今年も待ちに待った、「ぶどうの花」が咲き始めました。春先の低温でぶどうの萌芽が若干遅かったですが、4月後半以降の天候回復と最近の好天で遅れを取り戻した感じです。
みなさんは、ぶどうの花をご覧になったことはあるでしょうか?
ぶどうの花はとっても「可憐」というか「奥ゆかしい」姿です。というのも、ぶどうの花には「花びら」というものがなく、めしべとおしべ5本が帽子をかぶっている1つの粒のようなつぼみが小さなぶどうの房のミニチュアサイズの形に集合していて、つぼみが成熟してその帽子が取れたら開花というわけです。小さなおしべの細く白い軸がかわいい印象を与えます。そして、この小さな1つ1つが受粉して、ぶどうの1つ1つの粒になるのです。
花に近づいて香りを確認すると、ぶどうの花からは、アカシアの白い花のような かすかに甘くやさしく澄んだ香りを感じます。
また、ぶどうの花は、自ら受粉する「風媒花」ですが、リースリング・フォルテの畑に行くと「ブーン」という虫の羽音が。甘い香りに惹かれてミツバチなどの虫たちがぶどうの花に寄ってきて、しきりにぶどうの花にとまって足をすり合わせ、受粉を助けてくれているかのようでした。
一般的な目安として、ぶどうは開花してから収穫まで100日。
場内で最も早く収穫するリースリング・フォルテは5月末でほぼ満開状態です。同じように見てまわるとシャルドネがそれに続くという感じで開花が始まっています。メルロはほんの少し。カベルネ・ソーヴィニヨンの開花はまだという状況です。
リースリング・フォルテ |
シャルドネ |
メルロ |
ちなみに、ぶどうの花言葉も調べてみたら、あるんですね。「陶酔」「好意」「信頼」「思いやり」「親切」「慈善」「酔いと狂気」「人間愛」だそうです。ワイン関連での言葉が並んでいるように思えます。
ワイン好きな方は、ぜひ登美の丘ワイナリーに「ぶどうの花」を見に来てください。
めったに見れない「ぶどうの花」とそのかぐわしい香りを間近に見て感じていただけるかと存じます。