贅沢なマリアージュに酔いしれます
シャブリで洗ったアフィデリスに、ピュアなシャブリ
表皮がオレンジ色に輝く「アフィデリス」。エポワスの生産者として有名なベルトー社の社長ジャン氏のアイディアから生まれました。「アフィネ(熟成)」と「デリシュー(おいしい)」の合成語で、表皮は白ワインのシャブリで洗って熟成させています。力強く上品、かつとろけるような組織をもっています。型から出したばかりのチーズは真っ白で、木綿豆腐のようにデリケートですから、それを壊さないように丁寧に手で洗う作業は熟練した人にしか出来ません。
ベルトー社のあるエポワスは、ブルゴーニュ地方オースワ地方、伝統的な古典都市「アレジアの国」があった地方で、中世の建設物も見ることができる歴史ある町です。14~15世紀、エポワスに住み着いたシトー修道会の僧侶が「エポワス」を造ったと言われますが、この話はどうやら「真の」伝説らしいのです。これを証明する文献は存在していませんし、実際、この地方の農民たちは、かなり以前から「エポワス」を製造する技術を代々伝承されてきたといいます。20世紀になるまで、チーズは各家庭で造られていたはずですが、二つの大戦を挟んで、消滅しかかりました。その「エポワス」の危機を救った英雄として語られているのが、ロベール・ベルトー氏なのです。
ロベール氏の「エポワス」は、着実にパリのチーズ商たちに支持されるようになりました。1988年息子のジャン氏が、ロベール氏の意志を継ぎ、「アフィデリス」を始めとする、エポワスの姉妹品をリリースしていきました。ワイン好きのジャン氏らしく、ブルゴーニュ地方の銘酒に合わせると力を発揮してくれるチーズばかりです。