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登美の丘ワイナリー通信

ワインづくりの現場から

ぶどうづくり

現在のぶどうの様子とぶどう樹の構造

登美の丘ワイナリーの自家ぶどう園では、ぶどうの樹が順調に生育しています。

 

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今回は、ぶどうの樹についてちょっとお話します。
現在、ぶどうの樹には新しく伸びてきた結果枝という枝に2~3房ほど結実しています。長い梅雨の間にもしっかりとグングンと生長しています。

 

実は、ぶどうの樹は2種類のぶどうの樹から構成されています。台木と穂木の2つのぶどう樹が合体しているという感じです。ワイナリーの自家ぶどう園でぶどうの樹の根元を間近にみていただくとよくわかると思います。

 

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フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)というアメリカに土着していた約1mmの害虫が、アメリカからぶどうとともにヨーロッパに持ち込まれ、耐性のないヨーロッパ系のぶどうを壊滅させたという歴史があります。日本でも明治の初期にフィロキセラによる被害が甚大であったという記録もあり、登美の丘ワイナリー(当時の登美農園)に招聘されたハインリッヒ・ハムも多くの台木と接ぎ木の技術を当時の日本に指導したという歴史もあります。
 

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一口に「台木」といっても種類も様々です。土壌の性質との相性、接ぎ木する穂木との相性など、「穂木」にも様々の種類があって、その組み合わせは何万とも何十万とも言われるくらいです。いいぶどうを得るために、この登美の丘に合う組み合わせはどういうものか、新しいぶどうを植えてすぐには結果が出ない実際に育てながら、評価しながらその選抜作業を行なっているのです。

そして、ぶどう樹の根元から視線を上にあげて観察していただくと、ぶどう樹の幹や枝が3つの色になっていることがおわかりになると思います。

 

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この色の違いには、それぞれの年季が関与しています。
色の黒い「幹」の部分は植えつけられてから幾年もの間生きてきたもので、通常ぶどうの樹齢という話の際にはこの幹の年月をカウントされます。
画像のぶどう樹の樹齢は11年。一説では、日本のぶどうの寿命は60~80年とか言われたりしますが、海外では100年を超えるぶどうもあるそうです。ただし、樹齢が高ければ高いほど美味しいかどうかは議論の分かれるところです。
茶色の枝は「結果母枝(けっかぼし)」と呼ばれて昨年生育した枝です。昨年大きく生育したぶどう樹の多く伸びた枝を冬の間に「剪定(せんてい)」して残した枝です。剪定作業をしないと、ぶどう樹は拡大し続けて1本の樹から何百というぶどうの房を実らせることになり、当然1つ1つのぶどうの房に分け与えられる養分は薄まる結果となりますが、私たちはこの登美の丘の魅力をギュッと詰まったワインをつくりたいので、この剪定作業を行なっているのです。
   

選定作業の過去ページへのリンクはこちら

 

そして、その「結果母枝」から伸びている緑色の枝は「結果枝(けっかし)」と言って、今年春に芽吹き生長してきた枝で、すでに非常に立派な太さになって、ぶどうの房をたわわに実らせています。
この後、「摘房(てきぼう)」と言って、実らせた房の数を減らして、葉で作られた養分を残した房に集中させるという作業を行なうのですが、それはまた後日レポートします。

  

ワインというお酒を、原料であるぶどうから場内の自家ぶどう園で自らの手で育て、収穫し、醸造し、瓶詰めまでを一貫して行なっているところは、日本ではそう多くはないと思います。ワインを楽しんでいただく際に、いかにぶどうが大切につくられているかを知ることで、美味しさもまた格段に違ってくると思います。
四季折々のぶどう樹の様子を間近に見ることのできる登美の丘ワイナリーの見学ツアーにも、ぜひご参加ください。

 


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