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登美の丘ワイナリー通信

ワインづくりの現場から

ぶどうづくり

ぶどうの生育観察

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登美の丘ワイナリーのつくり手たちは、広大なぶどう畑を何度も何度も歩きまわって、ぶどうの生育期にずっとぶどうの状態を入念に観察しています。今のぶどうの生育状態が例年に比べて早いのか遅いのか、病害などが発生していないかどうか、ものを言わないぶどうの声に耳を傾け、適切なタイミングに適切な対処をしてあげるためです。一番こわい病気も、まさしく人間の病気と一緒で「早期発見・早期治療」がなによりも大切です。

 

実際に、今年の梅雨はしっかりと雨をもたらし、梅雨らしい梅雨だったので、場内のぶどうの一部で、ウドンコ病や灰色カビ病にかかっているぶどう果が確認されています。
ウドンコ病は、まさしく小麦粉のような微細な白い粉をふいたようにカビが広がる病気です。
ブドウの幼果期に日照が少ないと広がりやすい病気で、症状が進むとカビが房全体を包むようになります。
灰色カビ病はボトリティス・シネレアというカビの菌糸がぶどうの粒内に侵入し、糖分を栄養としながらカビが広がる病気です。シャルドネのようにヨーロッパ系の小粒品種に発生しやすく、とくにブドウの開花期から幼果期にかけて湿度が高いときに広がりやすい病気です。

 

ともに大発生したらたいへんなことになりますが、ただ、今の状況であれば、適宜ボルドー液散布、風通しをよくするための摘葉作業などで対処しているので、さほど大きな影響にならないとみています。

 

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ウドンコ病 ウドンコ病の箇所
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灰色カビ病 灰色カビ病の箇所

 

登美の丘ワイナリーの「総合受付」の前のぶどう畑「A-11」と呼ぶカベルネ・フランの畑にだけ、バラが3本残っています。下の画像は、ボルドーのシャトー オー・ブリオンのぶどう畑ですが、もともと、ぶどう畑にバラを植えるのは、フランスで一般的でした。かつて、登美の丘ワイナリーでも場内のぶどう畑の数箇所に植えられていたのですが、ぶどう樹の改植などのタイミングでなくなっていき、現在残っているのはカベルネ・フランの畑だけです。

 

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登美の丘ワイナリー シャトー オー・ブリオン

 

ぶどう畑に植えられたバラは、かつて病気のセンサーのような役割をしていたそうです。バラもかよわい植物で高温多湿な状態が続いたりしたらウドンコ病にかかりやすく、その症状がでたらぶどうにウドンコ病が出ないかケアすべく注意したのだそうです。バラのウドンコ病がぶどうに感染するわけではないそうなのですが、ぶどうもウドンコ病にかかりやすい畑の状態になっているということをバラがいち早く教えてくれたというわけです。でも、今はバラを見てぶどうの病気をケアするよりも、今は、栽培グループのスタッフが頻度高く、ぶどう畑をくまなく歩きながら、ぶどうの状態をチェックして、きめ細かく観察しています。なので、今はバラはセンサーというよりも、まさしく鑑賞用という感じでしょうか。
 

 

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「ぶどうは太陽の光を好むが、それ以上に好むのは人の影だ」という言葉があるという話を聞いたことがあります。人がいかにぶどうを気遣い、お世話をするかということが、ぶどうの品質に直結するということなのでしょう。
登美の丘ワイナリーの自家ぶどう園の、今年のぶどうの生育は昨年よりも早めに推移しており、いたって順調です。(今、ぶどう畑では「ヴェレゾン」という現象が始まっています。「ヴェレゾン」については、後日詳しくレポートする予定です)
 

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登美の丘ワイナリーのスタッフは、引き続きぶどうたちをしっかりお世話していきます。

<バラのあるぶどう畑の品種>

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