「サントリーホール アカデミー」トピックス

室内楽

2023年5月10日

「大阪国際室内楽コンクール」出場決定!
ほのカルテット、ポルテュス トリオ<サントリーホール室内楽アカデミー 第7期生>
タレイア・クァルテット<同 第5期生>

ほのカルテット(弦楽四重奏)
ヴァイオリン:岸本萌乃加/林 周雅、ヴィオラ:長田健志、チェロ:蟹江慶行
ポルテュス トリオ(ピアノ三重奏)
ピアノ:菊野惇之介、ヴァイオリン:吉村美智子、チェロ:木村藍圭 

昨年9月よりサントリーホール室内楽アカデミーで学ぶほのカルテット(弦楽四重奏)とポルテュス トリオ(ピアノ三重奏)が、間もなく開催される「大阪国際室内楽コンクール」に出場が決定しています。また、室内楽アカデミー第5期で学んだタレイア・クァルテット(ヴァイオリン:山田香子/二村裕美、ヴィオラ:渡部咲耶、チェロ:石崎美雨)も出場します。
毎月、サントリーホールで開催する室内楽アカデミーのワークショップで、ほのカルテットとポルテュス トリオはコンクールの課題曲に取り組んできました。メンバーに室内楽アカデミーのこと、コンクール出場への意気込みなどを聞きました。
彼らの今後の活動にぜひご注目ください。

ほのカルテット
普段は先生1人に見ていただくという環境で育った私たちにとって、室内楽アカデミーではファカルティの皆様に聴いていただいて同時に色々な意見を聞けるのはとても新鮮でした。違った視点からアドバイスしてくださり、しかしそれらの意見が矛盾することもなく、吸収する事がたくさんありとても充実した時間です。
4月に6月開催のチェンバーミュージック・ガーデン(CMG)の選抜演奏会を終えて、いつもは広くても20畳ぐらいの部屋でリハーサルをしていましたが、広いブルーローズ(小ホール)でカルテットとして久しぶりに弾いてみると細かい事(アーティキュレーション、音程、フレージングetc. )はもちろん、全体の構成、ストーリーなどまだまだ考えなければいけない部分があると思いました。

「大阪国際室内楽コンクール」には前回2020年にも出場予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の関係で延期になり結果的に中止になってしまいましたので、今年また出場できることが決まった時はカルテット皆とても嬉しく思いました。今まで受けてきたコンクールは多くとも課題曲が2、3曲でしたが今回は7曲という倍以上の曲を準備する事に不安がありました。しかし、委嘱作品や課題の現代音楽などに触れるにつれ新しい景色やアイデアが浮かび、カルテットのリハーサルも充実しています。カルテットとして国際コンクールには今回が初めての挑戦となりますので、精一杯悔いのないよう4人で協力して頑張りたいと思います。

6月のCMGでは、世界各地で活躍されている演奏家の皆様と共演できる事をとても嬉しく思っております。コンクールのレパートリーとは別にカルテットとして新しい曲に取り組むのも久しぶりなので楽しみです。


ポルテュス トリオ
室内楽アカデミーは、世界で活躍されているファカルティ(講師)の前で演奏の指導をしていただけること、本番の機会があること、全てが有り難い機会で、毎月緊張感を持って取り組んでいます。
ワークショップでは、ファカルティから、演奏する会場の大きさや響きに合う音量やバランス、表現の仕方が大事であると指導を受けてきました。4月のCMGの選抜演奏会では、しっかりと各楽器の響きをキャッチしながら、ブルーローズ(小ホール)の空間を使って表現できたのではないかと思っています。広い会場で曲全体を通して演奏してみることで、楽章間の「間の取り方」など、いつもと異なる視点でのアドバイスもありました。自分たちが演奏するだけでなく、他のグループの演奏を集中して聴くことができる大切な機会でもあり、とても刺激を受けましたし、とても勉強になりました。

私たちポルテュス トリオは、5月に「大阪国際室内楽コンクール」に挑戦します。様々な国、時代の曲を何曲も準備しなければならず、日本人の作曲家の曲にも初めて取り組んでいます。元東京クヮルテットの講師の先生からは、武満徹さんや細川俊夫さんの作品も演奏したことがあり、編成は異なりますが、作品の捉え方を教わりました。他にも、様々な国籍の出場者がいる中で、私たち日本人と、舞台慣れしている外国人の佇まいの違い、ステージには自信を持って笑顔で登場するとか、挨拶、体格的なパワーの違い、それを上回る曲への深い理解を示すことなど、世界で活躍された先生方ならではの視点で教えていただきました。コンクールに向けて、毎月のアカデミーを本番だと思って取り組めたことは、本当に良かったと思います。

また、6月には初めてCMGに出演します。今まで聴衆として聴いていたあの舞台で、素晴らしい演奏家の皆様と演奏できる嬉しさと楽しみな気持ちでいっぱいです。
これまで各々がこう弾きたいと思ったことを伝えていた演奏から、曲を立体的な視点で、誰がどういう役割なのか、そのために必要な表現は何かということを深く考え、お互いに意見を出し合えるようになりました。来年の6月までの受講期間で、トリオとしての音色を深めてさらに成長できるように頑張りたいと思います。

ほのカルテットの演奏 チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)の選抜演奏会にて(2023年4月)
ポルテュス トリオの演奏(同)
タレイア・クァルテットの演奏
サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン
ENJOY! 室内楽アカデミー・フェロー演奏会(2019年6月)