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登美の丘ワイナリー通信

ワインづくりの現場から

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【山梨県:甲府】日本ワインと夏の和食 マリアージュ体験レポート!

梅雨明け前から暑い日が続きましたが、登美の丘ワイナリーも、果樹の生育に影響は?とお問い合わせが入るほどの好天続きです。

そんな日差したっぷりの環境の中で育まれたブドウからつくられる日本ワインを、暑い夏に是非! 日本食とあわせて楽しんでいただきたいと思います。

 

ということで今回は、これまでとは少し趣向を変えた新しいテーマでお届けいたします。

題して“日本ワインと料理のマリアージュ”

体験レポート第一弾、“夏の和食”です。

 

テロワールの考え方に照らせば、日本で獲れる食材から作られる料理に一番合うのは、同じ日本のブドウでつくられる日本ワインであるはず。

食材について知り尽くした料理人の方々が、料理とワインをどう合わせるのか、それをご紹介することで、日本ワインの魅力や楽しみかたを、皆様に知っていただけたら、と思います。

 

さて今回お邪魔させていただいたのは、山梨県甲府市、甲府駅南口にある『りょうり屋 恩の時』様。

新鮮な山梨県産食材を中心に作られる、四季折々の料理を味わえる創作和食のお店です。

 

「是非、目の前で創り上げる“シズル感”を味わってほしい」と語る店主の一瀬大和(いちのせ・やまと)さん。

 

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山梨県内のご出身で、甲府駅前が以前に比べ寂しくなったと感じ、この場所に2012年にお店をオープンされたそうです。

ジャンルにとらわれない創作和食を、目の前で作りあげるところを見て欲しいとの思いから、カウンター席も設けられています。

また2階にもカウンター席と個室(最大16名様)があり、大人数でもくつろいで食事をいただくことができます。

 

今回は、お店のワインリストの中から『サントリージャパンプレミアム 甲州』 『マスカット・ベーリーA』 『登美の丘 シャルドネ』の3種類に合わせて、店主の一瀬さんが厳選したメニューとのマリアージュ体験をご報告いたします。 

 

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●季節の先付け八寸 フルーツトマトとじゃがいものすりながし、葉わさびのお浸し、さわがにの素揚げ

 

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まさに季節の食材が勢ぞろいの一皿でした。

 

フルーツトマトとじゃがいものすりながしは、じゃがいものクリーミーな甘みと、フルーツトマトのフレッシュな酸が見事に調和し、添えられたじゅんさいの食感も楽しめます。

こちらは『マスカット・ベーリーA』とのマリアージュが抜群でした。

調和した味の中に、ふんわりと溶け込むワインの果実味が素晴らしかったです。

 

葉わさびのお浸しは、低温でサッと茹でたわさびの、本来の辛さをしっかりと味わえる一品。

こちらは『甲州』の苦味とマッチし、『甲州』の柑橘系の香りとワサビの香りの爽やかな広がりを感じることができます。

わさびの花も5月初旬限定で、こちらのお店で味わえるそうです。

 

さわがにの素揚げは、見た目のインパクトに驚かされますが、しっかりと素揚げされているため丸ごとカリカリと味わうことができます。

かに味噌の甘みと『マスカット・ベーリーA』の果実味の相性は大変良好でした。

 

●鱧の椀物

 

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季節限定で味わえる、まさに夏の旬のもの!

ふわふわとろとろ食感の鱧の上に、梅とすだちが加わり、爽やかな酸味が鱧の美味しさをより引き立てていて絶品でした。

鱧料理の本場・京都から来られたお客様からも絶賛されたそうです。

柑橘系の香りのある『甲州』とは完璧にマリアージュしていました。

また、鱧の出汁の旨みと『マスカット・ベーリーA』のおだやかな甘みも好相性。

どちらもとても美味しい組み合わせでした。

 

●お造り(南まぐろの中トロ、鱧の炙り、活だこ)

 

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うつくしい色合いの器に盛られた刺身は、まるで宝石のよう。

店主の一瀬さんは器にも大変なこだわりをお持ちで、窯元まで気に入った器を買いに行くそうです。

渦巻き模様のガラスの小皿には、醤油ではなく煎り酒が注がれていました。

煎り酒は、醤油が普及するまでの間、古く室町時代から親しまれていたといわれる調味料で、日本酒をベースに梅干、米などを加え煮詰めて作られているそう。

醤油にくらべ柔らかく、甘みのある味なため、淡白な刺身にとてもよく合うとのことです。

中でも鱧の炙りは、香ばしい香りと煎り酒の優しい味わいが鱧の旨みを引き立てていて、これに『甲州』を合わせると、『甲州』の酸がよりいっそう鱧の旨みを引き出していました。

 

●鮎の塩焼き

 

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備長炭で丁寧に焼き上げ、ふっくらとした身はとても柔らかく、シンプルでありながら鮎の美味しさを最大限に味わえる一品。

『甲州』と鮎のホロ苦さが見事にマリアージュして、素材そのものの風味を存分に楽しむことができます。

『登美の丘 シャルドネ』は、鮎の甘みを引き立てていて、ともに素晴らしいペアリングでした。

 

他にも何品かお料理をいただきました。

 

●甲州牛ローストビーフ

 

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ローストビーフのソースは、濃縮された旨みがありながら、けれどさっぱりとした味わい。

グレイビーソースのように見えますが、みりん・酒・濃口醤油などの和の調味料を使ったソースだそうです。

しかも『ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA』が隠し味で入っているとのこと。

甲州牛の旨みと溶け合い、本当に素晴らしいお味でした。

ワインリストにある『登美の丘 赤』とも、是非マリアージュをお試しください。

 

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●加茂なすの田楽

●〆のご飯(しその実の佃煮とご飯、赤だし)

●おまけのクリームチーズ豆腐

●黒ごまのプリン・バニラアイス

 

以上、計9品。大いに堪能させていただきました。

 

今回のマリアージュの中で、最も美味しいと感じたのは、鱧と『甲州』!

そして鱧と『マスカット・ベーリーA』という意外な組み合わせでした。

 

日本ワインのやわらかい味わいは、和食の繊細な美味しさに寄り添い、素晴らしいマリアージュを生み出すということを、今回あらためて体験させていただきました。

是非、皆様にも『恩の時』様で味わい、楽しんでいただけたら、と思います。


赤白問わず様々なマリアージュをお試しいただくと、新たな発見があるかもしれません。

季節ごとにお料理は変わりますので、マリアージュのおすすめは是非、店主の一瀬さんにお尋ねください。

 

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お店の皆様 はにかみ笑顔です。とても和やかな雰囲気でした。

 

『恩の時』様が割烹料理屋ではなく、“りょうり屋”という名前にしているのには理由があり、親しみやすいお店でありたいという想いが込められています。

実は串焼きやラーメンなどのメニューもあり、気軽に楽しめる空気づくりを心がけているそうです。

店主の一瀬さんのモットーは“プライドを持たない”こと。

何よりも、お客様に笑顔で楽しんでもらいたいという真心が一番とのことでした。

とはいえ、時折カウンターのお客様と談笑しながらも、料理をひとつずつ丁寧に仕上げていく一瀬さんの姿は、まさに“職人”。

一流の料理人の手による最高の料理と、気さくな雰囲気とで人気も納得の『恩の時』様。

お伺いした日は平日の中日でしたが、店内は大変な賑わいでした。

 

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落ち着いた設えの店内でいただくこだわりのお料理、この上ない素敵な時間を楽しめること間違いありません。

もちろん私たちも大満足の笑顔となりました。

 

『恩の時』の皆様、お忙しい時間にも関わらず、快く迎えていただき、ありがとうございました。

またお邪魔できる日が、今から楽しみです。

 

甲府にお越しの際は是非、お訪ね下さい。

美味なるマリアージュに、きっと笑顔になれます!

 

 

『りょうり屋 恩の時』

店舗住所:山梨県甲府市丸の内1-8-9

電話番号:055-269-8487

定休日:日曜日(月曜祝日の場合に限り日曜営業)

今回ご紹介のワイン:マリアージュをお楽しみいただいたワイン(ヴィンテージは異なります)

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