どんなに優れた製造技術を誇っても、上質なブルーアガベがなくては世界で認められる香味は生まれない。
多くのテキーラメーカーが契約農家に受託栽培しているが、サウザは大部分を自家農園で栽培している。
種の受粉から芽を育てて苗を生み、畑に植えて6〜8年の歳月をかける。
生育状況、灌漑の必要、収穫の日など耕作技術をふまえて、子供の成長を見守るように大切に栽培していく。
農薬を避け、ピニャから採れるアガベ繊維を堆肥に使い、自分たちで維持している水脈から灌漑をおこなう。
できる限り自然のままの状態を保つ。
サウザはテキーラヴァレーの中核的な地域にあり、素晴らしいアガベが育つ土壌に恵まれている。収穫のタイミングを知るのはヒマドールと呼ばれる古くからの技術を伝承する者たちだ。
創業時から脈々と受け継がれてきた技術と情熱を収穫時に発揮する。
収穫の時、ヒマドールはコアと呼ばれる湾曲した刃のある道具でアガベの葉を切り落とし、ピニャをさらけ出していく。
そしてできるだけ早く、ピニャを蒸溜所に運ぶ。
数日間、太陽の下に放置する蒸溜所があるなかで、サウザは収穫されたその日にピニャを製造へと向かわせる。
フレッシュな状態で仕込むからこそ、最良のジュースが採取できるのだ。
サウザの抽出法は、”Gentle Extracion”と呼ばれる丁寧な手法である。
採れたてのアガベをシュレッダーで細かくし、さらに粉砕後、85度の温水を混ぜてアガベジュースをつくる。
そして圧力タンク内で120度の蒸気により加水分解して、糖化を促す。
他社は基本的にアガベを切り割る程度で、それをまるごと蒸煮して圧搾する。
これはアガベ繊維に由来する不要な香味成分(エグ味)をも抽出してしまうことになる。
サウザではフレッシュなアガベ本来の旨味を壊さないために独自の糖化、抽出法を創造し、つくりこんでいる。
サウザの発酵工程は、創業者から研究を続けて磨いてきた特別な醸造法だ。
抽出したアガベジュースに3代目が生んだ秘伝の酵母を入れて発酵させる。
不要な微生物が入らないように口を閉じられたステンレス発酵槽で、サウザ独特のナチュラルなアガベフレーバーを生みだすようにしている。
発酵液を蒸溜する。2回蒸溜によってアルコール度数55〜60度のスピリッツを得ている。サウザでは銅製のボットスチルと、ステンレス製ボットスチルの両方を採用している。銅製の場合、銅が触媒として働き、より複雑な香味成分を生みだす。
すっきりと無垢なフレーバーを生むステンレス製を採用したのは3代目である。
こうしてタイプの異なるスピリッツが誕生。
どちらもブルーアガベのみずみずしさあふれるスムーズな口当たりを抱き、”The Art of Distillation”と高く評価されている。
創業者、2代目と基盤をつくり、3代目ファビエルによって完成された品質管理システム。
アガベ栽培から製品化されるまでいま現在と、そして未来に向けて、香味の一貫性を堅持するために構築されたものだ。
厳しい基準を設け、誕生するテキーラにストレスをあたえることのないよう、愛飲家の皆さんがボトルの口を開けたときにいつもの香りと味わいであるように、高い品質を維持しつづけている。
100%ブルーアガベ「サウザ ブルー」の香味品質は、その証である。