サントリー ワイン スクエア

登美の丘ワイナリー通信

ワインづくりの現場から

ぶどうづくり

夏のぶどう畑

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今年は長かった梅雨が8月入ってからようやく明けて、連日猛暑が続いております。
登美の丘ワイナリーの畑では、熱中症対策に万全を期しながら日々スタッフがぶどうの管理の作業に汗を流しています。
この時期ぶどうは光合成を盛んに行い、硬核期(ぶどうの種が段々と硬くなって来る時期)になると、枝と果実に分配されていた養分が果実へと益々増えていきます。そしてしっかりとした房をたくさんつけるようになります。
このタイミングで摘房という作業を行います。品種にもよりますが、枝の様子を見ながら1枝に2~3房着いているブドウぶどうを約半分にします。そうすることによって果実の凝縮度はぎゅっと高まっていきます。
 

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 残す房を見極めます

 

 

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切り落とされた房…勿体ないけど仕方ない!

 

 

摘房作業は、ただ、やみくもに切り落とすのではありません。まずはぶどうの房の整理から始めます。
ぶどうの樹にたわわに実ったぶどうの房は、もつれ合ったり、ワイヤーにからみついていたり、近くの枝や葉を巻き込んだ状態になっていることが多く、まずはそれをほどいてきちんと整理していきます。残すべき房を見極めるわけです。この際に乱暴に扱うとぶどうが傷んでしまうので、丁寧に作業を進めます。ぶどうへの愛情と根気が必要な作業です。   
そのようにして摘房されたぶどうは、房と房が重ならないようになり風通しもよくなり、その後の生育環境もよくなります。ここまで大きくなった房を落とすのは勿体無い気もしますが、登美の丘のワインの品質を作り上げていくには欠かせない作業です。
 

 

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優しく丁寧に作業を進めます

 

 

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摘房前のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑

 

 

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摘房後のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑

 

 

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摘房後のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑

 

 

またこの時期、ヴェレゾンと言われるぶどうの色づきも始まります。
「ヴェレゾン」は、皮の黒いぶどうで顕著に現れますが、緑色の房が赤紫に変わっていく過渡期の現象のことを言います。品種ごと、畑ごと、ぶどう樹ごと、房ごとにその度合いが違います。ぶどうは一般的には、房の上部(肩の部分)が甘くても下部(先端)にいくにつれて甘さが少なかったりしますが、粒の果皮が赤紫になるのは上からと決まっているわけではなく、アットランダムに変化していきます。
今年も早い畑では7月下旬から変化が現れ、現在赤系品種の中では早熟のメルロに色づきが著しくみられます。緑色の房が少しずつまばらに色づき始め、徐々に全体が赤紫に変わっていく様はいつ見ても不思議で、そしてとても美しいです。

 

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ランダムに色づき始めた美しいメルロの房

 

 

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                                                                                8月4日のメルロの畑

 

                                                                                                                                                                                                        

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                                                                               8月11日のメルロの畑

 

 

 ヴェレゾン初期では粒はまだ硬くて酸味も強いのですが、色づきとともに夏の陽ざしを浴びてぐんぐん成長していきます。そして成熟して張りとやわらかさのある果実となり、糖度もどんどん増してきています。8月下旬になればいよいよ収穫のシーズン到来。より良いぶどうの収獲に向けてこれからも生育を見守っていきます。

*現在新型コロナウイルスの影響を鑑み、当面の間、工場見学および場内全施設(ショップを含む)を休止させていただいております。皆様には大変ご迷惑とご不便をお掛けし、誠に申し訳ございませんが、ご理解・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
詳しくはHPをご覧ください。https://www.suntory.co.jp/factory/tominooka/?fromid=2events

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