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登美の丘ワイナリー通信

ワインづくりの現場から

ぶどうづくり

ヴェレゾン(Véraison)

現在 登美の丘ワイナリーの自家ぶどう園では、ぶどうの「ヴェレゾン」が進行しています。

 

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7月27日 メルロ
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7月31日 メルロ
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8月4日 メルロ

 

「ヴェレゾン」は、皮の黒いぶどうで顕著に現れますが、緑色の房が黒く変わっていく過渡期の現象です。ぶどうの実は房の上部が最も甘く、下部に行くにつれて甘さが減っていくので、一番下の実を食べて甘ければ房全部が食べ頃だと言われたりしますが、ぶどうの粒の果皮が黒くなるのは決して上から変わっていくわけではなく、アットランダムに緑色から黒く変化していきます。どうして、こんなにアットランダムな変化を見せてくれるのか1粒1粒の受粉のタイミングかもという仮説もどうやら違うようです。見れば見るほど、考えれば考えるほど不思議なのですが、単純にとってもきれいなので、大好きな風景です。
 

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日照が少なかったり、夜間の温度が高かったり、雨が降り続いて水が多かったりする天候では、「ヴェレゾン」の期間が長引き、なかなか黒くなってくれないでボンヤリと褐色になる状態にスタッフはやきもきしたりするのですが、今年は例年よりも時期が早く、次々にグンッとしっかり深く黒くなってくれているので、「今年のヴェレゾンは、非常にいいヴェレゾンだ」と登美の丘ワイナリーのスタッフは喜んでいます。

 

春先は1本のぶどう樹の幹の先端から先に芽吹いていきましたが、「ヴェレゾン」もぶどう樹の先端から変化しているようです。1本のぶどう樹がヴェレゾンを開始して全体が黒くなるのには品種にもよりますが約15~20日間くらいです。

 

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先日レポートした「摘房(てきぼう)」の説明の際にも触れましたが、この時期のぶどう樹は葉でつくった養分を自分の生長のために使うステージから子孫のために使うステージに変わって、これからますますぶどうは熟していきます。緑の粒の食感はまだジャリっと硬いですが、黒くなってる粒を食べるとジュワっとやわらかく果汁を溜めているようになってきています。味はまだ酸っぱさを感じ、これからどんどん熟していきます。
 

 
品種ごと、畑ごとに「ヴェレゾン」の進行状況が異なるのが、見ていてわかります。
メルロの南向きの垣根仕立ての畑が一番進行が早く、次にメルロの棚仕立て。
カベルネ・フランはヴェレゾン開始
プチ・ヴェルドはまだ変化なし
ブラック・クイーンはまだ変化なし
カベルネ・ソーヴィニヨンはまだ全く変化なし。

 

ヴェレゾンは、「色づき」「着色」とも言われたりしますが、果皮の緑色のぶどうも、実は「ヴェレゾン」の現象を起こしています。一見よくわかりませんが、「水がまわる」という表現をしたりするのですが、ぶどうの粒に透明感が増して果汁を持ってきたんだなというのがわかるようになります。
今、A園と呼んでいるシャルドネでヴェレゾンが見られますが、シャルドネでは、緑の粒の中に黄金の粒が輝くように見える感じです。陽の光にかざすと中の種が透けて見えるようになってくるという表現が一番わかりよいかも知れません。
甲州のヴェレゾンは、ほんのりピンクに色づき始めますが、それもまた後日レポートさせていただく予定です。
 

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この時期しか見れない「ヴェレゾン」という現象をぜひ ご自身の目で見て楽しんでみてください。
ガーデンエリアの見本園の主要品種も、まだ幼木ですが、この後、ヴェレゾンの現象を自由にご覧いただくことができると思います。ぜひ登美の丘ワイナリーにご来場ください。

【今回ご紹介のワイン】 登美の丘を代表するワイン。

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