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アーティスト・インタビュー

チェンバーミュージック・ガーデン
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サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン 2025
クァルテット・インテグラ × 練木繁夫 ピアノ五重奏曲名曲選

練木繁夫(ピアノ) インタビュー

山田治生(音楽評論家)

今年のチェンバーミュージックガーデン(CMG)では、サントリーホール室内楽アカデミーの修了生であり、現在、アメリカを拠点に世界的に活動するクァルテット・インテグラと、同アカデミーのファカルティである練木繁夫(ピアノ)の共演が実現する。練木は、ボストン交響楽団やシカゴ交響楽団などの一流楽団に招かれるソリストとして、また、チェロの巨匠、ヤーノシュ・シュタルケルとの二重奏など室内楽奏者として、国際的に活躍してきた。サントリーホールには1986年10月12日の「落成記念 “ザ・ガラ” オープニング・ナイト」以来、数多くの演奏会に出演。1992年度、第24回サントリー音楽賞を受賞している。
今回の共演では、室内楽を熟知したベテランが今最も勢いのある若手クァルテットとどのような化学反応を起こすかが非常に楽しみである。とりわけ、シューマンとブラームスのピアノ五重奏曲は、ピアノと弦楽四重奏とががっぷり四つに組む作品だけに、そのあたりを練木氏にきいてみた。

今回のシューマンとブラームスのピアノ五重奏曲はもう何度も演奏されていると思います。

どちらも名曲だけに奥が深いですね。僕は、たどり着く答えを見つけるため、試行錯誤して弾いていくわけです。特にシューマンは演奏する都度新しい発見が多い。シューマンは、昔は弾きにくかったですね。シューマンは、調性的に指にはまらないところがあるなど、ピアニスティックに書かれてないところがあります。聴きやすい曲ですが、弾くとシューマン特有の覚えにくさもある。でも今はシューマンの練り方が面白くなってきたと感じています。今回、若い人たちと演奏するのが楽しみです。

CMG2020(オンライン) フィナーレより
※演奏動画(シューマン)を本ページ下部よりご覧いただけます。

ピアノ五重奏というと、弦楽四重奏団との共演の場合もありますし、個々の奏者が集まってアンサンブルをする場合もあります。

弦楽四重奏団との共演はやりやすいですね。弦楽四重奏団で出来上がっているから。クァルテット・インテグラくらいの団体になると、僕はただ付いて行けばいいのだと思います。

CMG2016「キュッヒル・クァルテットのシューベルティアーデ」より

ピアノ五重奏と、ピアノ三重奏やピアノ四重奏との違いはいかがですか?

ピアノ三重奏は、ソリスティックな感じが出ます。バランスをとらないといけない難しさがあります。ピアノ四重奏はカルテットの良さがありますね。ピアノ五重奏になると、ピアノ六重奏というのはあまりないですから、室内楽の王様、室内楽の最高峰と言いますか、作曲家の意気込みが感じられる。フランクにしてもそうです。
ブラームスでは、ピアノ三重奏曲は個々との対話が面白いですね。メッセージのやりとりです。ピアノ五重奏曲は弦楽四重奏とピアノなので、アンサンブルもコンチェルト的になる。そして、ピアノ五重奏曲では小技はきかない。もっと大技になる。コンチェルトを弾くような気持ちになります。ブラームスのピアノ五重奏曲は、2台ピアノ版でも演奏したことがありますが、ブラームスは仕上げに苦労していますね。

CMG2017オープニング「堤 剛プロデュース」より
※演奏動画(ブラームス)を本ページ下部よりご覧いただけます。

今回はクァルテット・インテグラとの共演ですね。

彼らが桐朋学園にいた時代から個別にアンサンブルを教えたりしていましたが、僕としては、今回はそういうことを忘れないといけないと思います。舞台をシェアするからには彼らに対する尊敬を忘れないようにしないといけない。そこに僕の経験をミックスする。僕は、彼らのおじいちゃんくらいの歳ですが、普通にいろんな意見を言い合ったりするのが理想ですね。僕としては、若い音楽家に壁を作っていません。対等に演奏したいです。インテグラが室内楽アカデミーを巣立っていったときに、「いずれ仕事を頂戴ね」と言いましたが(笑)、今回の共演はものすごく楽しみです。
【あわせて読みたい】 クァルテット・インテグラ インタビュー

クァルテット・インテグラ

CMGで室内楽アカデミーの修了生とファカルティとの共演は初めてなのですね。

インテグラが演奏したいピアニストとして僕の名前を挙げてくれたのがとてもうれしかった。新しいメンバーのパク・イェウン(チェロ)にはまだ会っていないですが、興味ありますね。彼らがアメリカに行って、どういう成長をしたか楽しみです。インテグラは今まで室内楽アカデミーで聴いたなかで一番楽しみなカルテット。彼らは世界で活躍するだろうし、できれば長く続けてこれからの日本を背負ってほしい。そんな彼らと舞台をシェアできるのは光栄です。CMGでの共演、本当にうれしいです。

サントリーホール室内楽アカデミーワークショップより

最後にひとことお願いいたします。

この2曲を並べるプログラムは、タフはタフですけど、クインテットの王道というか、なかなか良いです。密度の濃い演奏をしたいですね。インテグラにとっても思い出に残るコンサートにしたいなあ。

  • 【演奏動画】シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44より 第1楽章
    CMG2020(オンライン) フィナーレより
    原田幸一郎、池田菊衛(ヴァイオリン)、磯村和英(ヴィオラ)、毛利伯郎(チェロ)、練木繁夫(ピアノ)

  • 【演奏動画】ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34 より 第3・4楽章
    CMG2017オープニング「堤 剛プロデュース」より
    原田幸一郎、池田菊衛(ヴァイオリン)、磯村和英(ヴィオラ)、堤剛(チェロ)、練木繁夫(ピアノ)

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