これぞ王道のマリアージュ
マコン村の山羊乳チーズと地元産ワイン
今年も桜の季節がやってきました。ボジョレーを楽しむのは11月のヌーヴォーだけではなく、4月は「桜とボジョレー」を楽しむイベントが、SOPEXA(フランス食品振興会)によって日本各地で開催されています。色合いも味わいも、この季節にはぴったりと言えましょう。ボジョレーにはやはり優しい白かびタイプのチーズを合わせたいところですが、今回は同郷にこだわり、山羊乳製の小さなチーズ「マコネ」を選んでみました。
ブルゴーニュ地方の南に位置するマコン村は昔からワイン造りの盛んな地域として栄えてきました。ブドウ農家は畑の下草を食べてくれる山羊を飼い、自家用の山羊乳製チーズをつくって生活していました。ぶどう畑での作業の合間に食べるにはちょうど良い大きさだったからか、母から娘へと伝統は受け継がれ、今も400農家がマコネを造っているといいます。とはいえビジネスをしている農家は20軒足らず。その中でも評判のシュヴネ家は、家族総出で2000頭の山羊の世話をしています。餌の管理から山羊の世話まで休む間もありませんが、山羊がペットだったという現社長のティエリー・シュヴネ氏は、山羊との生活を楽しんでいるようです。人なつこい山羊を見れば、いかに大切にされているか感じることができます。山羊乳が良質なら、チーズが美味しいのは当然の事。山羊乳特有のクセはほとんど感じられず、むしろクリーミィで甘みを感じるほどです。