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サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン 2024
葵トリオ ピアノ三重奏の世界~7年プロジェクト第4回

葵トリオ (ピアノ三重奏) メッセージ

CMG2023「葵トリオ ピアノ三重奏の世界~7年プロジェクト第3回」より                ©N.Ikegami

サントリーホール室内楽アカデミー第3期フェロー(受講生)として出会い、2016年からトリオとしての活動を始めた葵トリオ。2018年、第67回ミュンヘン国際音楽コンクールのピアノ三重奏部門で優勝以来、内外で大きな注目を集めています。
CMGでは2027年のベートーヴェン没後200年に向けて、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲を軸に古典から現代までの多彩なプログラムを披露する<7年プロジェクト>に臨んでいます。今年で4年目を迎えるこのプロジェクトについて、また今回の聴きどころや意気込みを3人のメンバー【秋元孝介(ピアノ)、小川響子(ヴァイオリン)、伊東裕(チェロ)】に聞きました。ページ下欄では葵トリオの最近の活動を写真とともにご紹介しています。

CMG2023「葵トリオ ピアノ三重奏の世界~7年プロジェクト第3回」より                ©N.Ikegami
CMG2022「 同公演 第2回」より        ©N.Ikegami

秋元孝介 (ピアノ)

7年プロジェクトも折り返し地点を迎えました。思えば2020年にベートーヴェン全曲演奏会をCMGで行う予定でしたが、新型コロナの影響であえなく中止に。代替企画として、1年ごとに1曲ずつベートーヴェンを掘り下げるとともに、幅広いレパートリーと組み合わせることで、葵トリオの成長を見守って頂くようなとても素敵な企画が誕生しました。
昨年までの3年間は、ベートーヴェンの作品1の3曲に取り組みましたが、若きベートーヴェンの異常なまでの新しい時代への挑戦意欲を改めて感じる機会となりました。カップリングプログラムも、フランクの作品1-1やラフマニノフの作品9など、若き情熱と意欲に溢れた知られざる作品を演奏してきました。
今年のベートーヴェンは、作品11「街の歌」に取り組みます。明るく瑞々しいこの作品は、僕が室内楽アカデミーの初回で取り組んだ作品でもあります。室内楽のイロハのイを学んだ、とても個人的に思い出深い作品です。そして合わせて演奏するのはフォーレとスメタナという、どちらも「死」を感じさせるプログラムです。死や病と向き合い、そこから生まれる音楽の深さとエネルギー、そして両作曲家の表現方法の違いについて掘り下げることができればと思っています。
ピアノ三重奏の軸とも言えるベートーヴェンと、古今東西の幅広いレパートリーを演奏する7年プロジェクトは、室内楽に特化したCMGだからこそできる企画です。今年もぜひ多くの皆様とピアノ三重奏を共に楽しみたいです!

秋元孝介(ピアノ)                                    ©N.Ikegami
東京藝術大学を経て、同大学院音楽研究科修士課程修了。第2回ロザリオ・マルシアーノ国際ピアノコンクール第2位、第10回パデレフスキ国際ピアノコンクール特別賞などを受賞。各地でソロリサイタルを開くほか、オーケストラとの共演や室内楽公演、アウトリーチ活動も積極的に行っている。サントリーホール室内楽アカデミー第3期フェロー。現在は東京藝術大学大学院博士課程に在籍しながら日本とドイツで演奏活動を行っている。

小川響子 (ヴァイオリン)

初めてCMGに出演させていただいたのは、9年前にサントリーホール室内楽アカデミー・フェロー(受講生)の時でした。幼い頃からの憧れのサントリーホールでの演奏は、嬉しさと同時に緊張に押しつぶされそうになったのを今でも覚えております。特に「フィナーレ」公演での演奏は、室内楽好きの、少しピリついたお客様の雰囲気に少し呑まれそうになりましたが、その客席の緊張感と奏者の緊張感が、室内楽にどっぷり浸かるCMGの空間を作り上げているのだと思いました。
室内楽に没頭できるCMGの空間で毎年演奏させて頂けることは、トリオにとって大きな刺激と成長になっていると感じます。
ベートーヴェンに毎年真摯に向き合う機会は大変貴重ですし、まだあまり日の目を浴びていない作品も取り上げることができ、自分たちの中でもピアノ三重奏のさらなる魅力を、毎年掘り下げることができていると思います。
2024年はベートーヴェンの「街の歌」、アニバーサリーイヤーのフォーレ(没後100年)とスメタナ(生誕200年)を演奏いたします。どの作品も全く違うキャラクターですが、ピアノ三重奏の魅力が存分に発揮される作品です。
また、今年は「CMGフィナーレ 2024」にて現役アカデミー生の方々とマルティヌーのトリプルコンチェルトを共演させて頂くこととなりました。若い優秀な方々とマルティヌーの溌剌とした作品に取り組むことができること、とても楽しみにしております。

小川響子(ヴァイオリン)                            ©N.Ikegami
東京藝術大学を経て、同大学院修士課程修了。ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーを修了。第10回東京音楽コンクール第1位および聴衆賞、リヨン国際室内楽コンクール二重奏部門第3位を受賞。ツェルマット音楽祭や東京・春・音楽祭など国内外の音楽祭に参加。サントリーホール室内楽アカデミー第3期、第4期フェロー。室内楽奏者、ゲストコンサートマスターなど国内外で活動している。2024年4月より名古屋フィルのコンサートマスターに就任。

伊東 裕 (チェロ)

2020年ベートーヴェン生誕250年の記念年のCMGで葵トリオにベートーヴェンのピアノ三重奏曲全曲演奏会のお話を頂いた時は、とても嬉しく光栄な気持ちでいっぱいでした。CMGでカルテットがベートーヴェンの弦楽四重奏曲を全曲演奏するベートーヴェン・サイクルはアカデミー・フェロー の頃から何度も聴きに行っていたので、同様のプロジェクトに参加出来ることが夢のようでした。残念ながら新型コロナの影響で中止となってしまいましたが、2027年の没後200周年に向けて7年間のベートーヴェンを中心に据えた公演を企画してくださり、心から感謝しております。
第1番から順番にその年ごとの記念の作曲家を交えたプログラムをお送りしましたが、作品1の3曲を3年かけてじっくり取り組んだおかげで初期のベートーヴェンの挑戦的な面、革新的なアイディアなどを改めて感じる貴重な経験になりました。CMG2024では第4番「街の歌」を演奏します。作品11も初期の作品ですが、作品1とはまた違った作風で、ベートーヴェンの明るく楽しい部分を存分に味わっていただけると思います。CMG2025以降はいよいよ中期以降の作品です。初期の作品とどう変わってくるのか、葵トリオの成長と共に、是非毎年お越しいただいて会場で体験していただけましたらとても嬉しいです!

伊東 裕(チェロ)                                      ©N.Ikegami
東京藝術大学を経て、同大学院修士課程修了。第77回日本音楽コンクールチェロ部門第1位、徳永賞を受賞。関西フィル、日本センチュリー響、神戸市室内合奏団、藝大フィルと協演。小澤国際室内楽アカデミー奥志賀、小澤征爾音楽塾オーケストラ、武生国際音楽祭、北九州国際音楽祭、宮崎国際音楽祭、東京・春・音楽祭などに参加。サントリーホール室内楽アカデミー第3期フェロー。東京都交響楽団首席奏者。
  • CMG2021「葵トリオ ピアノ三重奏の世界~7年プロジェクト第1回」より
  • 室内楽若手アーティストのためのマスタークラスにて講師を務める
    (2023年8月、大阪・住友生命いずみホール)
  • 広上淳一指揮オーケストラ・アンサンブル金沢のリハーサルより
    ベートーヴェン:三重協奏曲を演奏 (2023年9月、石川音楽堂)
  • 広上淳一(指揮)氏と葵トリオ
  • 澤 和樹(ヴィオラ)氏と共演 (2023年11月、和歌山城ホール)
  • 磯村和英(ヴィオラ)氏と共演 (2023年12月、渋谷美竹サロン)

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