登美の丘ワイナリーでは、収穫したぶどうの仕込み準備のために、醸造設備の洗浄の真っ最中です。
ぶどうは1年に1回、秋の数ヶ月の間にしか収穫されません。登美の丘ワイナリーでのぶどうの収穫・受け入れも、通常8月末から11月上旬くらいまでのほんの数カ月だけ。したがって、醸造棟の破砕場といわれるぶどうの受け入れエリア内で、受け入れたぶどうをワインに仕込むために房から軸の茎をはずす除梗機も、そのぶどうから果汁を取り出すためのプレス機も稼動するのは1年のうちでほんの数ヶ月の間だけなのです。
毎年仕込みが終わった後はきれいに洗浄して仕舞うのですがが、ぶどうの収穫が始まる前にも、しっかりきれいに洗浄して、ぶどうの受け入れに備えます。
まずは、除梗機。ぶどうの受け入れ口(通称:ぶどう受けホッパー)を洗剤を使ってブラシでしっかりと洗浄します。このホッパーに投入されたぶどうは、スクリューコンベアで押し上げられて、除梗機に一定量で移動していきますが、そのホッパーの細いシャフトの羽根の1本1本まで、細かい部分まで丁寧に洗ってあげます。最初、ややくすんだ感じだったホッパーも洗浄後、水で流してあげると、ステンレス製のパーツのすみずみまでがピカピカになって、気持ちがいいです。
さらに、ぶどうが投入される除梗トンネルも丁寧に洗ってあげます。スイッチ類のコントロールパネルなども水に濡れないように念のためにカバーをしてあげます。
この洗浄の際に外壁パネルが開放されたところから、除梗機のカゴの内部構造がよくわかります。投入されたぶどうが押し出されて格子になったカゴのトンネルを移動していく間に、ぶどうの実が下に落ちて、軸の茎だけがトンネルから排出される仕組みですが、何本もの突き出た棒が、らせん状になっていて、この軸が回転して軸の茎が移動して出てくるのが想像できます。(実際にぶどうの仕込が始まった時に改めて詳しくレポートします)
そして、プレス機。白ワイン用にぶどう果汁だけを取り出すために、除梗機で実だけになったぶどうをプレスする機械です。また、発酵を終えた赤ワインの醪(果皮や種も混ざって発酵を終えたワイン)から液体の赤ワインだけを取り出すためにも使用します。
このプレス機も、何人ものスタッフが、手で丁寧にすみずみまで洗ってあげるのです。
そして、それぞれの洗浄をした後には、除梗機からプレス機に接続した配管をすべて通しての事前確認も入念に行ないます。
今年の仕込みはもう間もなく始まりますが、登美の丘ワイナリーには、大小含めて、その目的に応じて様々な除梗機やプレス機があります。その1つ1つの設備を洗浄し、今年の準備を着々と進めている真っ最中です。
今年も、世界を感動させる日本ワインを目指し、真摯に高品質なワインづくりに取り組んでまいります。