登美の丘ワイナリーでワインの味わい設計を担当している吉野です。
今日はワインの味わい設計の様子をレポートします。
2021年に醸造したワインは樽やステンレスタンクにて熟成を続けてきました。
アルコール醗酵直後は新酒らしいイキイキとした香り、味わいだったものが、熟成を経てまろやかな味わいに変化しています。
醸造家はその様子を見守りながら、瓶詰に最適な時期を見極めます。
私たちは各樽、各タンク熟成中のワインのことを「原酒」と呼び、
原酒をブレンドして、お客様にお届けする最終製品の味わいをつくりあげます。
では実際にどのように味わいをつくりあげているのか、ご紹介します。
まず原酒単体で味わいを確認します。少ない時でも10種類程度、多い時は40種類の味をチェックし、製品に相応しい品質感かどうか確認します。
原酒は様々な個性があるため、その個性を活かすためにはどの程度の割合で配合したらよいか?
頭の中でイメージを膨らませます。味のチェックが終わったら、ワイナリーチームで話し合ってワイン品質感のすり合わせをします。
そしていよいよアッサンブラージュ作業に入ります。
つくりあげたい味わいのイメージを実現するため、選別された原酒を使用して何度も配合と確認を繰り返していきます。
狙ったとおりの味わいにならないことも多く、理論のほかに経験と一種のひらめきが要求される世界で、まさに醸造家の腕の見せ所です。
この日は丸1日かけて「登美の丘 甲州」を含む3製品の味わいをつくりあげることができました。
高い集中力が必要なため、アッサンブラージュ作業が終わる頃にはとても疲れます。
それでも私たちのワインを楽しんでいただいているお客様の姿を思い描くと、それだけで疲れも吹飛ぶ思いです。
美味しいワインをお客様にお届けするため、醸造チームは今日も奮闘中です。