アーティスト・インタビュー

チェンバーミュージック・ガーデン
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サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン 2023

「ENJOY! 室内楽アカデミー・フェロー演奏会」
第7期フェロー(受講生)からのメッセージ

昨年の「ENJOY! 室内楽アカデミー・フェロー演奏会」より

室内楽アカデミー・フェロー(受講生)が日頃の研鑽の成果を発表するフレッシュな演奏会。
各作品の演奏前には、出演者の曲目紹介トーク付きで、室内楽がいっそう身近になります。
現役生にも著名なコンクールでの入賞やオーケストラへの入団など、目覚ましい活躍を見せる若手音楽家が多数。ほのカルテットは、この5月に大阪国際室内楽コンクールで第2位を受賞しました。フェローたちの真摯な演奏とこれからの活躍にご期待ください。
6月10日 (土)、6月17日 (土)の公演に出演する7団体のメンバーからのメッセージをお届けします。

昨年の「ENJOY! 室内楽アカデミー・フェロー演奏会」より
ほのカルテット 「大阪国際室内楽コンクール」第2位受賞の表彰式にて 

カルテット・インフィニート

私たちのカルテットは2021年に大学の同級生で結成し、今回のチェンバーミュージック・ガーデンではバルトーク:弦楽四重奏曲第2番第2楽章とハイドン弦楽四重奏曲Hob.III:75より第1・3・4楽章を演奏いたします。バルトークは4月に行われた選抜演奏会でも先生方に聴いていただき、そこでいただいたアドバイスをもとに、さらに構築してまいりました。
目まぐるしいテンポの緩急や独得の和声から作り出される緊張感をお楽しみいただければと思います。ハイドンは私たちのカルテットが結成して初めて取り組んだ作品でもあります。約2年の時を経て、このアカデミーで1年間、先生方から学ばせていただいたことを活かしながら、私たちなりのハイドンをお届けしたいと思います。
【ヴァイオリン:落合真子/小西健太郎、ヴィオラ:菊田萌子、チェロ:松谷壮一郎】

カルテット・インフィニート
2021年東京藝術大学2年在学中の4人で結成。これまで市坪俊彦、松原勝也、吉田有紀子に師事。ダニエル・ゲーデ、アンサンブル天下統一(長原幸太、鈴木康浩、中木健二)などのアカデミーを受講。「インフィニート=無限」。音楽やメンバーのひとりひとりの持つ無限の可能性を信じ、作品と深く向き合っていきたいという想いを込めて命名。プロジェクトQ・第20章に参加。現在、同大学4年に在学中。

クァルテット・フェリーチェ

私たちクァルテット・フェリーチェは、4人が大学1年生の時に結成しました。ちょうどその頃はコロナが酷く蔓延しており、クァルテットの練習はもちろん、大学に通うこともできず、演奏会も度々中止になってしまうという状況にありました。しかし世の中が徐々に回復に向かい、今回こうして室内楽アカデミーの一員として素晴らしいフェローの皆様と同じ舞台に立たせていただけることを、大変光栄に思います。
さて今回は、ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」より第3・4楽章(6/10)、バルトーク:弦楽四重奏曲第2番より第2楽章 (6/17)を演奏いたします。ドヴォルジャークの「アメリカ」は数ある弦楽四重奏曲の中でも非常に有名な作品で、演奏するたびにこの名曲の持つエネルギーと共鳴する喜びを感じられる曲です。バルトークの弦楽四重奏曲第2番は我々が初めて挑戦した近現代の作品です。20世紀における新たな弦楽四重奏の規範を呈したバルトークの作品に触れることは、クァルテットとしての基盤を構築するための良い学びとなりました。
今回、我々にとって初めてのブルーローズでの公演になります。この素晴らしいホールで演奏させていただくにあたり、ご指導くださったファカルティやスタッフの皆様、そしてご来場くださるお客様に感謝を込めて演奏したいと思います。
【ヴァイオリン:五月女 恵/清水耀平、ヴィオラ:川邉宗一郎、チェロ:蕨野真美】

クァルテット・フェリーチェ          ©N. Ikegami
2020年桐朋学園大学1年在学中の4人で結成。学内オーディションによる第103回室内楽演奏会に出演。MMCJ2021にてクァルテット・エクセルシオ、大友直人、鈴木学、アラン・ギルバートに師事、共演。霧島国際音楽祭のマスタークラスを受講。ル・ポン国際音楽祭2022に出演。第4回K室内楽コンクール第1位。ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール2022第2位(最高位)。磯村和英、山崎伸子に師事。

カルテット・プリマヴェーラ

今回は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第2番第1楽章(6/10)とシューマンの弦楽四重奏曲第1番1・2楽章(6/17)を演奏させていただきます。4月の選抜演奏会でこの2曲をファカルティの皆様に聴いていただきました。その際にいただいた意見をもとに、さらに本番に向けてまたじっくりと曲に向き合っていきたいと思います。
また、CMGはプリマヴェーラとしての演奏だけでなく、海外アーティストの方々ともご一緒出来る機会を頂き、今からワクワクドキドキしています。普段はカルテットの勉強をしていますが、このCMGではカルテット以外の編成でも演奏するので、吸収できるように集中して臨みたいと思っています。そして、色々な楽器のことや様々な編成での勉強も出来ることが楽しみです。コンサートに向けてしっかり準備をしていきたいと思います。
【ヴァイオリン:石川未央/岡 祐佳里、ヴィオラ:多湖桃子、チェロ:大江 慧】

カルテット・プリマヴェーラ        ©Ayane Shindo
2021年桐朋学園に在学中に結成。「プリマヴェーラ」とはイタリア語で“春”という意味を持ち、磯村和英に名付けられる。ザルツブルク゠モーツァルト国際室内楽コンクール2023第2位。桐朋学園学内の成績優秀者による第108回室内楽演奏会に出演。MMCJ2022、プロジェクトQ・第20章のマスタークラスを受講したほか、磯村和英、山崎伸子に指導を受ける。

ほのカルテット 

6月のチェンバーミュージック・ガーデン(CMG)では、世界各地で活躍されている演奏家の皆様と共演できる事、また普段は一緒に演奏する機会が少ないフェローの皆様ともオーケストラで共演できる事を嬉しく思います。(一部のメンバーは6/11「ラデク・バボラークの個展 ’23」にてCMAアンサンブルの一員として出演)
今まで勉強していたコンクールのレパートリーとは別に、新しい曲に取り組むのも久しぶりなのでとても楽しみです。今回演奏するLangsamer Satz(緩徐楽章)は新ウィーン楽派のヴェーベルンの作品ですが、12音技法を取り入れる前の後期ロマンを彷彿とさせるような、濃厚な和声と官能的な旋律が特徴的です。あまりほのカルテットでは取り組むことの少ない曲調なので私達でどの様な音楽が作れるかある種挑戦的な選曲となっています。
私達にとってこの5月に大阪国際室内楽コンクールで第2位受賞後、初めての演奏会となりますので、1年間アカデミーで育んだ音楽の素晴らしさを皆様と共有し、新たなる門出となるようなコンサートになるよう心より願っております。
【ヴァイオリン:岸本萌乃加/林 周雅、ヴィオラ:長田健志、チェロ:蟹江慶行】(6/10のみ)

ほのカルテット             ©N. Ikegami
2023年5月に開催された大阪国際室内楽コンクール2023弦楽四重奏部門第2位およびアンバサダー賞受賞。18年メンバー全員が東京藝術大学在学中に結成し、始動半年で第4回宗次ホール弦楽四重奏コンクールにて第3位およびハイドン賞受賞。19年第8回秋吉台音楽コンクール弦楽四重奏部門にて第1位受賞。プロジェクトQ・第19章に参加。20年より松尾学術振興財団の奨学金を受ける。山崎伸子、松原勝也、市坪俊彦に師事。

クレアール・クァルテット

私たちクレアール・クァルテットは、東亮汰・前田妃奈・古市沙羅・山梨浩子の4人で活動していましたが、昨年開かれたヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで、前田妃奈さんが見事に優勝を果たしました。それに伴い、同メンバーでの室内楽アカデミーの継続は難しくなってしまいましたが、新たに三浦舞夏さんをメンバーにお迎えし、今後の室内楽アカデミーではピアノ四重奏を学ばせていただくことになりました。
今回出演する2回のフェロー演奏会は、設立メンバー、そして新体制での演奏を披露させていただく特別な演奏会になります。
10日は前田さんと共に、ハイドンの弦楽四重奏曲「ラルゴ」より第1・4楽章を演奏いたします。それぞれの性格や個性が異なる私たちだからこそ、各パートの対話をお楽しみいただけるのでは、と思います。
17日は三浦さんと共に、ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番より第1楽章を演奏いたします。この楽曲では、恩師の死を目の当たりにする悲劇的な面と、それを払い除けようとする勇壮な楽想の対比が聴きどころです。その音楽を、会場の皆様と共有できるようお届けいたします。
【ヴァイオリン:東 亮汰、ヴィオラ:古市沙羅、チェロ:山梨浩子、ヴァイオリン:前田妃奈(6/10のみ)、ピアノ:三浦舞夏(6/17のみ)】

クレアール・クァルテット
サントリーホール室内楽アカデミー第5・6期に参加したメンバーを中心に、第7期の受講にあたって結成。「クレアール」はスペイン語で“創造する”ことを意味する。とやま室内楽フェスティバル2022では、弦楽三重奏として参加。
ゲスト奏者(写真下):前田妃奈、三浦舞夏

トリオ・アンダンティーノ

今回のチェンバーミュージック・ガーデンでは、シューマンのピアノ三重奏曲第1番を演奏いたします。この曲は5月のワークショップで取り組んだ曲で、歌曲を得意としたシューマンならではの旋律の歌わせ方や、予想のできない変化の多いこの曲をどのように構成するかなどのヒントを先生方にご指導いただきました。毎月の室内楽アカデミーでは、素晴らしい先生方から沢山の貴重な助言をいただき、ワークショップを受けた後にその経験に裏打ちされた一言一言の意味を考え、演奏に落とし込む時間が何よりも楽しく力になっています。
昨年は三人で客席から観ていた舞台に今年は演奏者として立てることはこの上ない喜びです。「シューマンらしさ」について改めて3人で考え、私たちが感じたこの曲の魅力を是非お聴きいただければ嬉しいです。
【ヴァイオリン:城野聖良、チェロ:高木優帆、ピアノ:渡辺友梨香】

トリオ・アンダンティーノ          ©N. Ikegami
東京藝術大学の同期三人で2020年に結成。ザルツブルク゠モーツァルト国際室内楽コンクール2021、杉並公会堂ベヒシュタイン室内楽コンクールで最高位を受賞。これまでに河野文昭、山崎貴子、江口玲、松原勝也のレッスンを受講。グループ名は、コロナ禍中の練習で重宝した音楽スタジオの名前に由来し、初心を忘れないという意を込めて命名。23年東京文化会館主催の4館連携アフタヌーン・コンサートに出演。

ポルテュス トリオ 

今まで聴衆として聴いていたブルーローズの舞台で、素晴らしい演奏家の皆様と同じフェスティバルの中で演奏できる楽しみと嬉しい気持ちでいっぱいです。アカデミーに参加する前は、各々が伝えたいことをそのまま演奏することが多かったのですが、現在は曲を立体的な視点で、誰がどういう役割なのか、そのために必要な表現は何かということを深く考え、お互いに意見を出し合って弾くことができるようになりました。
今回は10日にマルティヌーのピアノ三重奏曲第2番より第 1・3楽章、17日に細川俊夫さんの「トリオ」を演奏いたします。マルティヌーは、昨年9月の初めての室内楽アカデミーで先生方に聴いていただいた曲です。演奏される機会はあまり多くありませんが、リズムと共に発展する曲で、先の読めない展開にドキドキします。細川俊夫さんの「トリオ」は、まるで墨絵を見ているような、静と動の対比から成るエモーショナルな曲です。
どちらも思い入れのある曲、ぜひポルテュス トリオの演奏を楽しみにして頂ければ幸いです。
【ピアノ:菊野惇之介、ヴァイオリン:吉村美智子、チェロ:木村藍圭】

ポルテュス トリオ            ©N. Ikegami
2021年桐朋学園大学に学ぶメンバーによって結成。ポルテュスはラテン語で「港」を意味し、3人が横浜出身であること、音楽を通じて世界へと開かれる港となれるように願いを込めて命名。学内選抜による第105回桐朋学園室内楽演奏会に出演。ザルツブルク゠モーツァルト国際室内楽コンクール2023第1位。とやま室内楽フェスティバル2022ミュージアムコンサートにて、磯村和英、池田菊衛と共演。山崎伸子、練木繁夫に師事。

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