主催公演

大みそかと新年に届くウィーンの物語
~ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団

サントリーホールの年末年始を華やかに明るく彩ってくれる、おなじみのウィーン・フォルクスオーパー交響楽団。2020年のお正月以来3年ぶり、満を持しての来日公演となります。
ウィンナ・ワルツやポルカなど心躍るプログラムに、フォルクスオーパー黄金コンビのソリスト歌手が出演。数々の歌劇場で主役を演じてきたディーバ、エリーザベト・フレヒル(ソプラノ)と、ニューイヤー・コンサート常連のテノール、メルツァード・モンタゼーリの歌声にご期待ください。
指揮は、ヴァイオリンの弾き振りでもお馴染みのオーラ・ルードナーが登場。また、バレエ・アンサンブルSVOウィーンが華麗なウィンナ・ダンスでステージを彩ります。
1月1日~3日サントリーホール公演のほか、1月6日大阪・フェスティバルホール、1月7日名古屋・愛知県立芸術劇場にて開催されます。

ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団の「ジルヴェスター・コンサート」「ニューイヤー・コンサート」をより楽しんでいただくために、本ページにて下記をご案内しています。
★ 曲目解説(文・田辺秀樹/ドイツ文学)
  「ジルヴェスター・コンサート」 曲目解説   「ニューイヤー・コンサート」 曲目解説 
エリーザベト・フレヒル インタビュー
ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団の歴史、音楽の特色
ダイジェスト版動画「サントリーホール ニューイヤー・コンサート2020」

エリーザベト・フレヒル(ソプラノ) インタビュー

♪ その役になりきることで伝えられる物語


30年にわたって、ウィーンの華やかで楽しい年末年始の雰囲気を日本に届けてくれているウィーン・フォルクスオーパー交響楽団。今年、3年ぶりに来日し、ジルヴェスター・コンサートとニューイヤー・コンサートが開催されます。サントリーホールの舞台に明るく優雅なウィーンの風が吹くのです。
今年のソリストのひとりエリーザベト・フレヒル(ソプラノ)。ウィーンではオペラやオペレッタの様々な役柄で活躍、時にはリリックな明るい声で、時にはドラマチックな歌い方で、と多彩な表現力に定評ある歌い手です。
「まず、日本にまた行けることをどんなに楽しみにしているか、お伝えさせてください。この厳しいコロナ禍の2年の時を経て、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団とともに年末年始の公演に出演できることは、私にとって嬉しく晴れがましいことです」

多彩な物語を歌っているフレヒルさんにとって、〝役を演じる〟とはどのようなことでしょうか。
「私がだんぜん好きな役は、ヨハン・シュトラウスⅡ世のオペレッタ『こうもり』のロザリンデです。音楽的にはとても難易度が高いのですが、一方でとにかく軽やかにふるまわなくてはいけません。この役で少なくとも100回は歌いましたが、私にとっては、今も基本に戻れる最も大事な役です。ロザリンデは、演じるものではなく、私そのもの、といってもいいかもしれません。〝今度はどんな人間になろうか〟と考えることは、チャレンジでもあり特権だと思います」

演じるのではなくその役になりきることが、観客に感動してもらえる唯一の術だといいます。
「オーストリアでは、年末年始の定番といえばシュトラウスの『こうもり』。なので、この期間はいつも、ロザリンデになりきっています。
今年の冬は私がウィーンの空気をを日本にもっていきます。どうぞ音楽の魔法にかかって幸せになってください。大みそか、お正月に、元気いっぱいでお目にかかりましょう!」

©Alfred Eschwé
ウィーンではお馴染みのディーヴァ、エリーザベト・フレヒル
©Volksoper Wien
オペレッタの殿堂、フォルクスオーパーの舞台でオペレッタ『こうもり』ロザリンデ役での一幕。

ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団の歴史、音楽の特色

♪ 1917年創設。ウィーンの市民と音楽家達に支えられたオーケストラ活動


ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団は、1917年ウィーン・フォルクスオーパー(国民劇場)(註※)に所属する劇場付きの演奏家達が立ち上げた「ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団(Wiener Volksopernorchester)」を母体としています。
地元ウィーンと劇場関係者の尽力と熱意で創設された、このオーケストラの最初の演奏会は1917年11月11日にフォルクス・オーパーの舞台で行われ、その際には、リストの交響詩『前奏曲』、マーラーの歌曲『さすらう若者の歌』、そしてブルックナーの『交響曲第5番』が演奏されました。
(註※)ウィーン・フォルクスオーパー(Volksoper Wien)は1898年、当時の皇帝フランツ・ヨーゼフ即位50年を記念して建設された劇場。最初は演劇用劇場としてスタートし、その後オペラ、オペレッタなども上演する歌劇場となる。街の中心部から少し外れた北側に位置し、ウィーン市民が気軽に楽しめる、オペラ、オペレッタ、ミュージカル、バレエの演目が毎日行われている。
1939年には当時のオーストリア国家政策としてオーケストラはいったん解散し、その後、第二次世界大戦が終わってしばらくまでの間は、組織形態を変え「ウィーン・フォルクスオーパー・オーケストラ共同組合」として活動を続けることになります。音楽活動に大変な困難を極めたこの時代にも、数えきれないレコード録音を行っています。中でも1953年に収録したマーラーの交響曲第5番のLP盤は、録音技術、音楽面でも最高傑作として世の中に残すことができました。
1978年、音楽家達の悲願であった演奏団体としての「ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団」の名が復活し、劇場での日々のオーケストラ・ピットでの音楽活動と並行して、管弦楽作品のレパートリーでのコンサート活動も再開されました。そして現在も、劇場で毎日行われるオペラ、オペレッタ、ミュージカル、バレエの舞台とは別に、「ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団(Syphonieorchester der Volksoper Wien)」の名称で、コンサート・オーケストラとして世界中のホールで演奏会を行っています。

1927年頃のフォルクスオーパー(絵はがき)

このオーケストラは、歌劇場付楽団の利を活かし、ウィーンのオペレッタ、また、「歌もの」のコンサートには、とても定評があります。これまで、ホセ・カレーラス、アグネス・ヴァルツァ、ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、エリーナ・ガランチャ、ヨナス・カウフマン、アンジェラ・ゲオルギュー、ピョートル・ベチャワ、アンネッテ・ダッシュ、ディアナ・ダムラウ、ファン・ディエゴ・フローレスなど名だたる歌手達と度々共演しています。
1988年からはアジア各国でもコンサート・ツアーを行っていますが、特に日本、とりわけ、東京サントリーホールとは特別な関係を築いています。1990年1月のニューイヤーコンサートから始まり、1994年からは毎年、サントリーホールでの年末年始のジルヴェスター&ニューイヤーコンサートに出演、あわせて日本各都市でニューイヤーコンサートを行っています。
2011年東日本大震災の折には義援金を集め、サントリーホールを通じて被災地域の音楽文化活動復興のために役立てていただきました。

1990年1月の「サントリーホール ニューイヤー・コンサート」

♪ ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団の音楽の特色
ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団のお客様は、お年寄りから子どもまで様々ですが、いつも、その時々のお客様にもっともふさわしいステージになるよう、フレキシブルな編成や構成で対応しています。このオーケストラは、異なるスタイルの音楽、例えばバロック音楽、宗教曲から映画音楽、現代音楽に至るまで、しなやかにキャラクターを変えて演奏することができる稀有な楽団です。そもそも、劇場のオーケストラ・ピットでは、舞台にあわせて様々な音楽スタイルが要求されますので、コンサートに限らず、オーケストラがどれだけ音楽的な引き出しを持っているかは、舞台にも大きな影響を与えます。自分達が何を演奏するのか、オペラ、オペレッタなのか、はたまた交響曲なのか、ミュージカル、バレエもしかり、それぞれのジャンルとスタイルに合わせて、このオーケストラは音楽を変えることができるのです。
このように、オーケストラ作品のための音楽作りと、劇場のオーケストラ・ピットで求められる多様でフレキシブルな音楽、その両方をこなさなくてはならない二刀流の演奏活動だからこそ、このオーケストラの特徴でもある、「ウィーン・オペレッタ」のDNAと「ウィーン伝統の響き」も醸成され、脈々と受け継がれています。

たくさんの音楽レパートリーをこなすウィーン・フォルクスオーパー交響楽団は、様々な国籍、異なる文化圏から集まったメンバーで構成され、時には新しく、時には伝統的な音楽の響きを一緒に作り上げています。日々、新しい事に取り組むと同時に、このオーケストラのルーツ、伝統にも真摯に向き合い続けています。
2022/23シーズンから、フォルクス・オーパーの新しい音楽監督として指揮者のオメール・メイア・ヴェルバーが就任し、2022年9月には早速、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団によるコンサートシリーズがウィーン・コンチェルトハウスでスタートしました。初回のプログラムは、チャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲(ソリスト:五嶋みどり)』、ショスタコーヴィチ『交響曲第9番』、そして2020年作曲のアジザ・サディコヴァの『マリオネット』と、現代作品も取り入れた意欲的なプログラム。
オーケストラの音楽面でのさらなる進化発展にご期待ください。

©Barbara Pálffy/Volksoper Wien
現在のウィーン・フォルクスオーパー外観
©barbara pálffy/Volksoper Wien
フォルクスオーパー公演 バレエ『くるみ割り人形』より
  • 「サントリーホール ニューイヤー・コンサート2020」 ダイジェスト版

  • これまでのニューイヤーコンサートより

赤坂インターシティAIRのイルミネーション(2023年2月14日まで)

サントリーホールから歩いてすぐ、東京メトロ溜池山王駅直結で豊富な緑地を誇る「赤坂インターシティAIR」は、並木道やテラス、水辺などが心地よい空間です。
1階にある「手打ち蕎麦 溜池」が通常平日のみ営業のところ、大晦日に特別営業。
年越しそばを楽しんでから、ジルヴェスター・コンサートへどうぞ!
※営業時間は状況により変更の可能性がありますので、事前にご確認ください。

手打ち蕎麦 溜池
大晦日の特別営業は11:00から17:00 ※売切れ次第終了
TEL: 03-6426-5727
【特別サービス】 コンサート当日のチケットもしくは半券をお持ちのお客様に、
ザ・プレミアム・モルツ中瓶1本もしくは500円分割引(要事前予約)

赤坂インターシティAIRのイルミネーション(2023年2月14日まで)