主催公演

ウィーンの華やかな音楽をサントリーホールで ♪

サントリーホール ジルヴェスター・コンサート 2023
ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団

サントリーホールの大晦日を華やかに明るく彩ってくれる、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団。ウィンナ・ワルツやポルカなど心躍るプログラムに、旬の歌手も出演します。フォルクスオーパー一押しのソプラノ、ベアーテ・リッターと、常連のテノール、メルツァード・モンタゼーリの歌声にご期待ください。指揮はサントリーホールの年末年始公演でお馴染みのグイド・マンクージ。また、バレエ・アンサンブルSOVOPウィーンが華麗なウィンナ・ダンスでステージを彩ります。

【NEW】 エッセイ 「12月のウィーンは祝祭の日々 ~ジルヴェスター[大晦日]でお祭り騒ぎ」
※12月のウィーンの様子やジルヴェスターの熱気について、小宮正安氏に寄稿いただきました。(12月19日掲載)

本ページでは、ヨーロッパ文化史研究家・小宮正安氏によるジルヴェスター・コンサート紹介と、ナビゲーターをつとめる八塩圭子のメッセージ動画をご覧いただけます。動画では昨年のジルヴェスター・コンサートの様子も一部ご紹介しています。

ウィーンの特別な祭りの日「ジルヴェスター」

小宮正安(ヨーロッパ文化史研究家)


ドイツ語では「ジルヴェスター」という。日本語の「大晦日」のこと。
日本でも最近ではカウントダウン等で盛り上がることの多くなった大晦日だが、盛り上がりの本家本元はヨーロッパにある。中でもオーストリアの都ウィーンの場合、お祭り騒ぎ一色に包まれるのが特徴だ。夕方になると街の広場には人々が繰り出し、屋台で温かいワインなどをひっかけて誰も彼もがご機嫌な様子。やがて夜中の0時を迎えると、花火が上がり爆竹が鳴らされ、盛り上がりは最高潮に達する。

なお「ジルヴェスター」という名称は、古代ローマで活躍した教皇で、12月31日に没した聖人、シルヴェステル(?-335)に由来するとの由。つまり、元々は聖ジルヴェストロを記念する敬虔な宗教的祭日だった。ところがクリスマス・イヴから数えてちょうど7日目にあたるということもあり、さらには、キリスト教伝搬以前に存在した土着の宗教との融合も手伝って、賑やかに年忘れをする習慣が定着した。

 ウィーンのジルヴェスター 2022年イベント会場にて

いずれにしても大晦日は、ウィーン子にとって特別の祭りの日に他ならない。というわけで、普段はお堅いオペラの数々が上演されている国立歌劇場においてすら、特別にオペレッタ『こうもり』が上演される。ましてや、普段から肩の凝らないオペレッタやミュージカルも得意としているフォルクスオーパーにおいては言わずもがな。劇中に登場する酔っ払い看守が「12月31日」という日めくりカレンダーをめくると、「12月32日」と書いてある…というコテコテのギャグも健在だ。

そんなウィーンのとびきり愉しい伝統が、ジルヴェスター・コンサートとして、今年もサントリーホールへやって来る。出演は、30年以上の伝統を誇る同ホールのジルヴェスター・コンサートでお馴染みの、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団のメンバーたち。指揮者のグイド・マンクージは、今回のニューイヤー・コンサートでも演奏される『新幹線ポルカ』も作曲するほどの親日家だ。また、テノールのメルツァード・モンタゼーリは前回に続いての出演、ソプラノのベアーテ・リッターは、コロナ禍で中止になった公演に出演予定だったこともあって待望の来日となる。もちろん、音楽の喜びを如実に伝えてくれる奏者をずらりと揃えたオーケストラも欠かせない!

コロナ禍以降の工夫として、深夜のカウントダウンこそなくなったものの、代わりにコンサート後、活気づく師走の街に繰り出すもよし、家に帰ってゆっくり除夜の鐘を聴くもよし。ウィーンと東京という、言葉も文化も異なる2つの都市の伝統が、ジルヴェスター・コンサートを通じて1つになる。それはさながら、ヨーロッパに巨大な領土を誇ったハプスブルク家の帝都ウィーンにかつて見られた、豊かな文化交流の姿を彷彿させるものとなるだろう。

   グイド・マンクージ(指揮)
ベアーテ・リッター(ソプラノ)、 メルツァード・モンタゼーリ(テノール)
  • 八塩圭子(ナビゲーター) メッセージ
    ※昨年の「サントリーホール ジルヴェスター・コンサート」の様子も一部ご覧いただけます

  • 「サントリーホール ジルヴェスター・コンサート 2022」より