アーティスト・インタビュー

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サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)
プレシャス 1 pm Vol. 2 東欧エモーショナル

パク・イェウン(チェロ/クァルテット・インテグラ) インタビュー

山田治生(音楽評論家)

クァルテット・インテグラ

クァルテット・インテグラは、2024年3月にチェリストのパク・イェウンを新メンバーとして迎えた。ロサンジェルスのコルバーン・スクールでクァルテット・インテグラの3人(ヴァイオリン:三澤響果/菊野凜太郎、ヴィオラ:山本一輝)がパク・イェウンと出会い、今後はカルテットとして活動していく。
パク・イェウンにこれまでの経歴やクァルテット・インテグラに参加したきっかけ、今後の目標などを聞いた。
※クァルテット・インテグラ(三澤響果、菊野凜太郎、山本一輝) インタビューはこちら

クァルテット・インテグラ

まず、パクさんのこれまでのチェリストとしての活動を教えていただけますか?

2017年、私は14歳でコルバーン・スクールに入学しました。そして私はここに来て以来、いつも室内楽にとても興味を持っていました。コルバーンで過ごしている間に、学生たちが学校の外部から来たゲスト・アーティストと一緒に室内楽をすることができる、コルバーン室内楽ソサイエティのコンサート・シリーズで多くの音楽家と共演してきました。
残念なことに弦楽四重奏をする機会はそれほど多くありませんでしたが、クァルテット・インテグラに加わる前の1年間はピアノ三重奏に熱心に取り組み、昨年のミュンヘン国際音楽コンクールに出場しました。ソリストとしては、私は定期的に国際コンクールに挑戦してきました。たとえば、2022年のエリザベート王妃国際音楽コンクールや2023年のパウロ国際チェロ・コンクールなどです。

クァルテット・インテグラのメンバーとしてどんな演奏をしていきたいですか。インテグラに参加するきっかけは何でしたか?

インテグラの新しいメンバーとして、まだ弦楽四重奏の経験は浅いのですが、私の目標は、弦楽四重奏のチェリストとして、良い音楽的土台を築き、創造的な音楽的アイデアを提案し、クァルテットを導くことができるように、できる限り早く追いついて成長することです。
クァルテット・インテグラがコルバーンに来て以来、演奏会やクラスで私はいつも彼らの演奏を見るのをすごく楽しみにしてきました。彼らの演奏はいつも私にインスピレーションを与えてくれましたし、室内楽の演奏の仕方を示してくれました。それが、私がいたピアノ三重奏での演奏により懸命に取り組むことにつながりました。
インテグラとの最初の数回のリハーサルのあと、弦楽四重奏を演奏することはピアノ三重奏の演奏とは異なること、そして、弦楽四重奏で良い音を作る方法や楽譜にアプローチする方法がかなり違うことを確かに感じることができました。それはチャレンジングなことでしたが、新たな音楽作りの世界の発見だと私には感じられ、それは本当に興味深く、さらに探求したいという気持ちになりました。そして、クァルテット・インテグラの演奏を聴くことを常に楽しんでいたように、彼らとともに私の人生の新たな章を楽しもうという気持ちに疑いはありませんでした。

©Abby Mahler

クァルテット・インテグラのメンバーとしての演奏の抱負を聞かせてください。

まだ弦楽四重奏で弾き始めて何か月も経っていませんが、私は既に弦楽四重奏のレパートリーにとても魅了され、彼らとともに音楽を作ることにすごく喜びを感じています。私は、こんなに経験豊富な弦楽四重奏プレイヤーたちに囲まれて、信じられないくらい幸運です。彼らは、私が弦楽四重奏での演奏の仕方を学ぶことを本当によく助けてくれています。
私が弦楽四重奏に取り組もうと思った特別な動機の一つに、私のチェロの師匠であり、東京クヮルテットのメンバーでもあったグリーンスミス先生の存在があります。私がコルバーンに来た最初の年に、グリーンスミス先生は、東京クヮルテットが演奏するベートーヴェンの「ラズモフスキー弦楽四重奏曲集」のCDを私にくださいました。私の母が学校まで送ってくれる自動車のなかで何回も何回もそのCDを聴いていたのを思い出します。6年後、それらを弾いていることになるのも知らずに! 今も、先生の演奏から学ぶためにしばしばそのCDを聴き返しています。また、先生はいつも弦楽四重奏の演奏についてあらゆるアドバイスをしてくださることに、とても感謝しています。
クァルテット・インテグラとの最初のリハーサルから、この弦楽四重奏の音楽作りはとても特別であるといつも思ってきました。全員が本当に作品と作曲家をリスペクトし、丁寧に扱っています。彼らは、楽譜のどんな細部にも意味を持たせ、最も重要なことは、全員が音楽による大きな絵を描くこと、グループ独自のやり方で音楽を表現することを忘れていません。このことがクァルテット・インテグラを特別なものにしていると思いますし、私は、今、この音楽作りの一員となることができて幸せです。

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