[an error occurred while processing this directive]

登美の丘ワイナリー通信

ワインづくりの現場から

ワイナリーの四季その他

2019年のまとめ

いよいよ今年も残りわずかとなって参りました。
登美の丘ワイナリーにとって2019年はどんな年だったでしょうか。
ぶどう栽培を中心に振り返ってみました。

 

◆1月11日に「剪定式」を執り行い、今年の作業が始まりました。

 

191218_1.jpg

 

 ◆2月~3月は気温が高めに推移し、ぶどうの涙は気温がグッと高くなった3月12日に確認されました。眠っていた樹が一気に目覚めたような印象を受け、流れ出る樹液は生命の輝きのようにも感じられます!

  

191218_2.jpg

 

◆4月に気温が下がったため、萌芽(ほうが)は平年より遅くなりました。
萌芽後に気温が下がると、生まれたての芽が霜で死んでしまうことがあります。
際どいところでしたが、繊細なぶどうたちは寒さを感じ取ってくれていて、もう少し眠ることを選択してくれているようでした。
その後、再び温かくなったところで元気よく萌芽を迎えました。

 

191218_3.jpg

 

◆5月は平年並みの気温で推移し、生育の遅れを少しずつ取り戻しながら
平年よりやや遅い6月上旬に開花しました。

 

191218_4.jpg

 

◆梅雨は平年より期間が長く、日照がやや不足していたので、人がぶどうに対して少しでもできることを一生懸命実施しました。
具体的には例年より早く雨よけをぶどうにかけました。また、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローは通常片側しかとらない葉を両側取り除き、しっかりと太陽が当たるようにしました。

 

191218_5.jpg

 

◆その後は好天が続き、7月29日頃からヴェレゾン(ぶどうの色づき)が始まりました!!

 

191218_6.jpg

 

 ◆8月27日に「収穫式」を執り行い、リースリング・フォルテ種から収穫を開始しました。

 

191218_7.jpg

 

◆9月になってからは、例年よりぶどうの成熟がゆるやかだったため、丁寧に観察しながら熟期を伺いました。
畑によっては例年より2週間も成熟を待って、鋏を入れました。待っている間は、ぶどうがいつになったら、自分に振り向いてくれるのか、少し尖った酸がいつになったら優しく包み込むような酸味になってくれるのか、華やかな香りがいつ開くのか、など大事な人を待つかのような感覚を覚えました。

 

191218_8.jpg

 

◆10月に入り、ぶどうの果皮がだんだんと柔らかくなり、いよいよ成熟を迎え始めました。成熟は病気と隣り合わせでもあります。また、このころになるとスズメバチや鳥たちもぶどうに寄ってきます。
でも、焦らず、焦らず、最後は人の五感を使って、白系品種はアロマ・凝縮感を、赤系品種は種の完熟、香りの開き方を見極め、最適なタイミングで収穫しました。

 

191218_9.jpg

 

191218_10.jpg

 

191218_11.jpg

 

◆例年に比べ収穫は遅くなりましたが、11月初旬にすべてのぶどうが収穫できました。人の努力がどれほど、ぶどう、ワインに伝わるかはわかりませんが、この土地で、できる最大限のことをしていけるよう今後も取り組んでいきます。

 

このような状況の下、栽培を担当している和田弦己は今年を振り返り次のようにコメントしています。
『日照、降雨量など毎年異なる気候の影響を受けながらも一貫した味わいをどのように登美で表現できるのかを考えながら作業をしたヴィンテージでした。
来年は今まで以上にぶどうに寄り添い、ぶどうに触れ、ぶどうからもっと多くのことを感じながらより良いワインに向けて努力していきます。』

 

191218_12.jpg

 

また、収穫されたぶどうを受取り、どのようなワインに仕上げていくかを設計・開発する吉野弘道はこう語っています。
『今年ほどぶどうの成熟を辛抱強く待った年はありません。
成熟がゆっくり進んだのが今ヴィンテージの特徴でもありますが、それに加え種や香りの成熟をワインメーカーチーム全員が納得いくまで辛抱しました。
時にはチーム内で意見の衝突が起きましたが、それもまた‘仕込み’です。
その甲斐あって、白、赤ワインともに香りと凝縮感が感じられる仕上がりです。今後の熟成に期待します。』

 

191218_13.jpg

 

191218_14.jpg

 

今年も激しい天候状況の下、様々な試行錯誤を重ねながら、そしてチーム内で意見を交わしながら、皆様に美味しいワインをお届けするために社員一同力を合わせて参りました!そんな今年のワインがどのような味わいに成熟していくかを見守りつつ、来年も更なる挑戦をしながら、皆様に美味しく、高品質なワインをお届けできるようぶどうづくり、ワインづくりに邁進して参ります。

今年もサントリー日本ワイン、登美の丘ワイナリーをご愛顧頂きありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします!
素敵なクリスマス&令和初のお正月をお過ごしください!


登美の丘ワイナリーは2019年12月24日(火)~2020年3月27日(金)までは、施設メンテナンスに伴い場内全施設の営業を休止いたします。
電話でのお問い合わせは2020年3月2日(月)より開始いたします。
詳しくはHPをご覧ください。

 

https://www.suntory.co.jp/factory/tominooka/

 

 

【登美の丘ワイナリーのワインを味わう】

登美の丘ワイナリー通信のTOP

TOPへ戻る