕事を納得いくまで極めたら、そのときは採用など新たな分野にチャレンジしたいと思っています。すばらしいカルチャーを持つサントリーグループで、やりがいのある仕事をする仲間をもっともっと増やし、自分なりに会社に貢献できればうれしいと思っています。

上野:私は、いずれは支店全体を統括して見るような立場になることで、さらなるシェア拡大に挑戦していきたいですね。そしてもうひとつ、もっとサントリーの精神を浸透させる役目も果たしたいと思っています。SBSは立ち上げ間もない会社なので、まだまだサントリーのカルチャーが浸透しきれていない部分もあります。ですので、胸を張って「サントリーで働いているんだ」という社員をひとりでも多く増やしたいです。

日常に当たり前に溶け込んでいる自販機ですが、そこにはルートセールスの「少しでも多くのお客様にサントリーの飲料を届けたい」という想いが込められているんです。

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