寒い日に身も心も温まる甘口ワインのマリアージュ
寒い季節におすすめしたいのは、旨みが凝縮したコクのあるハードチーズ。その中でも一押しのチーズはスイスのアルプスで今も昔ながらの伝統製法を守ってつくられている「エティヴァ」です。
「エティヴァ」は、スイスが独自に認定するA.O.C(原産地統制呼称)の第1号として2000年に認定されました。直径約30~65㎝、高さ8~11㎝、重さ10~38kgの円盤型。標高1000~2000mのアルプスの高地に5月10日~10月10日まで放牧した牛の無殺菌乳でつくられます。チーズの名前は、スイスの南西部に位置するヴォ―州エティヴァ村に由来しています。
「エティヴァ」に使われるミルクにはこだわりがあり、アルプスの山小屋で朝夕搾られる牛の乳のポンプ移送を禁止するほど。製造では、シャレーと呼ばれる山小屋で、梁から吊り下げられたつる付の銅鍋を使用し、熱源に薪を用いる伝統的なつくり方が今も守られています。高地の山小屋でつくられたチーズは約1週間でエティヴァ村共同組合の熟成庫に運び込まれ、その後、塩水につけ、エピセア(モミの木の一種)の板の上で、最低135日熟成させていきます。約1年~1年半程熟成を重ねると「エティヴァ」は味が濃厚になり、コクや旨みが凝縮し、ややスパイシーな風味が楽しめます。