サントリー ワイン スクエア

登美の丘ワイナリー通信

ワインづくりの現場から

ぶどうづくり

来年に向けて、剪定作業を始めています
(リースリング・フォルテの剪定)

今、登美の丘ワイナリーの自家ぶどう園では、ぶどう樹の剪定作業を精力的に進めています。

 

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というのも、2014年2月の記録的な大雪が記憶に新しいところで、幸いにしてぶどう樹への影響は全くなかったものの、特に棚仕立ての区画は、雪による棚の倒壊のリスクを考えて年内の剪定終了を目指すこととしています。棚仕立てのぶどう栽培区画の面積はおよそ8ha。東京ドームに換算すると1.7個分。坪数で言うと約24000坪の面積のぶどう畑にあるぶどう樹を1本1本剪定していくことになります。

 

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今年、発芽して成長してきた新梢が棚一面に広がったぶどう畑のぶどう樹の枝の張り具合を見て、来年のぶどうを実らせる枝の母体となる「結果母枝(けっかぼし)」をどう選択し、来年のぶどうをどう育てるのかイメージしながら剪定していきます。一番のポイントである結果母枝としてふさわしい枝は、節間が短く丸くくびれていて、しっかり熟して木化したものですが、それにふさわしいのが必ずしも望むべき主幹の近くにあるわけではありません。1本1本の樹の状態が異なるがゆえに、ぶどう樹の目利きが必要になるのです。栽培スタッフはまずどれを結果母枝として残すべきなのかをじっくり観察し、充分に考え確認しながら、切るべき枝の切断作業にとりかかります。

 

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傾斜地にぶどう畑が広がる登美の丘ワイナリーでは、樹勢の強い(=樹自体に枝を伸ばそうとする成長力が強い)リースリング・フォルテは、ぶどう樹の主幹から棚の斜面に沿って下方向には1列、上方向には2列の結果母枝が並行線を描いて這わせるように剪定していきます。仕立て方式でいうところのH型長梢剪定の発展型といえるでしょうか。ですので、1本のぶどう樹を3列の結果母枝のラインに沿うようにして3人がぶどう畑をスライドして動くように剪定作業を進行していきます。
 

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また、来年ぶどう樹が水揚げして柔軟になってから結果母枝を望む形に変えて棚に固定する「配曼(はいまん)」という作業を行なうのですが、その際に、結果母枝が隣の樹の結果母枝と交わらないように剪定していきます。具体的には、2本のぶどう樹の間隔の間で、それぞれに残す結果母枝が配曼された時の状態を確認するために、やさしく曲げてみて、結果母枝の芽数を数えながら長さを調整して剪定していきます。剪定したあとの結果母枝は、来年の配蔓作業までそのままにしておきます。
 

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結果母枝として残す枝の芽数はそれぞれの品種によって異なりますが、その芽数が来年の収穫量を規定し、品質をも決めるベースとなります。結果母枝の目利きが悪いと来年の萌芽の際に想定していた数の芽が出てこないということにもなりますから、気が抜けません。
また、太くなった主幹部分からばっさりと切る時には、のこぎりを使っての力技にもなりますし、枝を切るだけではなく、切った枝を棚に這った状態から引き抜く際も、ツルでからんでいるので、かなりの力が必要になります。冷たい八ヶ岳おろしの吹く中で、棚仕立ての剪定作業は、ずっと上を向いての剪定作業が続きます。でも、栽培スタッフは「剪定の作業してると没頭して時間を忘れるくらい」と笑いながらあっさりと言ってのけます。確かに、1本1本のぶどう樹と向き合って、来年のために最善の剪定をしてあげようとしているのが見ていて伝わってきます。そして、完了すると非常に「達成感」のある作業です。広大なぶどう畑で膨大な本数のぶどう樹を剪定してあげることになるのですが、ひとつずつやりきった後の達成感は、純粋にうれしくなるのがよくわかります。
棚仕立ての区画の次には垣根仕立ての区画に移ります。それぞれの区画ごとに仕立て方法も異なります。これから、広大なぶどう畑で延々と剪定作業が続きます。来年のぶどうづくり・ワインづくりにとって、非常に重要な取り組みです。

 

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サントリージャパンプレミアム リースリング・フォルテ 2014

 

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