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登美の丘ワイナリー通信

ワインづくりの現場から

ワインづくり

メルロの仕込みを、新除梗機で開始しました。

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赤ワイン用のぶどう品種の中で登美の丘ワイナリーで最も栽培面積が大きい主力品種であるメルロの収穫ならびに仕込みについても開始しました。


先日、収穫体験ツアーに参加していただいたお客様が収穫されたメルロも一緒に仕込み作業を行ないましたが、今回のメルロは、2013年に導入した、新しい除梗機での仕込みとなります。

 

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登美の丘ワイナリーの自家ぶどう園のメルロは、棚仕立ての区画もあれば、垣根仕立てのところもあります。同じ垣根仕立てのところでも、剪定の仕方の異なる区画や、もちろん樹齢の違う区画もあり、様々です。そして、先日ご紹介したサンプリングで十分に熟したと判断した区画から順序を決めて収穫していくのです。ぶどう畑の中で1房1房手で摘み取られ、確認しながら不健全な部分があれば切り落す選果をして収穫していきます。それは、一般のお客様の収穫体験であっても、しっかりと事前にご説明して、ご協力いただきました。メルロはカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの品種に比べて、熟するのが早いという特長があります。これからしばらくの間は、メルロの収穫が続く予定です。

 

今回のメルロの仕込みはまず、先日ご紹介したマスカット・ベーリーAやビジュノワールの様に舟に開けてからホッパーに投入し除梗機を通すということをせずに、10kg単位のコンパクトなぶどうのコンテナを1箱ずつ選果台にあけるという方式をとります。まずここでさらに選果を行ないます。
そして、登美の丘ワイナリーでキリンと呼んでいるコンベアで新しい除梗機の投入口に少しずつ投入していくのです。新しい除梗機が従来のものと違う点のひとつに投入口が高い位置にあるというのが挙げられます。

 

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キリンで持ち上げられたぶどうは、除梗機の上から投入されるのですが、この新しい除梗機の内部は、実は丸い穴のあいた円筒形の筒があり、この筒の上から投入されたぶどうが下に通り過ぎる際に筒が振動することにより、丸い穴からぶどうの果実の粒が果梗からポロポロと落ちるという仕組みです。
筒の中を通過したぶどうの房は、きれいに軸だけの果梗になって除梗機から排出されてきますが、出てくる様子は、従来のものと比べて非常にやさしい印象を受けます。 

 

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なによりも、従来の除梗機の、横式の格子になった筒の中を2重らせん構造の金属棒が回転する方式に比べて、新しい除梗機では、ぶどうの粒が破砕されることが極端に少ないのがわかります。この新しい除梗機を通って除梗されたぶどうの粒は、コロコロと落ちて次のレーンの選果台に運ばれていきます。
 

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除梗時に粒が破砕されないということは、酸化から守られるということも意味します。そして、ここでもスタッフが選果を行ないます。主には、除梗機で細かくなった果梗の破片も混在していますから、それをピックアップして、果実の粒のみを発酵タンクに送るという作業になります。さらに、畑での選果の段階ではわからなかった房の中の着色のやや悪いものについても、1粒1粒をバラバラにされた状態で目にさらされるわけですから、より選果の精度も高まるというわけです。

 

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そして、発酵タンクに送られる直前に軽くローラーで破砕しますが、果実の状態によってその幅を設定します。この日も、新発酵室にあるタンクに送り、今後の発酵管理を行なっていくこととなります。この時点では、果汁はそんなに着色はしていないのがお分かりになるかと思います。
 

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今までご紹介させていただいてきた従来の除梗機と、新しい除梗機を様々に駆使しながら、品質向上のためにはどういうやり方がいいのかを自問自答しながらワインメーカーたちは年に1回しかないこの仕込みの時期を現場と一緒になって取り組んでいます。引き続きその様子をレポートさせていただきたいと思っています。

 

【メルロを主体とした登美の丘ワイナリーを代表する

「登美の丘(赤)2011」】

 

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