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登美の丘ワイナリー通信

ワインづくりの現場から

ぶどうづくり

よりよい品質を追究するために、ぶどう畑ごと造り変えています。

今、登美の丘ワイナリーでは、ぶどう樹の剪定作業を進めているのと並行して、ぶどう畑をつくり変える取り組みも行なっています。
 

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登美の丘ワイナリーにご来場されてワイナリーツアーに参加いただいた方ならワイナリーで最も標高の高い(600m)「眺望台」という場所を覚えておられる方も多いのではないでしょうか。その眺望台から西に見た区画(D-3、4)では棚仕立てで栽培していたシャルドネのぶどう樹が樹齢が高くなってきたこともあり、2016年に改植するために区画内にある全てのぶどう樹を切りました。
ぶどう樹を切り出し、棚の支柱やぶどうを誘引するワイヤーの棚を全て撤去した後のこの区画を撮影した下の写真を見ていただくと、段々畑のようなテラス状の構造になっているのが、おわかりいただけるかと思います。等高線のように斜面を何段にも水平な部分をつくっているこの構造だと働く人間側には比較的負担は少ないのですが、降った雨がそれぞれの段に留まってしまい、畑全体が降った雨全てを吸い込むことになります。ワイン用ぶどうの栽培において最大の目標とする凝縮感は、「いかに水を切るか」(=ぶどうが過度に水を吸い上げないように水はけのよい環境にすること)がポイントと言えます。そのためにはいかに降った雨をぶどう畑の外に排出するかということが重要になり、斜面に位置する畑は表土の上を流れて速やかに流れ去ってくれます。降水量5mm程度の雨ではさほど差はないのですが、比較的雨が少ない登美の丘であっても、台風や梅雨の大雨など、特に最近は短時間に集中して大雨を降らすゲリラ豪雨のような雨の際には、段々畑状にしておくと、まるで棚田のような状況になり、全ての雨水がそのまま畑にしみこんでしまいます。
そこで、この度、樹齢が高くなって改植するタイミングで、ぶどうを植え替えると同時に、段々畑状の畑の構造を斜面構造に一気につくり直そうとしており、今まさに、大造成の真っ最中です。

 

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まず、地上部分を切ったぶどう樹を重機を使って、地下部分を根こそぎ引き抜くのですが、地中に張ったぶどうの根は非常に長く、作業を見ていると、引き抜く途中でブチブチと根が切れていくのも、四方に根が伸びているんだというのも良くわかります。また、これだけ張ったぶどうの根を引き抜く重機のすごさが改めて実感できます。人間が1本ずつ掘り起こしていたら、どれだけの人員が必要になるのか、そして、その労力も大変だろうということは容易に想像できます。機械班のスタッフは自分の手足のように巧みに重機を操作して困難な作業にあたってくれています。引き抜かれたぶどうの樹を畑の外に運搬するためのトラクターの荷台に乗せるのも大変な作業です。

 

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そして、全てのぶどうの樹を撤去した後は、さらに大型の重機によって段々畑の構造をなだらかな斜面につくり変えていく大造成の作業に取り掛かかっています。ぶどう畑の下のほうの土をトラックに積んで、ぶどう畑の上の位置に運ぶのと並行して、段々畑を崩しながら傾斜をつけていく斜面を削る作業も進行させています。
 

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ぶどう畑の斜面を削る作業をしていると、地中に埋め込まれた「暗渠排水」のパイプが出てきて、先輩たちもこの畑で「水を切る」ための工夫をしていたことが偲ばれます。(「暗渠排水」については、「梅雨の登美の丘ワイナリー(その1)」を参照ください)
その時代の課題に対応して、ワインの品質を追究するために、ぶどうの品質を追及し、畑でも醸造でもいろいろな工夫を登美の丘ワイナリーでは取り組んできました。そして、これからも登美の丘ワイナリーでは、ワインの品質を磨く様々な取り組みをしてまいります。今、ぶどう畑の地形からも造り変えようとしています。新しいぶどうの苗木を植える前の準備としての造成作業はまだまだ続きます。

 

それにともない、2016年1月から3月25日まで、登美の丘ワイナリーでは、営業施設を一時休止し、お客様の受け入れを休業させていただくこととなります。何卒ご了承いただけましたら幸いです。なお、ワインづくりの取り組みや場内の様子に関しては、このワイナリー通信で発信させていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

登美の丘ワイナリーのシャルドネ

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