先日、登美の丘ワイナリーでは、KOJの甲州アンバサダーであるロナン・セイバン(Ronan Sayburn)さんの訪問を受けました。
KOJとは、Koshu Of Japanの略で、『甲州ワインを世界で認められるワインへ。』という国家プロジェクトです。
http://www.koshuofjapan.com/ja/index.html
現在、山梨のワイナリー12社を中心に、世界のワインマーケットの中心地であるイギリスで、プロモーション活動を行なっていますが、今回、その甲州アンバサダーとしてのロナン・セイバンさんが、甲州の魅力を実際にイギリスの各方面に伝授いただく伝道師・大使(アンバサダー)として、12社のワイナリー全てを回られている一環として来場されました。
2日間で11社のワイナリーを訪問されて、3日目にして登美の丘ワイナリー。
非常にハードなスケジュールだったろうとお察しします。
ロナンさんはイギリスで自身のレストラン経営はもちろん、ロンドンのTOPレストランのワインに関するコンサルタントや、ソムリエのための教室も主宰されている、ロンドンのワイン業界における重鎮。
そのロナンさんを登美の丘ワイナリーの品質設計担当の吉野と栽培担当の和田が場内を一緒に巡り、登美の丘ワイナリーでのワインづくりについてご説明をさせていただきました。
場内のご案内を終えて、眺富荘でのテイスティングに入って、ロナン氏の顔つきやメモを取る量が変わったように思えました。
ロナン氏は、「ジャパンプレミアム甲州2014」をテイスティングするなり、「ピュアでクリーン。やさしくデリケートでドリンカビリティのある味わいですね」と非常に高く評価していただきました。
さすがに、ロンドンのワイン業界の重鎮らしく、彼のノートには非常に多くのテイスティングコメントがとめどもなくスピーディに書き込まれていきました。
「登美の丘 甲州」に対しても、複雑で柔らかなタイプの味わいとして非常に高く評価いただきました。
どちらのタイプがロンドンに合うかという質問に対しては、「ロンドンにも多くのタイプのお客様がいるので、どちらのタイプも好まれると思います」とのコメント。
お料理に対しては、ジャパンプレミアム甲州の持つ自然な果実の酸味が魚やカキなどのお料理やサラダ、それとバターを使わないお料理でクリームソースをかける料理にもピッタリ合うとのこと。
甲州そのものの品種の特長として、香りがそれほど強く主張するものではないので、ロナン氏としては、登美の丘甲州のように樽熟によって複雑味を増したほうがいいように思うとのコメントもされていました。
マスカット・ベーリーAの2製品については、カジュアルなスタイルでボジョレーヌーヴォーのような方向にあって魅力的であると味わいとしてきちんと評価するものの、ロンドン市場においては「ハイブリッド(=交配品種)」という段階でレストランのソムリエに扱ってもらうハードルが高くなるのだという正直な実態に基づいた見解と、むしろ、アメリカやアジア市場に可能性があると思うとのコメントも。
今回のテイスティングの中で、ロナン氏が最も気に入ったアイテムは何かと聞いたところ、「2つの登美だ」との即答。
甲州アンバサダーとしての役割で来日しているロナン氏ですが、「登美(白)2012」でのシャルドネの感じ方が彼のツボにはまったらしく、シャルドネの果実味としてのワインにあるべき香りの方向性やミネラル感、樽熟成による強すぎない樽香と、味わいとしての融合などなど非常に饒舌にコメントしていただきました。
一緒に同行されていた小笠原女史は「ロナンさんが日本のシャルドネを飲んで、ここまで誉めたことは今まで一度もなかったです」と驚いておられました。
さらに「登美(赤)2009」に対しても、「ベリーナイス」「ベリーグッド」の連発で、特に、日本におけるカベルネ・ソーヴィニヨンの難しさについて理解されているようで、その中でもこのカベルネ・ソーヴィニヨンの表現は見事だというコメント。
日本におけるカベルネ・ソーヴィニヨンの難しさを実感している吉野もロナン氏の高い評価に素直にうれしそうにしていました。
そして、甲州のこれからの可能性はもっとあるとのコメントと、ロンドンに来たらぜひ私のレストランに来てくださいとやさしい目で微笑んだ笑顔を残して、登美の丘ワイナリーを後にされました。
ロナン・セイバン氏にテイスティングいただいたワイン |
サントリージャパンプレミアム 甲州 2014 | サントリー登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州 2014 | サントリー登美の丘ワイナリー 登美(白) 2012 |
サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーA ロゼ 2013 | サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーA(赤) 2013 | サントリー登美の丘ワイナリー 登美(赤) 2009 |