2015年新酒の瓶詰めを行ないました。
初日は「ジャパンプレミアム 甲州新酒2015」。
今年の甲州の仕込みは、先日レポートしたように様々な取り組みを行なって「新酒らしいフレッシュでフルーティ」な味わいを目指しました。(「ジャパンプレミアム甲州新酒2015」の仕込みを開始しました。)
8月中旬から登美の丘ワイナリーでは収穫と仕込みに戦力を集中するために瓶詰めラインはずっと動きませんでしたが、久しぶりのライン稼動に備えて瓶詰めラインのスタッフは前日に準備し、当日も早朝出勤しての製造です。
ワインの充填は非常にゆっくりと行ないます。ボトルが充填機を1周まわる間の1分間に60本というスピードで丁寧に瓶詰めします。瓶詰めの部屋は何重にも奥まっていて「陽圧」の状態で扉を開けるときに中方向に空気が入らないようになっていて、オレンジ色のカバートンネルが虫の飛び込みを防いでいます。虫の目にはオレンジ色は黒く映るらしく、光に向かって飛ぶ習性のある虫を寄せつけないための工夫もしています。
今年の新酒は「プリントボトル」です。瓶詰めラインを流れている様子も見た目に非常に美しいですが、実際に召し上がっていただく際に、すぐにワインの温度を冷やしたいときなどにも便利です。ワインボトルをそのまま氷水に漬けていただくことで、冷蔵庫で冷やすよりもずっと早くワインの温度をさげることができるのですが、紙ラベルが剥がれるのを心配しないでいいのがプリントボトルのひとつの特長です。
今年の「ジャパンプレミアム 甲州新酒2015」は、爽やかな香りと果実味ある味わいに加えて、しっかりとした旨味をもった味わいに仕上がりました。甲州の美味しさを引き出した味わいと言えます。
日本固有の薄紫色の果皮の甲州種ぶどうは、この果皮にきれいな香りとかすかな渋味を有しているのが特長で、その特長が今年の甲州新酒に表現することができたと思っています。
特に、きれいに澄んだ香りが新酒らしく際立っており、やさしい口当たりから中盤にかけて、果実由来の旨味とフレッシュでいきいきとした酸味が心地よく広がり、終盤には甲州種ぶどうの特長であるかすかな渋味が感じられます。このかすかな渋味がお食事と一緒に召し上がった際に「旨味」に転じますので、この季節のいろいろな食材の美味しいお料理にぜひ合わせて召し上がっていただければと思います。
「今年の甲州新酒はすこぶる食事にあう」というのが今年の「ジャパンプレミアム甲州新酒2015」の特長と言えるかもしれません。ぜひ、ご賞味ください。
翌日は「ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA新酒2015」の瓶詰めを行い、この日も早朝からずっと瓶詰めラインが稼動していました。
今年収穫されたマスカット・ベーリーAを仕込んで、新酒ならではの味わいを目指し発酵管理を行ないました。
今年の春に、フランス・ボルドーに留学していた品質Gの桜井が帰国して、久々に登美の丘ワイナリーの新酒の設計に携わった今年のジャパンプレミアム新酒です。現場スタッフと一緒になって、ぶどう本来の味わいを素直に引き出してくれました。
今年の「ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA新酒2015」は、かすかに紫がかった美しく輝くルビー色がきれいです。マスカット・ベーリーA特有のイチゴやフランボワーズを思わせる華やかな香りに、口に含むとたっぷりとした果実感があります。今年のマスカット・ベーリーAの立派なぶどうをしっかりと感じさせるかのように、ぶどうを食べた時のような丸くやさしい印象をワインの味わいに感じます。もともとマスカット・ベーリーAはタンニン分が多くないので軽快で余韻はやや短めですが、後味は心地よくきれいです。
「赤ワインは渋くて・・・」とおっしゃる方にも この「マスカット・ベーリーA新酒2015」はやわらかい味わいなので楽しんでいただけますし、ワイン好きの方にも今年のマスカット・ベーリーAの果実由来の旨味を引き出した味わいとしてお楽しみいただけるかと思います。
なお、赤ワインですが少し冷やした状態で召し上がっていただくと果実味の豊かな味わいを一層お楽しみいただけると思います。
間もなく、今年の「ジャパンプレミアム 甲州新酒2015」と「ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA新酒2015」の解禁です。ぜひ、今年ならではの旬の味わいをお楽しみください。
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ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA新酒 2015 |
ジャパンプレミアム 甲州新酒 2015 |